20代だとあらかじめ喪服を準備している人の方が少ないです。
でもこの年代でお葬式に参加するとなれば「祖父母のお葬式」「親戚のお葬式」などが多いですので、親族としてきちんとした服装を心掛ける必要があります。
でも滅多に参加することのないお葬式だからこそ、「どんな服装であればマナー違反にならないのかがわからない」というのがあなたの本音ですよね?
そこで今回は20代女性でも知っておきたいお葬式の服装の基本を葬儀社スタッフがわかりやすく解説!
お葬式で恥ずかしい思いをしないための服装選びのポイントや注意点も合わせて紹介します。
お葬式の服装は20代の女性でも「喪服」が基本
お葬式の服装の基本は「喪服」が基本です。10代の学生であれば学校の制服を着れば問題はありませんが、20代となれば社会人としてのマナーとして正しい服装でお葬式に参加する必要があります。
喪服には「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3つのランクがありますが、20代であれば「準喪服を選べばまず問題ありません。
・準喪服の定番のスタイル
準喪服は、遺族・親族としてだけでなく一般弔問客としてお葬式に参加するときでも身に着けることが出来る喪服です。
準喪服にもいろいろなスタイルがありますが、20代女性であれば「ジャケット&ワンピース」のセットが定番です。
喪服は礼服ですのでジャケットは必ず身につける必要があります。
でも夏のお葬式や台所の手伝いを頼まれた時などはジャケットを脱ぐことも多いですので、ジャケットに合わせるのはワンピースにしておく方がおすすめです。
・ワンピースのデザインは「袖あり」が基本
20代女性であればジャケットにワンピースを合わせるのがおすすめなのですが、ワンピースのデザインには注意が必要です。
一般的にワンピースというとノースリーブタイプのものをイメージしますが、お葬式ではノースリーブタイプのワンピースはあまりおすすめしません。
その理由は「お葬式では肌の露出を抑えるのがマナーだから」です。
特に夏のお葬式では困ることが多くなります。夏のお葬式でも儀式に参加する時にはジャケット着用が基本ですが、休憩中や移動中にはジャケットを脱いでも問題はありません。
でもその時にノースリーブのワンピースの場合は「肌を露出が多い=お葬行のマナーとしてはNG」となりますので、どんなに暑くてもジャケットを脱ぐことが出来ません。
ですからお葬式用としてワンピースを選ぶときは「袖があるデザイン」にする必要があります。
・靴はパンプスまたはヒールが基本!ハイヒールはマナー違反となることも…
お葬式用の靴は、基本的に黒のパンプスまたはヒールです。
パンプスもヒールも形は同じなのですが、かかと(ヒール)の高さによって呼び方が変わります。
20代だとお葬式で手伝いがかりを頼まれることが多いです。
特に女性の場合は受付係を頼まれることが多いので、かなりの長時間立ちっぱなしになります。
そのため脚の負担をできるだけ抑えたいのであればパンプスがおすすめですが、脚長効果を期待したいのであればローヒールを選ぶと良いです。
ちなみにお葬式の現場では若い女性がハイヒールを履いて参列する姿をよく見かけますが、これは選んだ服装によっては「NG」となることがあります。
基本的にハイヒールだとヒールの高さが7cm以上となります。
でもこの高さのヒールってなかなか普段履かないですよね?
普段履かない靴の場合、靴擦れを起こしやすいだけでなく歩き方がぎこちなく見えます。
特にお焼香の時などは式場にいる人の視線が集中しますので、ここでドタバタとした歩き方をしてしまうといくら服装がキレイでもみっともなく見えます。
私も葬儀スタッフとして現場によく立ち会いますが、「見た目はキレイなのに歩き方が残念」という若い女性をよく見ます。
そういう人ほど足元に目を向けるとハイヒールを履いています。
しかもほとんどの場合が式の終了間近になると「靴擦れしちゃったので絆創膏ありますか?」と声をかけてきます。
これは私の実体験をもとに話をしているので間違いありません。
もしも初めてあなたがお葬式に参列するのであれば、ハイヒールだけは避けるようにするのが無難ですよ。
・事情があってもお葬式にタイツはNG
20代女性でよくありがちなのが、「喪服に黒タイツ」というスタイルです。
一見すると「黒であれば問題ないのでは?」と思うかもしれません。
でもこれは正式な場ではNGです。
お葬式では肌の露出を抑えなければいけないですし、足元はパンプスまたはヒールと決まっています。
ですから「靴下」ということはあり得ません。
そうなるとストッキングまたはタイツのどちらかになりますよね?
