香典を準備するときにセットで準備してほしいのが「ふくさ」です。
ふくさは「袱紗」と言って香典のように誰かに贈るためのお金を包むためのアイテムです。
でも実際にふくさをどのように使うのかわからないという人も多いです。
せっかく準備をしても正しい使い方をしなければ、周囲から「マナーが分かっていない」と思われてしまいます。
そこで今回は香典袋とセットで使う「ふくさ」の使い方の基本をわかりやすく解説します!
香典の渡し方と袱紗の使い方
まず香典をふくさに入れたままの状態で会場に向かいます。
受付の記帳の仕方は2種類あります。
カードタイプのものとノートタイプのものがあり、カードタイプの物は受付の手前に記帳台が準備されていることもあります。
この場合はカードに記帳した後に受付に向かいます。
ここからは受付で記帳から香典を渡すまでの流れを紹介します。
まず受付に来たら、係の方に一礼します。
準備されている芳名録(カードタイプまたはノートタイプの記録簿)に記帳をします。
記帳が終わったら受付係に「この度はご愁傷さまでございます」と挨拶をします。
ここでようやくふくさを取り出します。
ふくさから香典を取り出したら、表書きがあなた側を向くように(香典の正面があなた側になるように)してふくさの上に置きます。
その後ふくさを台にして香典を180度回転させ、相手側が正面になるようにして渡します。
係が会場を案内するので、その場で軽く一礼し「恐れ入ります」または「ありがとうございます」と声をかけ会場へ入ります。
袱紗は「大切なものを包む風呂敷」の意味がある
ふくさの由来は風呂敷にあります。
風呂敷というといろいろなものを包む布のことですよね?
でも風呂敷といっても色々な種類があります。
薄手の風呂敷だとたくさんの荷物をとりあえずまとめて持ち運ぶために使うのに重宝しますよね?
でも両面(表と裏)の素材が違う厚手の大風呂敷の場合は、贈答品を傷つけずに持ち運ぶときに使う特別なものになります。
ふくさは後者の意味から生まれたものです。
袱紗にもいろいろなものがあり、香典を包む以外にも結婚式のご祝儀を包むときにも使います。
もちろんそれぞれ用途が違うので、香典を包む場合とご祝儀を包む場合ではふくさの種類を使い分けるというのもマナーです。
でもいずれにしても大事なお金を包むものという意味があるので、どちらの場合でもふくさに包んで持ち歩くというのがマナーです。
香典を包む袱紗にも種類がある
香典を包むふくさにも実は種類があります。
これはふくさの使い方とも関係します。
ふくさは「大切なものを包む風呂敷」という意味もありますが、「相手に渡す時の台」としての意味もあります。
そのため慶弔用の正式なふくさには「台付きふくさ」というものがあります。
★台付き袱紗
台付きふくさは確かに格式が高い印象があります。
喪主であれば台付きふくさを持っていた方が、わざわざ袱紗盆を準備する必要がないので便利です。
特にお布施を渡す時には礼儀も必要です。
そのためお葬式のときなどは葬儀スタッフがあらかじめ切手盆(袱紗盆の代わり)を準備してくれることもありますが、通常は自分で準備するのがマナーです。
ただこれはかなり格式の高いお作法になるので、あまり一般的ではありません。
通常であれば簡易ふくさでOKです。
社会人の常識としてふくさを準備するのであれば、台がついていないふくさで全く問題ありません。
★弔事用ふくさ
ふくさがない場合でも香典を裸のままで持ち歩くのはマナー違反
香典は故人にお供えする大事なものです。「供物」という意味がありますので、汚したり水引が曲がってしまうのはいけません。
そのためふくさの準備がない場合はせめて風呂敷で包みます。
ただし祝儀用と不祝儀用では使ってよい色が違います。
どちらにも使うことが出来るのは紫色ですが、そのほかにも緑、紺、藍、鼠色等の青系の色であれば弔事用として代用として使うことが出来ます。
一応黒も弔事用であればマナーの範囲内です。
・慶弔両用の袱紗もある
