香典の金額相場は、出す人と故人の関係によって変わります。
さらに同じ立場であっても独身者と既婚者では金額の相場が変わります。
今回は香典の金額相場が独身者と既婚者で異なる理由を解説!
さらに独身者と既婚者それぞれの香典金額相場を紹介します。
香典は既婚者と独身者で金額の相場は違う!
香典の金額相場は、基本的に既婚者と独身者で異なります。
・香典の相場は会食の有無でも異なる
香典の金額相場は故人との付き合いによって判断するものです。
また香典は「死者の霊に供える物」という意味がある一方で「遺族の経済的な負担を軽減する物」という考え方もあります。
そのため香典の相場と比べた時に少なすぎるのはよくありません。
なぜなら遺族が準備するお返しの品の分が負担になってしまうからです。
遺族が準備するお返しは、いただいた金額の半額または3分の1を目安とするのが基本です。
これを半返しと言います。
半返しの内訳は返礼品と呼ばれる品物となります(お品物にはお礼状がセットになっていますので正式には返礼品+お礼状)。
ただしお葬式や通夜式で食事を準備する場合には返礼品+食事代が半返しの範囲内となるように考えます。
通常返礼品の金額の目安は1,500~3,000円ですので、会食がなく一般の会葬者であれば3千円の香典でも遺族の負担になることはありません。
ところが会食がある場合、食事代として1人3,000~5,000円がかかります。
これに返礼品の1,500~3,000円を加えると、遺族が参加者に対してお返しする金額が4,500~8,000円となってしまいます。
そう考えると一般の会葬者であっても3,000円の香典だと遺族の負担になります。
このような事情があるのでお葬式の香典金額を決める時には会食の有無によって判断するのもポイントになります。
・夫婦の場合は2人分の香典を準備するのが基本
夫婦でお葬式に参加する場合は、独身者よりも香典金額の相場が高くなります。
その理由は2つあります。
まず1つは夫婦連名で香典を出していると解釈されるからです。
夫婦でお葬式に参加する場合、夫婦が個別に香典を準備することはありません。
夫婦連名で1つの香典を準備するのが一般的です。
そのため香典袋の表に夫の名前のみが書かれている場合であっても、夫婦の場合は連名で香典を出していただいたと遺族は解釈します。
ですから夫婦の場合は独身者よりも金額の相場が高いのが一般的です。
もう1つの理由は食事代が人数分含まれるからです。
香典のお返しの基本である半返しでは、お返しの品物代だけでなく食事代も半返しの範囲内で考えます。
そのため会食がある場合のお葬式では、独身者であっても食事代を含めて遺族の負担とならない金額を香典として準備します。
では夫婦でお葬式に参加する場合はどうなのでしょうか?
この場合は返礼品がないお葬式の香典相場に1人あたり5000円の食事代×人数分を加えた金額を香典として準備します。
ですから5,000円が相場の場合は2名分の食事代(5,000円×2名分)1万円を加えた1万5千円が金額の目安となります。
・独身者の場合はほかの人と連名にすることもできる
既婚者の場合は1家族として香典を準備しなければいけないので、別の家族と一緒に連名で香典を出すということはありません。
でも独身者の場合は他の人と連名で香典を準備することもできます。
たとえば故人のいとことしてお葬式に参加する場合がありますよね?
この場合も結婚していない他のいとこと「いとこ一同」として連名で香典を出すことができます。
このように連名にすれば、1人あたりの金額の負担を抑えることもできます。
もちろんこの場合のお返しの品物は人数分受け取るのではなく代表で1名が受け取るのがマナーです。
・故人との付き合いがない場合は既婚者でも夫婦連名の香典は出さない
親族の場合は、普段の付き合いの中でも夫婦単位で考えますよね?