でもストッキングとタイツでは、「フォーマル」と「カジュアル」の違いがあります。
ストッキングにも厚みに違いがありますが、共通しているのは「透け感がある」ですよね?
これに対してタイツは厚みがあるので、履くと肌の色が一切見えなくなります。
そのためストッキングは「フォーマル感」があるのに対して、タイツは「カジュアルなスタイル」に見えます。
お葬式はどの年代・どのような立場の人が見ても「マナー違反ではない」と見てもらえる服装を心がけることが大事です。
最近では「冬はタイツでもOK」という人もいますが、お葬式に参加する全ての人が同じ考えであるとは限りません。
特にしきたりに厳しい地域では、「冬でもタイツはNG」とはっきり言われるケースもあります。
ですからお葬式では避けるのが無難!ストッキングの色も一応「肌色」でも許容範囲ではあるのですが、正式には「黒色」を選ぶのがマナーです。
お葬式にスーツで参列するときに気を付けるポイント
どうしても喪服が準備できない場合、スーツで参加するケースもあります。
ただこれは「通夜」「取り急ぎの対面」「三回忌以降の服装」であり、親族として参加する場合は基本的にNGです。
でもどうしてもスーツしか準備が出来ない時には、次の3つのポイントを守ってください。
・光沢のない色が濃いブラックスーツを選ぶ
スーツの場合も、色は「黒」が基本です。でも黒いスーツでもデザインによってグレーに近いブラックスーツや光沢があるブラックスーツもあります。
お葬式では「黒い色が濃いほど上質な喪服」と見ますので、少しでも喪服に近づけるのであれば手持ちのブラックスーツの中でも最も色が濃いものを選びます。
またお葬式では光沢のあるスーツはNGです。
ですからいくら色が濃くても光沢がある場合はNGです。
・パンツではなくスカートを選ぶ
職場などではパンツスーツの方が動きやすいため良く身に着けると思いますが、お葬式ではパンツスーツ姿の女性はまだまだ少ないです。
パンツスーツで参加していると「これ、喪服じゃないよね?」とみられるのが一般的です。
ですから少しでも喪服に近づけるためには「スカート」を選ぶようにしましょう。
もしもセットアップでワンピースがある場合は、ワンピースを身に着けると準喪服のように見えます。
・インナーに白いシャツはNG
ビジネスシーンでは「スーツに白いシャツ」は清潔感があってよいのですが、お葬式で同じスタイルをすると「お葬式なのにリクルートスーツを着ている」とみられてしまいます。
ですからインナーは光沢のないブラックのスーツインナーを選ぶようにしましょう。
お葬式の服装で20代の女性が喪服を買う時の注意点
今後のことも考えてきちんと喪服を購入するのであれば、次のポイントに注意してください。
・スカート丈は長めに取っておく
喪服のスカート丈は「膝が隠れること」が基本です。
ですから20代だと膝がぎりぎり隠れる程度の長さを選んでしまいがちですが、これだと年齢ごとに喪服を買い替えなければいけなくなります。
スーツとは違い喪服は安い物でもジャケットとセットで2~3万円はします。
ですからせめて30代までは買い替えは避けたいですよね?
それであれば30代になっても恥ずかしくない6分丈のスカートまたはワンピースにするのがおすすめです。
この長さであれば結婚した後も着ることが出来ますし、見た目も落ち着いた印象になります。
まとめ
お葬式の服装にはいろいろな決まりがあります。
でもひと昔前に比べれば、これでも随分と緩やかになってきました。
それでもお葬式は地域の慣習やしきたりがまだまだ根強いです。
ですから都会ではOKだった服装も地方に行くとマナー違反となることもたくさんあります。
あなたがお葬式の服装のことで注意されるのが嫌なのであれば、セオリー通りの服装でお葬式に参加することが無難ですよ。