初盆は四十九日法要が終わった後、初めて迎えるお盆のことを言います。
一般的な盆供養と初盆供養は違い、ブラックフォーマルシーンとして考えます。
そのためブラックフォーマルに適した服装を心がけることが大事になります。
とはいえ初盆行事が行われるのは、暑さが厳しい夏の時期です。
ですから暑さ対策もしておきたいですよね?
でもそこにも注意しなければいけないマナーがあります。
そこで今回は初盆の服装の基本をポイント解説!
男女や年齢別の注意点、初盆で気を付けなければいけない服装のポイントをわかりやすく解説します。
初盆の服装の基本とは?
・成人男性の服装の基本
成人男性の場合、ブラックフォーマルではブラックスーツが基本です。
ブラックスーツは「黒い色のスーツ」という意味ではありません。
ブラックスーツは冠婚葬祭用のフォーマルスーツのことをいい、初盆のような弔事の場合は光沢のないブラックスーツが基本です。
オールシーズン用のブラックスーツもありますが、初盆供養が行われるのは暑さが厳しい夏です。
しかもフォーマルな式典ですので、必ずジャケットを着用しなければいけません。
さらにシャツは夏であっても基本は長袖です。
これは「肌の露出を抑える」というブラックフォーマルの基本があるからです。
最近は半袖シャツを着ている人もよく見かけるようになりましたが、やはり正式な服装として考えた場合にはNGとなります。
・成人女性の服装の基本
成人女性の場合、喪服着用が基本となります。
喪服には正喪服・準喪服・略喪服の3種類がありますが、ビジネススーツは略喪服にあたりますのでブラックフォーマルの服装としてはNGです。
ですから男性同様「黒いスーツを着ればよい」ということではないのです。
また最近ではパンツスタイルで参加する人の姿を見かけるようになりましたが、正しくはこれもNGです。
女性の場合はスカート着用が基本ですからスカートまたはワンピースのどちらかから選びます。
女性の場合は足元にも注意が必要です。
ブラックフォーマルでは正装が基本ですので、女性は夏でもストッキング着用が基本です。
どんなに暑くても素足で参加することは出来ません。
さらに色も「黒」と決まっています。
肌色のストッキングが許容範囲として認められるのは「通夜のみ」です。
・男子学生の服装の基本
男子学生の場合は、夏用の制服が正装になります。
ですから学校指定のシャツにスラックス、白い靴下を履きます。
ネクタイ着用が制服の指定であれば付けることが望ましいのですが、ネクタイをつけると首回りが締め付けられてしまいます。
少しでも肌と服の間に隙間があると風通しがよくなり暑さ対策になりますので、臨機応変に対応しても問題はないでしょう。
ただしボタンは上まできちんととめます。
靴は運動靴で構いません。
清潔感が感じられる服装であればよいので、学校の制服に革靴の指定がないのであれば白い運動靴を選ぶと良いです。
もちろん黒でも構いません。
ただし赤や青など目立つ色の運動靴は避けましょう。
・女子学生の服装の基本
女子学生の場合も、夏用の制服が正装になります。
学校指定の制服を正しく着てください。
女子学生の場合の注意点は「スカートの長さ」です。
普段はスカートの長さを調整しているでしょうが、初盆はフォーマルなセレモニーです。
膝が見える長さは肌の露出が多いと判断され、正式な服装としてはNGとみなされます。
ですからスカートの長さは調整せず、学校指定の長さのままで履くようにしてください。
靴下は白または黒・紺でよいです。
学校指定のものがあれば、それを着用してください。
特に指定がないのであれば靴下の長さや素材などは自由ですが、柄やワンポイントがあるものは避けてください。
靴は運動靴で構いません。
学生の服装は「年齢にあった清潔感のある服装」が基本なので、学校の制服に革靴の指定がないのであれば白い運動靴を選ぶと良いです。
もちろん黒でも構いません。
ただし赤や青など目立つ色の運動靴は避けましょう。
・未就学児の服装
未就学児の場合は、制服がないですよね?
