礼服にはカラーフォーマルとブラックフォーマルがあります。
もちろん男性・女性とありますが、男性の場合は小物が限られているのでちょっとしたマナーを知っている・知っていないで大きな違いが出てきます。
特に【礼服のネクタイのマナー】は知っているようで知らないことの方が多く、無意識のうちにマナー違反をしていることもよくあります。
特にお葬式のマナー違反は、あなたが恥ずかしい思いをするだけではなく周りの人に対して不愉快な思いをさせることがあります。
そこで今回は礼服のネクタイについてのマナーをわかりやすく解説!
カラーフォーマルとブラックフォーマルの違いや結び方、お葬式でよくありがちなマナー違反の例などをわかりやすく解説します。
お葬式でよくあるネクタイの結び方のマナー違反
ネクタイは結び方によって見た目の印象が大きく変わりますよね?
同じネクタイであっても結び方を変えるだけで全く違った印象になります。
でもそのことが結果としてお葬式でのネクタイのマナー違反となってしまうことがあります。
まずお葬式では「目立つ服装はNG」です。
男性の場合は小物が少ないので、ちょっとした点でもマナー違反をしていると目立ちます。
特にネクタイは顔周りの印象とも関係してくるので要注意です。
お葬式での基本は「プレーンノット」です。
結び目がコンパクトという点がポイントなのですが、ネクタイの基本となる結び方になるので結びやすいという特徴もあります。
小柄な男性の場合はシャツも体に合わせた小さめのレギュラーカラーとなるはずなので、この場合は「スモールノット」でもOKです。
プレーンノットよりもさらに結び目がコンパクトになるので、顔周りの印象がすっきりと見えます。
ちなみにカラーフォーマルでおすすめの「ダブルノット」「ウィンザーノット」「クロスノット」は、お葬式ではNGです。
いづれも結び目にボリュームがあるので「装飾性が強い」とみなされます。
これらの結び方は上級者用の結び方ですのでビジネスシーンなどではオシャレに見えますが、オシャレが厳禁のお葬式では周りの方々に不愉快な思いをさせてしまいます。
お葬式のネクタイの色は黒のみ!
お葬式のネクタイの色は「黒」です。
よほどの事情があってブラックスーツを準備することが出来ない場合はダーク系のネクタイでも許容範囲ですが、ブラックスーツに合わせるのであれば絶対にダメです。
さらに光沢があるものもNGです。
織模様がある黒のネクタイもありますが、これもできるだけ避ける方がよいです。
最近では「織模様程度であれば問題ない」と考える人も増えていますが、マナーに厳しい地域では織模様のあるブラックネクタイをお葬式でつけてくると「マナーがなっていない」と怒られることがあります。
礼服のマナーとは!?
礼服は「正装」とも言います。
礼服というと何となくぼんやりとした印象になりますが、「正装」といわれると「マナーに厳しい」というイメージになりますよね?
でもそれが正しいのです。
ただ礼服といってもどんなシーンに身に着ける服なのかによって、マナーが異なってきます。
・礼服には2種類ある
礼服には【カラーフォーマル】と【ブラックフォーマル】の2種類があります。
カラーフォーマルの代表といえば「結婚式」です。
お祝いの席やパーティーなどのフォーマルシーンのことを意味していて、「正礼服」「準礼服」「略礼服」の3種類があります。
これに対してブラックフォーマルの代表は「お葬式」です。
弔事関連のフォーマルシーンのことを意味していて、カラーフォーマルと同じように「正礼服」「準礼服」「略礼服」の3種類があります。
・カラーフォーマルの基本的なマナー
カラーフォーマルの場合、ドレスコードに「タキシード着用」となっていない場合は準礼服を身に着けるのが基本です。
ちなみに男性の場合はブラックスーツが準礼服にあたります。
ただしブラックスーツがない場合は、略礼服のダークスーツをつけてもマナー違反ではありません。
カラーフォーマルは華やかなお祝いのシーンですので、ブラックスーツといってもお葬式を連想させるような着方はNGです。
ですからカラーフォーマル専用のブラックスーツは光沢がありますし、ネクタイも光沢があるものを選びます。
もちろんブラックのネクタイでも問題ありませんが、この場合も光沢があるものを選びます。
ただしカラーフォーマルの場合も主役が必ずいますよね?
