お葬式の遺影写真は必要!?遺影に使える写真がない場合はどうする!?

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遺影写真はお葬式では祭壇の中央に飾られます。

しかもどの葬儀社のプランを見てもセット内容に「遺影写真」と書かれています。

でも家庭の事情はそれぞれ違います。

またお葬式やその後の供養に対する考え方も、価値観の違いで全く違います。

それでもお葬式となると「遺影写真は必要です」と葬儀社に言われて、仕方なく作る人が多いのも現実です。

では遺影写真がなければ本当にお葬式はできないのでしょうか?

お葬式の現場を仕切るディレクターでもある私の体験談も踏まえて、この質問の答えのヒントを探していきたいと思います。

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お葬式の遺影写真は必要と言う訳ではない

お葬式にはいろいろなタイプがあります。

宗教儀式を含めたお葬式もあれば、家族数名だけで行う小さなお葬式もあります。

数百人の会葬者が集まる規模の大きなお葬式もあれば、火葬のみを行う非常にコンパクトなお葬式もあります。

 

これまで今紹介したいずれのお葬式にも担当として現場に立たせてもらった私ですが、その中には遺影写真を作らない家族もいましたし写真館で撮った記念写真を何も手を加えずに遺影写真としたこともあります。

 

もちろんお坊さんがいるお葬式でも写真がない状態でお葬式をしたこともあります。

「お金がない」という理由で遺影写真を作ることが出来なかった人もいます。

それでもみなお葬式は無事に終わっています。

ですからお葬式だからどうしても遺影写真を作らなければいけないということではないのです。

遺影写真が必要なお葬式もある

遺影写真がなくてもお葬式はできるとは言いましたが、どうしても遺影写真が必要となるお葬式もあります。

例えば著名人のお葬式です。

著名人ともなればお葬式の規模も大きくなります。

規模の大きなお葬式では準備に時間がかかります。

そのためこのような場合には家族や親族など近親者のみで火葬までのお葬式を行う「密葬」をし、後日弔問客が参加できる「本葬」を行います。

 

密葬は近親者のみで行うのでどのようなスタイルで行っても構いませんが、さすがに本葬となると遺影写真は必要になります。

また規模が大きな葬儀になれば弔問客の数も多くなります。

弔問客が参列するのに十分な広さの式場を確保する必要が出てきますし、祭壇も式場に合わせて大きなものにすることになります。

もちろん祭壇が大きいのですから遺影写真も祭壇のサイズに合わせてパネルサイズに引き伸ばします。

 

この場合になぜ遺影写真が必要になるのかというと、やはり社会的な地位があるからだといえます。

一般弔問客が弔問をする時間を「告別式」と言います。

告別式は社会に向けて亡くなったことを宣言する場でもあり、公の場で故人を偲ぶことが出来る場を提供することでもあります。

このように公の場で故人を偲ぶ場を提供することは、社会的地位があった方であれば当然必要になります。

 

もう一つは「骨葬」の場合です。

全国的には「葬儀告別式→火葬」となるので、最後まで本人の顔を見てお別れをすることが出来ます。

ところが骨葬の場合は「火葬→葬儀告別式」となります。

すでにお葬式のときには火葬された状態ですから、弔問客は最後の対面をすることはできません。

その代り遺影写真を見て手を合わせます。

 

私は「葬儀告別式→火葬(遺体葬)」も「火葬→葬儀告別式(骨葬)」もどちらも担当しています。

ですからどちらのやり方にもメリットがあることは知っています。

そのうえであえて言うと「火葬された後にお葬式をするのであれば遺影写真は必要」と思います。

 

・手を合わせる対象があるかないかの問題

お葬式に参加する人は、弔意を表すために手を合わせます。

もちろん宗教によってやり方には違いがあります。

でもいずれにしても「誰に対して手を合わせるのか」ということが大きなポイントになります。

 

過去に1度だけ故人の強い意向で、故人自らが書いた油絵の自画像を遺影写真の代わりとしたことがあります。

申し出を受けた私もびっくりしましたし、実際に弔問しに来た人もびっくりしていました。

お世辞にもうまいとは言えませんでしたが、本人の強い意向であるということを大事にしたいというのが家族の意向でもありました。

 

そのことをお通夜・お葬式の司会中にアナウンスすると、一般会葬者の中からも「そういう頑固なところが昔からあったな」というエピソードが一般弔問客の中からも聞こえてきました。

そしてその自画像に向けて手を合わせていました。

 

逆に本人の意向で遺影写真を作らないといわれた家族もいました。

この時は骨葬でしたので「一般会葬者のことも考えるとやはり遺影写真は必要ですが…」と説明しましたが、喪主は本人の希望通りにしたいの一点張りだったため結局遺影写真は作りませんでした。