ですから親族のお葬式に参加する場合は夫婦連名が基本となります。
でも仕事上の付き合いやプライベートな付き合いの場合は、配偶者のどちらか一方としか故人との付き合いがないことが多いです。
このような場合には既婚者であっても夫婦連名ではなく個人で香典を出します。
ただし仕事上の付き合いであっても故人と家族ぐるみの付き合いがある場合は、お付き合いの関係上夫婦連名で香典を準備しお葬式にも夫婦で参加するのが望ましいです。
・未成年で独身の場合は本人が香典を準備しなくてもよい
二十歳未満の未成年者の場合、お葬式に参加するとしても本人が香典を準備する必要はありません。
ただし香典がいらないというわけではありません。
未成年者の場合は保護者が香典の負担をすることになりますので、実質上では香典を渡すことになります。
・学生のうちは未成年とみなされる
現在の日本の法律では成人式を迎えると社会人としてみなされるのですが、お葬式の香典では学生のうちは成人式を過ぎていても未成年として扱うのが一般的です。
たとえば大学生の場合、20歳であってもまだ学生ですよね?
この場合は成人式を過ぎていても未成年者として考えるので、お葬式の香典は親が負担します。
ただし学生であっても結婚をしている場合は社会的な責任があると考えます。
そのためこの場合は夫婦連名で香典を出します。
独身者の香典の金額相場
・祖父祖母のお葬式に参加する場合
故人の孫としてお葬式に参加する場合は、【同居していた祖父・祖母】【別居していた祖父・祖母】【別居の内孫】の3つで香典の相場はかわります。
同居の場合は親族というよりも遺族となるので、金額については遺族と相談のうえで決めることが多いです。
別居していた祖父・祖母の場合は20代が1万円、30代が1~3万円、40代が3~5万円、50代が5万円以上となります。
別居の内孫の場合も別居の祖父・祖母と相場はほぼ同じですが、20代の場合は親が一部負担または全額負担の場合もあります。
そのため相場としては1万円以上となります。
・親のお葬式に参加する場合
故人の子どもとしてお葬式に参加する場合も、喪主以外は香典を準備します。
また喪主の経済的な負担を扶助するという意味があるので、金額の相場も高めです。
相場としては20代で3~10万円、30代以上は5~10万円となります。
・きょうだいのお葬式に参加する場合
故人のきょうだいとしてお葬式に参加する場合は、お葬式の費用を扶助するという意味が強くなります。
そのため独身の場合でも香典の金額は高めです。
相場としては20代で3~5万円、30~40代で5万円、50代以上は5万円以上となります。
・おじおばのお葬式に参加する場合
おじ・おばのお葬式に参加する場合は、付き合いの深さに応じて金額を決めるのが一般的です。
相場としては20代で5千円~1万円、30代で1万円、40代で1~3万円となります。
既婚者が夫婦連名で香典を準備する時の金額相場
・祖父祖母のお葬式に参加する場合
故人の孫としてお葬式に参加する場合は、喪主の経済的な負担を扶助するという意味があるので金額の相場は高めになります。
もちろん同居の祖父・祖母の場合は遺族となりますので、遺族と相談して金額を決めることになります。
別居の祖父・祖母の場合は故人との付き合いの深さによって判断するのが良いです。
ただし葬儀費用の扶助という意味が大きいので、5万円、7万円、10万円に夫婦の食事代として1人あたり5千円を加えて現金を準備するのが一般的です。
・親のお葬式に参加する場合
故人の子どもとしてお葬式に参加する場合も喪主以外の子どもは香典を準備します。
もちろん夫婦で参加することが求められますので、喪主以外の既婚者の場合は夫婦連名で香典を準備します。
なお食事代は金額の相場に含めて考えません。
食事代として1人あたり5千円~1万円(通夜式+お葬式)と考えますので、香典金額の相場に2人分の食事代を加えた金額を準備します。
・きょうだいのお葬式に参加する場合
故人のきょうだいとしてお葬式に夫婦で参加する場合は、5万円、7万円、10万円と区切りの良い数字で香典を準備します。
また会食がある場合、食事代は人数分を追加で準備するのが一般的です。
香典は既婚と独身で金額が変わるまとめ
お葬式の香典では、独身者と既婚者では金額の相場が異なります。
もちろん香典の金額は故人との付き合いの深さで判断するのが基本ですが、年齢によっては保護者である親が香典費用を負担することもあります。
なお近い親族の場合には独身者であっても遺族の負担軽減という意味が強くなるので、一般会葬者として香典を準備する時よりも相場は高めです。