お葬式に参加する時服装にマナーが多いので、小物一つとっても「これで大丈夫だっけ?」と思いますよね?
男性の場合は女性のように小物が多いわけではないので基本がわかっていれば特に問題はないのですが、小物が少ないということは少しでもマナーとずれている服装をしてしまうと目立ってしまいます。
特に男性の場合は「靴のマナー」が間違っていると、せっかくきちんと喪服を着ていても台無しになってしまいます。
なにしろお葬式の男性用の靴は「黒い靴であればよい」というわけではありません。
とくに金具がついている靴はマナー違反となることが多いため注意が必要です。
では金具がついている靴の場合、どの範囲までが許容範囲なのでしょうか?
今回は男性の靴選びの基本と合わせて詳しく解説します。
お葬式にはいていく靴に金具がついている男性用の靴はマナー違反
男性のお葬式の靴の基本は「黒い革靴」です。
そして原則として金具がついている黒い革靴はマナー違反です。
でも黒い革靴といってもいろいろなデザインがあります。
もちろん装飾としての金具がついている革靴がNGというのはあなたもよくわかっているとは思うのですが、留め具として金具がついているものもありますよね?
また靴紐が付いている場合は紐を通す部分にも金具が使われています。
では靴紐がない革靴でなければお葬式ではマナー違反になるのでしょうか?
・目立たなければギリギリ許容範囲
お葬式の靴に金具が使われている場合、その金具が目立たないのであればギリギリ許容範囲内とされます。
例えば靴紐を通す部分に使われている金具は、オシャレとして使われているのではありません。
靴紐を通す穴をあけるために取り付けているのですから、靴の機能性を保つための金具といえます。
ただしフォーマルなシーンで使う靴は、靴紐タイプの革靴でも靴紐を通す穴が目立たないデザインを選ぶのが原則です。
でも一般的に靴紐の穴に使われる程度の金具であれば、一応許容範囲内と見られます。
とはいえしきたりに厳しい地域や親族がいる場合は、このような金具でも「マナー違反」ととらえられることがあります。
ですから靴紐の穴の金具の場合はグレーゾーンと考えておいた方が無難です。
・お葬式では「内羽式」と覚えておこう
男性用の革靴の場合、「内羽式」と「外羽式」があります。
この2つは靴紐を使うタイプの靴の時に必ず関係します。
この2つの違いを見分けるポイントは「靴紐を取り外した時の見た目」にあります。
靴紐を通す穴のことを「シューレースホール」というのですが、この部分が靴と一体化しているのが「内羽式」です。
靴の甲の部分にシューレースホールが付いているので、靴紐をすべて解いてもその部分がひらひらと動いてしまうことはありません。
これに対して「外羽式」は、シューレースホールが靴の甲部分に覆いかぶさっています。
ですから靴紐をすべて解いてしまうと、シューレースホールが羽を動かしているようにバタバタします。
また外羽式はシューレースホールが靴と一体化していないので、「凹凸がある=装飾が付いている」とも言えます。そのため内羽式よりもカジュアルな印象があります。
ですから靴紐がある靴をお葬式用として選ぶのであれば、「内羽式の革靴を選ぶ」と覚えておけば間違いありません。
男性用お葬式の靴の定番デザインはこの2つ
・内羽式のストレートチップ
ストレートチップはフォーマルな服装に合わせる定番のデザインです。
つま先部分に横一文字のラインが入っているのが見た目の特徴です。
内羽式ですので金具が目立つこともありませんし、凹凸がないのでお葬式の正装に合わせる靴としては定番のデザインです。
ただし同じストレートチップでも外羽式の場合は、しきたりに厳しい地域ではNGの場合もあります。
・内羽式のプレーントゥ
ブレーントゥーもストレートチップ同様、お葬式の定番デザインです。
ストレートチップと違い甲の部分に一切装飾がありません。
ですからスラックスから見える部分に装飾がないので、とてもシンプルな印象を受けます。
ただしこの場合も「外羽式」は避けるのが無難です。
外羽式のプレーントゥは、冠婚葬祭だけでなくビジネスでも使うことが出来るので使いまわしをする上ではとても便利なデザインです。
ただしお葬式では「外側にシューレースホールが付いている=装飾がある」となるため、カジュアルな靴ととらえられることがあります。
そのためしきたりが厳しい地域などではマナー違反とみなされることがあります。
お葬式の靴選びで注意したい革靴のデザイン
・ウィングチップ
甲の部分にアルファベットのWの形のラインが入っています。
またWのラインの外側(つま先部分)にはメダリオンと呼ばれる模様がついています。
クラシックな装いに合わせるとオシャレなのですが、つま先部分はスラックスの裾では隠れませんので装飾としてのメダリオンが目立ってしまいます。
そのためお葬式では避けた方が良いデザインです。
ちなみにウィングチップでもメダリオンが付いていないデザインもあります。
とはいえメダリオンがないデザインのウィングチップは非常に珍しいので、値段は一般的なウィングチップよりも高いですよ。
・サドルシューズ
甲の部分(シューレースホールがのあたり)に切り替えしがあり、異なる素材や色を合わせるのがサドルシューズです。
このタイプはカジュアルなシューズに分類しますので、色が同じものであっても避けるのが無難です。
・Uチップ
靴の甲の部分全体にU字のラインが入っているのが特徴です。
一見するとシンプルなデザインに見えますが、フォーマルシューズというよりはカジュアルシューズに分類上は近いです。
ですから今からお葬式用の靴として買うのであれば、このデザインの靴は避けた方がよいです。
ただしどうしても手持ちの靴が他にない場合は、つま先がシャープなものであればギリギリOKといえるでしょう。
でもこの判断に関してはグレーゾーンになりますので、選ぶときは慎重に判断してくださいね。
・シングルモンク
つま先が丸みを帯びていて、靴紐の代わりにストラップが付いているのが特徴です。
もともとは修道士の靴でしたのでつま先部分位に装飾はなくシンプルに見えるのですが、ストラップ部分に使われているバックルが大きいのが問題です。
履きなれてくるとストラップを外さなくても脱ぎ履きが出来るようになるので使いやすさからいえば一番なのですが、「金具がついているものは避けるべき」というお葬式のルールがありますのでこれはNGデザインです。
・ローファー
ローファーは装飾がないとはいえお葬式の靴としてはNGです。
そもそもローファーはスリッパの一種であり、その由来は室内用シューズまたは作業靴にあります。
そのため装飾のない黒いローファーであっても成人男性用の靴としてはNGですよ。
・ヴァンプ
ローファーの甲の部分の装飾がないものがヴァンプです。
甲の部分からつま先部分にかけてシャープに曲がっているので、横から見たときの印象はかなりスマートです。
ただしこちらもお葬式用の靴としてはNGです。
そもそもヴァンプはローファーの一種ですし、フォーマルシューズではなくカジュアルシューズに分類されます。
ですから装飾がなくてもこのデザインの靴は避けましょう。
まとめ
男性の革靴は「黒ければよい」というわけではありません。
金具が靴の表面に見えるものは原則NGですし、装飾がなくてもカジュアルシューズに分類される革靴はマナー違反です。
今から購入するのであれば、冠婚葬祭に使うことが出来る内羽式のストレートチップまたはプレーントゥを選んでください。
もしも手持ちの靴の中から選ぶのであれば、カジュアルシューズと判断されないものを選ぶようにしてくださいね。