ですから主役より目立つ服装はマナー違反です。
ですからカラーシャツを合わせたりデザインが派手なネクタイを選ぶのはNGです。
・ブラックフォーマルの基本的なマナー
ブラックフォーマルの場合は「正礼服」となると燕尾服または紋付きの羽織袴となります。
しかもお葬式の正礼服は身に着けてもよい人の範囲は決まっていて、「喪主」「遺族」「三親等以内の親族」となっています。
ただ最近のお葬式では喪主であっても正礼服を身に着けることはほとんどありません。
冠婚葬祭であればオールマイティーに使うことが出来る準礼服の「ブラックスーツ」を着用するのが一般的です。
ちなみにブラックスーツは喪主や遺族・親族だけでなく、一般弔問客の服装の基本でもあります。
ですから男性がブラックフォーマルに参加するのであれば「ブラックスーツを身に着ける」と覚えておけばマナー違反になりません。
ただしお葬式ですので「光沢があるものはNG」です。
カラーフォーマルでは「お葬式を連想させる服装はNG」となりますが、ブラックフォーマルはその逆です。
華やかな印象に見える服装はカラーフォーマルを連想させるため、「光沢があるものはNG」となります。
・ネクタイに合わせるシャツも礼服の場合はマナーがある
礼服は「正装」ですから、ネクタイに合わせるシャツにもマナーがあります。
まずシャツは長袖が基本です。
シーズンは関係ありません。
カラーの基本は「白」で「無地」となります。カラーフォーマルの場合はドレスシャツであっても問題ありませんが、お葬式のようなブラックフォーマルではNGです。
襟は「レギュラーカラー」が基本です。
カラーフォーマルでは「ワイドカラー」もOKですが、お葬式でワイドカラーだとマナーに厳しい地域ではNGの場合もあります。
ちなみにビジネスシーンでよく使う「ボタンダウン」は、礼服のシャツとしてはNGです。
特にお葬式でボタンダウンを選ぶと「あの人はマナーが分かっていない!」とみられます。
間違ってもシャツでマナー違反とならない様に注意してくださいね。
・礼服のネクタイの基本
カラーフォーマルの場合は、ネクタイにネクタイピンをつけても問題ありません。
ネクタイピンは男性のアクセサリーですので、カフスと併せて使えばオシャレに見えます。
またカラーフォーマルであれば、ネクタイの色をダーク系にしてネクタイピンでアクセントをつけるという方法もあります。
これならば主役を引き立てつつも、華やかさのあるスタイルになります。
ところがブラックフォーマルの場合は、カラーフォーマルでOKのネクタイピンはNGになります。
ブラックフォーマルでは「光沢があるものはNG」ですし「アクセサリーはNG」です。
ネクタイピンは男性のアクセサリーですし金属なので光沢がありますよね?
ですからお葬式でネクタイピンをつけていると2つのマナー違反となります。
ちなみにパール製品の場合は例外です。
パールは「涙の象徴」といわれています。そのため男性に限らず女性の場合も、パール製品のアクセサリーはOKです。
とはいえパールのネクタイピンの使い方は難しいので、よほどマナーに自信があるのではないなら「お葬式でネクタイピンは付けない」としておいた方が無難ですよ。
まとめ
礼服といっても結婚式のようなカラーフォーマルとお葬式のようなブラックフォーマルでは、服装の基本やマナーが全然違います。
フォーマルに参加するときの男性の服装は、冠婚葬祭いずれにおいてもブラックスーツが基本ですが、中に合わせるシャツやネクタイのマナーは全く違います。
また女性と比べて身に着けるアイテムが限られている男性の場合は、ネクタイのマナーをきちんと知っていないとあなたが恥をかくだけでなく周りに不愉快な思いをさせてしまいます。
ただポイントが分かっていれば男性の場合はそれほど難しいことはありません。
特にお葬式に参加する場合は、今回紹介したポイントが分かっていればOKです。