男性のお葬式の服装は立場によっても異なりますが、喪服を着ることが基本になります。
ただちょっと難しいのがシャツ選びです。
男性のシャツにはいろいろなタイプあり、襟のデザインによってはマナー違反になることもあります。
またそれ以外にもお葬式の服装だからこそ注意しなければならないこともあります。
そこで今回は、お葬式の男性のシャツ選びの基本を葬儀社スタッフがご紹介!
喪服に合わせて選ぶポイントやお葬式でマナー違反とならないための注意点などをわかりやすく解説します。
お葬式の服装で男性のシャツ選びの基本
・基本は白無地のシャツ
お葬式では喪服着用が基本です。
そしてジャケットに合わせるのは白い無地のシャツを選ぶのが基本です。
・襟のデザインには要注意
襟のデザインには様々なものがあります。
ただしお葬式では「ネクタイをつける」という大前提がありますので、襟のデザインよりも開き具合や長さの方に注意が必要になります。
最もオーソドックスなものは「レギュラーカラーシャツ」になります。
レギュラーカラーであれば正喪服に合わせても問題がない襟のデザインになります。
ちなみに「ワイドスプレッドカラーシャツ」もお葬式用としては許容範囲になります。
ただし襟の開き具合がレギュラーカラーよりも大きいため、ちょっと個性的に見えます。
40代以上の男性であればやはりスタンダードなレギュラーカラーをおすすめしますが、10代・20代など若い男性の場合はワイドスプレッドカラーの方が日常生活の中でも使いまわしがきくのでおすすめです。
・ボタンダウンシャツはNG
ネクタイをつけていなくでもスーツに似合うシャツということでビジネスシーンでは人気があるボタンダウンシャツですが、ネクタイをすることが基本であるお葬式ではNGです。
「ネクタイをつければ問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、ドレスシャツの中でもカジュアルな印象があるため、しきたりの厳しい地域ではマナー違反と取られてしまいます。
・襟に特徴があるシャツは基本的にNG
襟に特徴があるスタンドカラーシャツやイタリアンカラーシャツ、ラウンドカラーシャツはフォーマルシーンではNGです。
ここで名称についている「カラー」は「襟」のことを言いしています。
ですから一般的なカラーシャツとは違い、「襟に特徴のあるシャツ」という意味になります。
特徴があるということはデザインにオシャレな要素があるということになりますので、「華美な装飾」と取られてしまいます。
お葬式では「華美な装飾はNG」というルールがありますので、基本的にNGと思っておきましょう。
お葬式の服装で男性のシャツのデザインのマナーと注意点
・ワイシャツ・ドレスシャツ
リクルートスーツの下に合わせる定番のシャツです。
「カッターシャツ」と呼ばれるものも同じ分類に入ります。
実はワイシャツの由来は「下着」にありました。
そのため下着として着用するのが一般的だったころには、左胸にポケットが付いていませんでした。
現在は下着としてではなくビジネス用の作業服のような意味合いが強いため、左胸にポケットが付いています。
ちなみに最近では「本来のワイシャツ・ドレスシャツのデザインに戻す」という動きもあります。
そのためメーカーによってはあえて胸にポケットを付けないタイプのワイシャツ・デザインシャツをつくっていることもあります。
ワイシャツやドレスシャツは、ブラックスーツに合わせるシャツの定番です。
襟元もネクタイをつけることを前提にきちんと首元まで詰まっています。
ですからお葬式用のシャツとしては最も適しているといえます。
・クレリックシャツ
普段からスーツ着用している人であれば一着はクローゼットにあるタイプのシャツです。
襟と袖(カフス)部分が白いシャツで、それ以外の部分は別の生地を使っているのが特徴です。
襟元はネクタイが出来るように上までボタンが付いていますが、襟と袖以外はカラー生地やストライプ生地を使っているのでビジネスシーンではよく使われています。
ただしお葬式では柄や色が付いたシャツはNGですので、原則としてクレリックシャツはマナー違反になります。
ちなみに襟と袖以外の部分も白い生地を使っているクレリックシャツがあります。