 

その代り喪主のお子さんたちに事情を話し、スナップ写真を数枚預かり一般会葬者用の焼香台に飾りました。

一般の会葬者からは、遺影写真があるべき場所に遺骨が置かれどこにも写真がないことに「こんなお葬式、見たことない!」と怒り出す人もいました。

 

もちろんそのことは想定済みでしたので、司会のアナウンスで「故人の強い意向で遺影写真を置かないこと」と「生前の写真を焼香台に置かせていただいていること」を伝えました。

そうするとみな仕方なく焼香台に置かれた小さなスナップ写真に向かって手を合わせていました。

 

祭壇には遺骨が納められた骨壺もあるのですが祭壇に隠れて見えないため、ほとんどの人は戸惑いながらも祭壇の本来写真があるあたりに向かって手を合わせ、そのあとスナップ写真を見ながらもう一度手を合わせていました。

 

この2つの経験から思うのは、お葬式に来る人にとって遺影写真は「単に葬儀に必要なアイテム」というだけでなく「手を合わせる対象」としてみているのだと感じたのです。

手を合わせる対象があれば、それが自画像であっても小さなスナップ写真であっても構わないのです。

でもどこに向かって手を合わせればよいのかわからない時に戸惑ってしまうのです。

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年忌法要の遺影写真は!?

最近のお葬式は家族を中心とした小規模なお葬式「家族葬」が人気です。

この場合一般の弔問客も参加しますが、メインは故人と直接つながりのある家族・親族となります。

このような場合はわざわざお葬式のために遺影写真を作る必要はありません。

 

最後の瞬間まで顔を見てお別れをすることが出来ますし、弔問客も対面後にお別れが出来ます。

それにお坊さんにもいろいろなタイプの方がいて、事情が分かれば写真がなくても葬儀を引き受けてくれる方もいます。

 

でもお葬式が終わった後、仏壇での供養があります。

四十九日法要もあるでしょうし年忌法要もあります。

年忌法要といっても三回忌以降は規模を縮小させても構わないとなっています。

でもそれまでは親族も参加します。

 

ですから仏壇には手を合わせる対象として写真を置くことを勧めています。

この場合ははがきサイズの写真であれば問題ありませんので、わざわざ葬儀社に頼まなくても後日家族が準備をすることもできます。

遺影写真の代わりになるものって!?

仏壇もなく遺影写真を引き継いでくれる人がいない(子供が全員娘で嫁いでしまっている場合も含む)場合は、お葬式のために作った遺影写真の処分に困ります。

ただの写真と割り切ることが出来るのであれば、写真は燃えるゴミにしフレームは燃えないゴミで処分すれば問題ありません。

でも「写真には魂が宿る」という考えも日本人の中にはありますので、そう簡単に処分が出来ないと悩む人も多いです。

 

お寺にお焚き上げをお願いする方法もありますが、この場合はお焚き上げ料が数万円かかります。

また遺影写真を継承する人がいないとなれば、仏壇の継承もできないとなります。

こうなると仏壇にある位牌の永代供養も考えなければいけませんし、仏壇の処分のための閉眼供養及び処分費がかかります。

 

このようなケースの場合は、初めから遺影写真を作らないことを進めています。

お葬式のためだけに遺影写真が必要であれば、いくらでも代用することはできます。

例えば喜寿や米寿のときに撮った記念写真にリボンをかけて遺影写真代わりにしたこともあります。

リボンを外せばただの記念写真になりますから、処分する必要はありません。

 

スナップ写真をカラーコピーで引き伸ばしてもらい、写真額に入れて遺影写真代わりにしたお葬式もあります。

見栄えとしてはよくありませんが、家族葬でしたので事情を話すとみんな納得していました。

それにカラーコピーしただけですので、そのご家族が処分をするのにもそれほど苦にならなかったようです。

 

このように遺影写真の代わりにすることはいくらでもできます。

でも将来のことを考えた時に遺影写真が負担になって悩んでいる人が今、増えています。

ですから同じような状況にあるかもしれないと思うのであれば、まずは葬儀社に相談してみてください。

お葬式の規模や内容にもよりますが、家族葬のような小規模なお葬式であれば通常対応してくれるはずです。

まとめ

お葬式に遺影写真がいらないとは言いません。

必要なこともあります。

でも必ず作らなければいけないということではありません。

ようは「どのようなお葬式をするのか」と関係しているだけなのです。

 

ただお葬式に必要なものはほとんど形として残りません。

その代り遺影写真は形として残ります。継承してもらう人がいなければ、その負担を背負うのは残る家族です。

このように将来のことも含めてお葬式の在り方を考えなければいけないのが今の現状であることも知っておいてください。

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