香典の表書きの書き方として知っておくべき基本マナーとは!?

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香典はお通夜やお葬式、四十九日法要、初盆法要、一年忌などに参加する場合には必ず持参するものです。

でも香典の書き方にはいろいろなマナーがあるのです。

もちろんどのようなシーンに香典を準備するのかによっても、書き方の基本は変わります。

そこで香典を準備する前に知っておきたい「香典の表書きの基本」をポイント解説!

どんなシーンであっても恥ずかしい思いをしないためのわかりやすい「基本」のみをポイント別に解説します。

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香典袋の表書きの書き方

香典袋(不祝儀袋)の表書きの書き方のポイントは3つあります。

 

・上段には「何のためのお金なのか」を書き入れる

不祝儀袋は上段と下段で各内容が変わります。

上段には「御香奠」「御霊前」「御仏前」「御花料」「御玉串料」「御榊料」「御神前」などを書き入れます。

つまり「このお金は○○のためのお金です」ということを示す言葉と言えます。

 

・下段には準備した人の名前を書き入れる

下段には不祝儀袋にお金を入れる人の名前をフルネームで書きます。

基本は「中央にフルネームで書く」です。

 

・夫婦連名の場合

夫婦で連名として準備する場合は、中央に夫の名前を書きます。

妻の名前はその左側となります。

 

これは表書きの基本となる「右側が上座」というルールがあるからです。

故人や遺族と近い関係の場合は夫の名前だけでも十分妻の存在を認識できますので、わざわざ妻の名前を書かずに夫の名前のみを書くこともよくあります。

 

・連名で書くことが出来る名前は3名まで

表書きに連名で名前を書くことが出来るのは3名までです。

4名以上になる場合は、代表者の名前を中央に書き「他一同」と書き添えます。

例えば職場の部署で香典を出す場合は、「○○会社 ○○部一同」「○○部 一同」と書き、中袋の中に連名として香典を出した人の名前を別用紙に書いて入れます。

 

・会社の代表者が香典を出す場合

会社の代表者(社長)が香典を出す場合は、肩書と社長名が中央に来るようにします。

例えば「○○株式会社 代表取締役社長 田中一郎」という場合は、封筒の中央に「代表取締役社長 田中一郎」と書きます。

そして右側に会社名を書きます。

 

もちろん一文ですべて書き込むことが出来るのであれば分ける必要はありません。

ただし香典を準備する人の名前を中央に書くのが基本になります。

香典の中袋の書き方

香典を包む金額が大きい場合は、中袋付きの不祝儀袋を使います。

中袋の表書きにも注意が必要ですので、最後にこちらの書き方の基本を紹介しておきます。

 

・中袋の表には金額を書く

中袋の表には、包んだ金額を中央に書きます。

この時の注意点は漢数字の書き方です。

 

基本的な書き方は「金〇萬圓」と書きます。

「金」は常用漢字で構いません。

 

その下の部分からは弔事用の難しい漢字となります。

「萬」は「万」のことで、「圓」は「円」となります。

ですから五万円を包む場合は「金五萬圓」となります。

 

もう一つ漢数字のマナーがあります。

例として「金五萬圓」と書きましたが、正しくは「金伍萬圓」となります。

「伍」は「五」となりますので、常用漢字ではないことに気が付きましたよね?

ほかの数字にもこのようになります。

・「1」…壱

・「2」…弐

・「3」…参

・「5」…伍

・「6」…六

・「7」…七

・「8」…八

・「10」…拾

※4と9はお葬式において「4=死」「9=苦しむ」を連想させるので使いません。

このポイントを理解していれば、中袋の表書きはOKです。

 

・中袋の裏書

中袋の裏には、郵便番号、住所、氏名を書きます。

芳名録(受付の際に記帳するノート)に記帳する内容と同じです。

 

・書くときには縦書き

中袋に書くときには縦書きとします。

横書きはNGです。

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香典(不祝儀)について知っておきたい基本マナー

香典というと「亡くなった人のために準備するお金」というイメージがあると思いますが、実はこれはちょっと違います。

まず「香典」という言葉を使うことが出来るのは仏教の場合のみです。

仏教では「仏に香を供える」ということを大事にしている宗教です。

 

そのため香典は「香をお供えするためのお金」という意味になるので、仏教式であれば問題ありません。

ところが神道やキリスト教には、神様に対して香を供えるという考え方はありません。

つまり「香典」という言葉は使えないのです。

 

・通夜やお葬式でオールマイティに使えるのは「御霊前」

宗教にかかわらず使うことが出来る不祝儀袋の表書きの言葉は「御霊前」です。

仏教においても四十九日を過ぎるまでは成仏しないと考えるので、「御香奠」という書き方を使わない場合は「御霊前」を使います。

 