もちろん幼稚園などで制服がある場合は、制服を着せてください。
ただそれ以外の場合は清潔感がある服装を心がければ問題ありません。
男の子の場合は白い無地の半袖シャツに黒や紺・グレーなどダーク系の無地の半ズボンでOKです。
女の子は白い無地の半袖ブラウスに黒や紺・グレーなどのダーク系の無地のスカートでOKです。
ただしチュール素材のスカートはボリュームが出るのでNGです。
ちなみにワンピースでも構いませんが、ノースリーブタイプはNGです。
ノースリーブのワンピースの場合は、夏用のボレロやカーディガンを羽織らせてください。
無難なのは半袖のブラウスにワンピースの組み合わせです。
靴下は男児・女児共に白が好ましいです。
柄物や装飾(フリル等)が付いたものは避けてください。
靴は子供が普段は着慣れている運動靴がよいです。
履きなれない靴だと靴擦れを起こしてしまい子供に負担がかかりますので、無理に革靴を履かせない方が良いですよ。
初盆の服装で暑さ対策のポイントは!?
・成人男性の場合
暑さ対策のポイントは「ジャケット」です。
ブラックスーツの場合、「ジャケット1枚でオールシーズン対応タイプ」と「夏用・冬用ジャケットがあるタイプ」があります。
1着のジャケットでオールシーズン対応タイプの場合は、基本的に薄手の生地となっています。
冬のお葬式では寒さを感じますが、初盆など夏に着用するときのために通気性の良い素材を使っているのが特徴です。
ただしあくまでも冬でも対応できるようになっているので、やはり暑さを感じます。
この場合はマナー違反とはわかっていても半袖シャツを選べば少しでも暑さ対策に効果があります。
ただし基本は長そでシャツの着用ですから、マナー違反といわれないためにもジャケットは絶対に脱がないようにしましょう。
ちなみにおすすめなのは夏用と冬用のジャケットが分かれているオールシーズン対応タイプのブラックスーツです。
このタイプだと夏用のジャケットは背中の部分の裏地が通気性の良い素材を使っています。
そのためジャケットを羽織っていても背中から風が中に入りますので、長そでシャツを着ていてもかなり涼しく感じます。
・成人女性の場合
成人女性の場合の暑さ対策は「袖の長さ」です。
女性の場合もフォーマルなシーンではジャケット着用となりますが、ワンピースタイプの喪服が人気なので、ワンピースの袖の長さが五分袖または7分袖にすると良いです。
この長さであれば「肌を露出している」とは見られないので、比較的快適に過ごすことが出来ます。
ただし注意しなければいけないのは半袖の場合です。
半袖でも問題はないのですが、フレンチタイプのように短い袖の場合はNGです。
せめて肩が完全に隠れる程度の長さは必要です。
また喪服のサイズを1サイズ大きめにするという方法もおすすめです。
体と服の間に少しでも隙間があると、そこから風が入り込み涼しさを感じられます。
体にぴったりと合っているとどうしても隙間がありませんので、風の通り道が出来ません。
見た目はちょっと気になりますが暑さ対策を優先するのであれば、ぜひこの方法を試してみてください。
初盆の暑さ対策に役立つアイテム
・ネックールスリム
シャツの襟裏に取り付けて使うタイプの冷却シートです。
つけていても襟でしっかり隠れるので、ネクタイをつけていても涼しく快適です。
・アイスノン シャツミスト
ミストタイプになっているので、シャツや喪服のワンピースの上からシュッとひと吹きしておくとひんやりとして爽快です。
消臭効果も期待できるので、汗臭さへのニオイ対策にもなります。
まとめ
初盆は一般的な盆行事とは違い、正装で参加することが基本です。
でも暑さが厳しい時期に行われるので、マナー違反にならない範囲できちんと暑さ対策をすることも大事です。
ただし基本は「ブラックフォーマルの服装」と同じです。
ですから「肌の露出はNG」ということだけはきちんと覚えておいてくださいね。