夏のお葬式に高校生の子どもを連れて行く場合、基本は制服を着用となります。
でも最近は制服の指定がない高校もありますし、オシャレに敏感な年齢ですので制服姿でお葬式に出ることを嫌がる高校生もいます。
でも高校生とはいえあなたのお子さんなのですから、お子さんの服装をきちんと整えられないとなれば注意を受けるのはあなたの方です。
お葬式のとき以外はほとんど付き合いのない親族などからいろいろと嫌味を言われるのは、あなたとしてもできれば避けたいですよね?
そこで夏のお葬式の高校生の服装の基本をもう一度ここでチェックしてみましょう。
葬儀社スタッフとして日頃からお葬式に立ち会っている私の経験上、「これさえ注意しておけば問題なし!」という高校生の服装のポイントや注意点も今回は併せて紹介していきます。
お葬式の服装として高校生が夏に気を付けたいポイントは!?
自立心が芽生えオシャレにも目覚めている高校生の場合、たとえお葬式の席であったとしても親の注意を聞こうとしないケースがよくあります。
でもだからと言ってそのままにしておけば、恥ずかしい思いをするのは子供ではなく保護者であるあなたの方です。
高校生とはいっても未成年の子どもなのですし、お葬式は何度もあることではありませんからいろいろな場面で戸惑うことがたくさん出てきます。
だからこそ不安な部分や指摘されそうなことは事前に全てチェックしておくのがポイントです。
その一つが「子供の服装」なのですよ。
・制服があってもいつもの着方でお葬式に参加するのはNG
高校生の場合、制服といっても「普段の着方」と「学校指定の着方」は違います。
私が高校生の頃も、普段の制服の着方と学校で制服指導があるときの着方は分けていました。
制服指導があるときは内側に巻き込んで短くしていたスカートの長さを規定となっているひざ下の長さまで戻していましたし、シャツも夏の時期には袖を追って少しでも短くして来ていました。
それに同じ学年の男子高校生はシャツを外に出した状態で過ごしているのがほとんどでした。
もしも私の高校時代の記憶とあなたの子どもの様子が同じであれば、そのままの状態でお葬式に連れていけば間違いなく恥ずかしい思いをします。
そもそも「制服がある場合は制服を着用するのが高校生の服装の基本」とありますが、これはそのままで解釈するのはちょっと無理があります。
ものすごく正確に説明すると、「学校で制服指導を受けることを前提にしたときの制服の着方をするのであれば、正しい高校生の服装といえる」となります。
でもオシャレに敏感な高校生が、自分からわざわざダサい制服の着方をするなんて絶対にありえません。
たとえ親であるあなたが注意したとしても、聞き流していつも通りの着方でお葬式場に出かけることもよくあります。
さすがにマナー違反だとわかっていても、葬儀スタッフが葬儀に散会している高校生の服装の乱れまで注意することはありません。
つまり何も言わなければ高校生はいつも通りの着方をしますし、それは「正しい高校生らしい服装」とはみなされないので葬式の服装としてはマナー違反になります。
でも注意してすぐに直るような場合は問題ないのです。ただしその場では直せないようなマナー違反もたくさんあります。
例えば男子の場合、シャツの下に派手なプリントTシャツを下着代わりに着ていることがよくあります。
冬であればジャケットを羽織るので式場でも目立ちませんが、夏のお葬式でシャツのみというのが男子高校生らしい服装とされます。
しかも場合によっては派手なバックプリントが印刷されているTシャツをきていることもあります。
そのため現場でも、派手なバックプリント入りのTシャツをアンダーウェアにした高校生が焼香の時に「なに?あの派手なTシャツは?」と周りでざわつかれてしまう場面をよく見ます。
さらに女子高校生の場合はもっと細かくチェックしていないと、あなたは式場でとても恥ずかしい思いをします。
まず胸元まで大きく開いたシャツを着ている女子高校生は多いです。
でも本当に厄介なのは体よりもサイズの大きな開襟シャツをつけている時です。