この「御霊前」という表現は、実は神道でも使うことが出来ます。

なぜなら神道では神様になるまでの期間は「死者の霊」と考えます。

ですから「死者の霊に供えるお金=御霊前」でOKなのです。

 

ちなみにキリスト教においてもこれは同じことが言えます。

キリスト教では死者の魂は最後の審判を受けるまで霊として存在します。

裁判を受けると天国に召されるということになるので、「死者の霊にお供えする」という意味の御霊前が使えるのです。

ですから宗教が分からないという場合は不祝儀袋の表書きを「御霊前」としておけば、どんな宗教であってもほぼ大丈夫です。

 

・仏教式の場合は御霊前がNGの場合もある

仏教には様々な宗派があります。

多くの宗派では死後七日ごとに裁判を受け四十九日をもって成仏すると考えるので、お通夜・お葬式ではご霊前となります。

 

ところが宗派によっては、亡くなった直後に極楽浄土に行く(成仏する)と考える宗派もあります。

この場合はお通夜・お葬式の段階で故人はすでに仏となっています。

そのため仏式であっても表書きは「御仏前」となります。

 

でもこれって判断がとても難しいですよね?

ですから仏教式の場合は「御香奠(御香典)」と書いた方が無難です。

ちょっとややこしいですけどこれも表書きのマナーなので意識してみてくださいね。

 

・お葬式を境に不祝儀袋を変えるのが基本

不祝儀袋の表書きは「お葬式を境にして書き方の基本が変わる」と覚えておいてください。

まずお通夜・お葬式では表書きをする時に「薄墨」を使います。

これは悲しみの深さを表しているので黒墨を使うとマナー違反となります。

 

でもお葬式以降のお香典はタイミングによっても変わります。

忌明け前の四十九日までは「公に悲しむことが出来る時期」と考えますが、四十九日をもって「故人を偲ぶ時期」に変わります。

つまり四十九日法要以降で香典を準備する場合は、薄墨ではなく黒墨を使います。

 

また水引の色も変わります。

ただし水引は地域の風習の方が強いです。

そのためお葬式では黒白の結び切りなのですが、法要の水引は地域ごとに藍銀、黄銀、黄白など違います。

この水引の色については地元の風習に詳しい人(いない場合は仏具店や不祝儀袋を販売している地元の文具店)に相談するのをお勧めします。

 

・御霊前と御仏前の使い分け

仏教式の場合に悩むのが「御霊前」と「御仏前」です。

「一部の宗派ではお葬式でも御仏前」と書きましたが、お葬式で「御霊前」とする宗派でもお葬式を境にして「御仏前(御佛前)」とします。

 

御霊前としなければいけない宗派であっても、お葬式以降に行われる四十九日法要では「成仏する日」となるので、お供えするときには「仏の前に供える物」となります。

ですから表書きも御霊前ではなく御仏前になります。

 

・不祝儀袋の絵柄にも注意!

不祝儀袋は包む金額によって使うことが出来る物が決まってきます。

金額が高くなるほど上質な素材と立派な水引が使われます。

でも本来はそれだけではないのです。

 

不祝儀袋を販売しているコーナーを見てみると、同じ表書きがされているものであっても絵が印刷されているものが混じっているものがあることに気が付きませんか?

実はこれも宗教と関係があるのです。

 

よく見かけるのは蓮の花の絵が印刷されているものですよね?

これは仏教(一部宗派では使うことが出来ません)の場合のみ使うことが出来る不祝儀袋です。

ですから蓮の花の絵が描かれている不祝儀袋を神道やキリスト教で使うことはできません。

 

ちなみにユリの花の絵が印刷されているものがあります。

これはキリスト教のみで使うことが出来ます。

「きれいだからこっちにしよう」という安易な気持ちで選ぶと大変なことになります。

何しろユリは仏教における蓮の花と同じ意味があり、キリスト教を連想させるものなのです。

 

ちなみにキリスト教の場合、不祝儀袋の表書きは「御花料」と書きます。

これも同じ意味があります。

花を手向けるということがキリスト教にとっては大事な意味があります。

そのため不祝儀袋にユリの絵が印刷されているのです。

 

こうしたことも不祝儀袋の基本マナーです。

とにかくわからない場合はシンプルなものを選んでください。

デザインの凝ったものなどを使いたいという気持ちもわかりますが、弔事では目立たないということも大事です。

ちなみに白い無地の物であればどんな宗教宗派であってもOKです。

まとめ

香典の表書きにはいろいろなルールがありますが、ポイントさえ分かればまず大丈夫です。

「どうしようかな?」と困ったときには、とにかく無難な方法を選んでください。

そうすれば実際に香典を出す時に恥ずかしい思いをすることは絶対にないですよ!

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