わざわざ祝儀用・不祝儀用の2種類を準備するのが面倒という場合は、「紫色のふくさを使う」または「慶弔両用ふくさを使う」のどちらかがおすすめです。
紫色は慶弔どちらでも使うことが出来る色ですので、あまりお金をかけずに準備したいというのであれば紫色のふくさから探すと良いです。
★紫色の袱紗
「せっかくであればきちんとしたふくさを準備したい」というのであれば、慶弔両用のふくさを準備するのがおすすめです。
慶弔両用のふくさは基本的に台付きふくさとなります。
台の色が両面で色違いとなっているので、ご祝儀として使う場合には赤い色を使い不祝儀として使う場合は緑色を使います。
ふくさの色は慶弔療法で使うことが出来る紫が一般的です。
・ブラックフォーマルウェア売り場でもふくさは販売されている
ブラックフォーマルウェア売り場でも弔事用のふくさは販売されています。
お店によっては喪服と併せてハンドバッグ・ふくさ・数珠の3点セットで販売されていることがあります。
さらに最近ではフォーマルバッグにふくさとサブバッグがセットになっているものもあります。
いずれにしてもふくさは喪服を着る時にはセットで準備するのが社会人のマナーとなっています。
ですからもしも準備がないのであれば是非この機会に準備してみてくださいね。
袱紗(ふくさ)の正しい使い方
・お布施を渡す時の使い方
お坊さんを依頼するのであれば、お布施を準備しなければいけません。
しかも渡し方にはマナーがあります。
お布施を渡すタイミングにもよりますが、まずは挨拶から始まります。
法要の後に渡す場合は「本日はありがとうございました」となりますし、法要の前に渡す場合は「この度は宜しくお願いします」と挨拶をします。
その際にお布施はふくさに包んで持っていきます。
台付きふくさがある場合は問題ありませんが、台がないふくさの場合は袱紗盆を別に準備するのが正式です。
挨拶が終わったら盆の上にお布施が入った袋を置き、お坊さんにお渡しします。
・盆がない場合はふくさを盆代わりにする
袱紗盆または切手盆がない場合は、ふくさをお盆の代わりにして使います。
ふくさからお布施袋を取り出し、ふくさをきちんと折りたたみます。
そしてふくさの上にお布施袋を置き、お坊さんにお渡しします。
最近では台付きふくさではなく簡易ふくさ(台がついていないふくさ)の方が主流なので、この方法でも問題ありません。
袱紗も風呂敷もないときにはハンカチでも代用できる!
ふくさも風呂敷もない場合でも、香典袋をそのまま持ち歩くのはNGです。
こんなときにはハンカチでも構いません。
ただし包み方に作法があるので気を付けてください。
・ハンカチを準備する
本当は紫色がよいですが、どうしてもない場合は無地のハンカチで代用しましょう。
準備したらまずテーブルの上に角が上下左右にあたるように置きます。
・香典を中央に置く
香典の正面があなたの方を向くようにしてハンカチの中央に置きます。
・包む順番
香典を包む順番は「右・下・上・左」です。
まずは右側の角を香典袋の角に合わせて折りたたみます。
次に下の角を同じく香典袋の角に合わせて折りたたみます。
同じように上側を折りたたんだら最後に左側を折りたたみます。
・角は香典の下に持ってくる
左側の角が右側で少し余ります。
余った部分は香典袋の下側に折りたたみます。
これで完成です。
・取り出す時の注意
取り出す時はふくさを使っているときと同じです。
取り出すタイミングが着たら、ハンカチに包んだ香典を手に持ちます。
香典を取り出し、ハンカチを香典のサイズ位に合わせて簡単に折りたたみます。
その上に香典を置き、香典を相手に渡します。
まとめ
ふくさを使う意味は「香典=大切なお金」だからです。
大切なものだからこそ汚れや破れがないようにきちんと包むのです。
おすすめは喪服を準備するときにセットで準備するのがよいのですが、どうしても準備が出来ない場合は代用法で乗り切ってください。
間違っても香典袋のままで持ち歩くのはマナー違反ですよ。