この場合は「柄が目立たない」「光沢のある素材で装飾が付いていない」であればお葬式でも許容範囲として認められます。
・ブロッキングシャツ
デザインとしてはデザインシャツと同じようになっていますが、全体的に複数の生地を組み合わせてデザインしたカジュアルなシャツなのでお葬式にはNGです。
・ワークシャツ
ワークシャツはもともと作業服として作られたものです。
デニムやダンガリーなど汚れが目立ちにくく造りが頑丈なのも「作業用のシャツ」として作られているからです。
ポケットが左右の胸にそれぞれついているのもワークシャツのデザインの特徴です。
こちらはカジュアルなシャツとしてしか認識されません。
デザイン自体も体のラインを隠すゆとりのあるデザインになっていますし、素材自体もフォーマルなシーンに合わせるシャツとしては適していません。
ですからお葬式で身に着けるシャツとしてはNGです。
・ウエスタンシャツ
ワークシャツの一種です。
そのため胸ポケットは左右両方についています。
ワークシャツと比べると全体的な印象としてはシャープな感じになっていますが、素材はデニムやダンガリーのような丈夫な素材を使っています。
こちらは一般的にカジュアルな服装の場合につけるシャツですので、お葬式に身に着けるのはNGです。
・ミリタリーシャツ
ワークシャツの一種です。
もともとは軍隊で制服として支給されていたシャツが庶民の間で広がっていったのが由来です。
ワークシャツの特徴である「両胸にポケット」や「丈夫な素材」なども、ミリタリーシャツは共通しています。
こちらもカジュアルウェアとしての認識が強いシャツなので、お葬式に身に着けるのはNGです。
お葬式の服装で男性のシャツの生地のマナーと注意点
・ブロードシャツ
ビジネスシーンでは最も一般的なワイシャツ・ドレスシャツの生地です。
素材綿100%のものが肌触りとしては良いのですが、シワになりやすいというデメリットもあります。
そのため綿とポリエステルの混紡製品の方が一般的です。
ただし肌触りが良いブロードシャツは細い糸を使って生地を作ります。
糸は細くなるほど光沢が出てきてしまいます。
同じブロードシャツでも光沢のあるものはお葬式ではNGですので要注意です。
・オックスフォードシャツ
こちらもビジネスシーンでよく使われるシャツの一種ですが、ボタンダウンになっているものも多いので「カジュアルな服装」と判断されます。
もちろん白い生地のオックスフォードシャツもありますが、ブロードシャツとは違い太い糸を使っているため生地全体に厚みと硬さがあります。
そのためフォーマルなお葬式の服装としては適していません。
・サテンシャツ
シルクやコットンを素材として作られたサテンシャツは、強い光沢感のあるシャツです。
お葬式では「光沢があるものは避ける」というルールがありますので、光沢の強いサテンシャツはお葬式の服装としてはNGといえます。
・ヘリンボーンシャツ
生地に縦縞の独特な模様がついているのが特徴です。
ただその模様も目立つようなものではないので、ブロードシャツよりも高級感があるように見えます。
ただしカジュアルシャツとしてもつかわれるタイプなので、今からシャツを買うのであれば避けておく方が無難です。
・リネンシャツ
麻を素材にしたリネンシャツは、カジュアルウェアとして使われるものです。
もともとエジプトで生産されていた生地ですから、吸水性に優れているうえに肌触りが良いので夏用の半そでシャツとしてよく見かけます。
これは見た目ですぐに「カジュアル用」と分かりますので、お葬式では絶対にNGのシャツです。
・コーデュロイシャツ
素材に綿やウールが使われているコーデュロイシャツは、カジュアルウェアとして判断されます。
防寒性は高いのですが、あくまでもカジュアルウェアとみなされますのでフォーマルなお葬式ではNGです。
まとめ
シャツ選びに迷ったら、紳士服売り場に並んでいる白い無地のワイシャツを選べば問題ありません。
お葬式の時に個性を出そうと思ってはダメです。
ボタンもお葬式の場合には目立たない色を使う必要があります。
特に白シャツで個性的なものは、ボタンに色がついています。
これはお葬式のシャツとしてはNGになります。
ですから悩んだときには「一番シンプルなワイシャツを選ぶ」でOK!
もちろんシャツの下に着るアンダーウェアも白無地を選ぶようにしてくださいね。