この場合、胸元が見えそうになるかなりきわどいところまで襟元が広く開いていますし、シャツをスカートの中に入れさせてももともと体よりも大きなサイズのシャツですのでダボっとした感じになります。
さらに問題なのがスカートです。
最近はあらかじめスカート丈の短いものと制服指導用に着る規定の長さのスカートの2着を持っている高校生もいます。
お葬式では深くお辞儀をしなければいけないシーンがたくさんあるのですが、短いスカートだとスカートが上がらないように後ろを手で押さえてお辞儀をしたり頭だけでお辞儀をすることもよくあります。
はっきり言ってこうした女子高校生の所作はみっともないです。
他の親族の女子高校生も同じような感じであればそれほど目立ちませんが、親族の中であなたの子どもだけがこんな様子だと悪い意味でとても目立ちます。
このようにオシャレに目覚めている高校生は、制服があったとしても細かい点まで事前に親であるあなたがチェックしなければお葬式当日とんでもないことが起きます。
葬儀の現場に立つスタッフもできることであればフォローはしますが、あなたのお子さんだけがお葬式のお客さんではありません。
声をかけてあげられないこともありますし、フォローしようにもどうにもならないこともあります。
ですから「制服があるから子供の服装のことは心配ない」ではなく、制服だからこそ細かいところまで親が事前に注意しておく必要があるのです。
制服がない場合はリクルートスーツを1着買った方が無難
あなたの子どもが制服のない高校に通っているのであれば、お葬式に参加するのをきっかけにリクルートスーツを一着買った方がいろいろな意味で無難です。
なにしろ2022年4月以降は、高校卒業と同時に成人となります。
成人式を行うタイミングについては各自治体によっても違いがあるようですが、場合によっては高校卒業の年に成人式の準備をしなければならなくなるかもしれません。
また高校卒業後に就職をする場合は、入社式までにリクルートスーツのが1着は必要になります。
それに高校卒業から20代前半までの間に体型が大きく変わることはほとんどありません。
ですから略喪服として扱われる黒のリクルートスーツを一着購入してそれをお葬式の服にした方が、服装の上でマナー違反となることはありません。
ただスーツでお葬式に参加するとなれば、正式な場ではジャケットを着用しなければいけなくなります。
でも逆にいえば、休憩や移動中はジャケットを脱いでも構わないのですから、半袖のシャツや半袖のスーツインナーを着せることで暑さ対策もできます。
お葬式の服装に困った時は貸衣装を利用する方法もある
お葬式はとにかく時間がありません。高校生の子どもを連れて行く服をゆっくり選んで買う時間もありませんし、直前になって「着ていく服がない」という場合もあります。
こんなときには葬儀社と提携している貸衣裳屋さんから喪服をレンタルする方法があります。
お葬式の貸衣装では、肌に直接触れるもの以外すべてレンタルしてくれます。
靴の貸し出しもありますしバッグなどの小物も貸し出してくれます。
しかもサイズは小柄な人から大柄な人まで対応できるようになっているので、育ち盛りの高校生でもきちんと体に合った喪服が選べます。
さらに貸衣装を利用すれば、お葬式の後にわざわざクリーニングに出す必要がありません。
貸衣装で貸し出せないものは、下着・靴下です。
ですから男子高校生であればシャツのインナーと黒い靴下、女子高校生であれば下着と黒いストッキングさえそろえておけば後は全て貸し出ししてくれます。
「高校生が喪服?」と思うかもしれませんが、時間のないお葬式のスケジュールを考えればわざわざ子供の服を買いに行く手間の方が面倒です。
それに喪服を着ていれば、服装のことで親戚からとやかく言われ得ることは避けられます。
まとめ
高校生の夏の服装の基本は「制服」です。
でもオシャレに目覚めている高校生だからこそ、制服のチェックはとても大事なポイントです。
また制服がない場合は将来のことも考えてスーツで参加させた方が、服装のことでマナー違反だといわれることはありません。
少しでも心穏やかにお葬式に参加するためにも、せめて高校生の子どもの服装のことで周りから苦言が出ることのないようにしっかりと対策を取っておきましょうね。