焼香をする意味とは!?作法は宗派によって違いがあるの!?

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日本で行われるお葬式の多くが、仏教式のお葬式です。

仏教式でお葬式をする場合、お別れの仕方といえば焼香があります。

ところが焼香のお作法は、同じ仏教でも宗派によって異なります。

そのため「○○派のお作法に従いご焼香願います」というアナウンスが流れることもあります。

でもそもそも日本では、お葬式以外の場所でお坊さんや仏教と関わりを持っている人の方が少ないのが現実です。

そのため宗派によって焼香の作法が違うといわれても、どのようにすればよいのかわからないという人の方が多いのでは?

そこでお葬式やお通夜、法事などで焼香をする際の正しいやり方をわかりやすく説明します。

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焼香をする意味とは!?

お通夜やお葬式、法事などで焼香をすることがありますよね?

でもなぜ焼香をするのかという意味まできちんと知っている人は少ないのではないでしょうか?

それもそのはずです。

何しろ「焼香をする」という行為そのものには、4つの意味があるのです。

 

仏さまへ敬意を表すために行う

お通夜やお葬式、法事などで焼香をする場合には、「仏さまに対して敬意を表すために焼香をする」と考えます。

この場合の「仏さま」は、「仏教でいうところの仏様」と「亡くなった本人」の2つの意味があります。

どちらもこの世で生きている人よりもはるかに尊い存在とされているため、「尊い存在である仏さまの前に立つことをお許しください」という意味を込めて香を焚くのです。

 

極楽の世界を実感させるために行う

この考え方は、浄土真宗などのように「亡くなったらすぐに仏の世界に行く」と考える宗派で良く教えられる考え方です。

焼香をする際に使われるお香は、独特の香りがしますよね?

この香りは極楽浄土で漂っている香りに近いといわれています。

そのため焼香をすることによって醸し出される独特の香りが、「尊い世界=極楽浄土」を連想させるといいます。

 

何しろ「亡くなったらすぐに仏の世界に行く」と考えるわけですから、姿形が残っていても故人はすでに仏の世界の住人です。

大切な人を失ってしまった悲しみは大きいですが、残された人と故人が同じ体験をすることが出来るのが「香を感じること」です。

そのため焼香は「供養をする」という意味よりも、「この世を去ってしまった大切な人とのつながりを感じる大切な時間である」と考えます。

自らの体を清めるために行う

死は特別な出来事です。

生命維持機能が止まってしまったと同時に、人の体は腐敗が始まっていきます。

現在では腐敗を防止するためドライアイスがあるため、夏場でも適切な処置をすればお葬式が終わるまでの数日間はきれいなままの姿で安置することが出来ます。

でもドライアイスのような便利な道具がなかった時代は、時間が過ぎるにつれ腐敗とともに臭いも発生しました。

人の体の腐敗臭はなんとも言えない臭いがします。

そのため昔の人は「死は穢れである」と考えました。

 

そのためにおこなわれるようになったのが「焼香」です。

仏教ではお釈迦様が生きていた時代から香を焚く儀式が存在しており、その香りに包まれることによって現世の汚れをはらい清らかな気持ちで仏の教えを学んでいったといいます。

そのため「遺体の臭いを消すための焼香」という意味もありますが、「死の穢れをはらい心清らかな状態で仏さまに向き合う」という意味もあります。

 

手を合わせるための準備のために行う

お通夜やお葬式などの場合、故人との対面することは「心が乱れる」ということでもあります。

生前どのような付き合いをしていたとしても、この世での永遠の別れを目の前にすれば誰であっても心は動揺します。

時には「なぜ私が助けてあげられなかったのか」と後悔をするでしょう。

場合によっては「なぜ私を置いて逝ってしまったのか」と怒りの感情が湧いてくることもあるでしょう。

 

様々な感情や葛藤を抱えていたとしても、すでに大切な人はこの世を去り仏の世界へと旅立っていったのです。

だからこそ心の中で渦巻く様々な感情を抑え、心静かに最後の対面に臨まなければいけないのです。

でも心に浮かぶ感情と頭の中で認識している常識は、必ずしも同じものではありません。

頭では「冷静にならなければならない」と思っていても、いざ故人を目の前にすると心の感情が爆発してしまいます。

だからこそ心を落ち着かせ、少しでも穏やかな気持ちで手を合わせるには何らかの準備が必要なのです。

そしてその準備となるのが「焼香である」といわれています。

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線香を使って焼香をする場合の宗派別作法

・天台宗の場合

線香は3本使います。3本まとめて線香に火をつけたらそのまま香炉に立てます。

 

・真言宗の場合

真言宗でも線香は3本使いますが、バラバラに離して香炉に立てます。

 

・浄土宗の場合

浄土宗では線香を1本しか使いません。火をつける前に2つに折り、そのまま香炉に立てます。

 

・浄土真宗本願寺派の場合

浄土詩集本願寺派では、線香を1本しか使いません。

浄土宗の時と同じく火をつける前に2つに下りますが、香炉には立てず横に寝かせます。

 

・浄土真宗大谷派の場合

浄土真宗大谷派では、浄土宗と同じ作法になります。

火をつける前に2つに折り、そのまま香炉に立てます。

 

・曹洞宗の場合

曹洞宗では線香は1本だけです。火をつけたらそのまま香炉に立てます。

 

・臨済宗の場合

臨済宗の場合は、曹洞宗の作法と同じです。線香を1本とったら火をつけてそのまま香炉に立てます。

 

・日蓮宗の場合

日蓮宗の場合は、曹洞宗の作法と同じです。線香を1本とったら火をつけてそのまま香炉に立てます。

 

・日蓮宗の場合

日蓮宗の場合は、曹洞宗の作法と同じです。線香を1本とったら火をつけてそのまま香炉に立てます。

粉のお香(抹香)を使って焼香をする場合の宗派別作法

・天台宗の場合

右手で粉のお香をつまんだら、そのまま額の位置まで一度掲げます。

その後、香炉の中に置かれている種火の上に香をくべます。この動作を3回繰り返します。

 

・真言宗の場合

天台宗の作法と同じです。右手で粉のお香をつまんだら、そのまま額の位置まで一度掲げます。

その後、香炉の中に置かれている種火の上に香をくべます。この動作を3回繰り返します。

 

・浄土宗の場合

天台宗の作法と同じです。右手で粉のお香をつまんだら、そのまま額の位置まで一度掲げます。

その後、香炉の中に置かれている種火の上に香をくべます。この動作を3回繰り返します。

 

・浄土真宗本願寺派の場合

浄土真宗本願寺派の場合は、右手で粉のお香をつまんだら、そのまま香炉の中の種火の上におきます。動作は1回のみです。

 

・浄土真宗大谷派の場合

浄土真宗大谷派の場合は、本願寺派と同じ作法です。ただし回数は2回となります。

 

・曹洞宗の場合

曹洞宗の場合は、焼香は2回行いますがそれぞれ作法が違います。

1回目は右手で粉のお香を掴んだら、そのまま額の位置まで一度掲げてから香炉の種火の上におきます。

2回目は粉のお香を掴んだら、何もせずに香炉の種火の上におきます。

 

・臨済宗の場合

臨済宗の場合は、右手でお香をつまんだら、そのまま額の位置まで一度掲げます。

その後、香炉の中に置かれている種火の上に香をくべます。回数は1回です。

 

・日蓮宗の場合

日蓮宗の場合は、右手でお香をつまんだらそのまま額の位置まで一度掲げます。

その後、香炉の中に置かれている種火の上に香をくべます。お寺によって考え方が違いますが、香をくべる回数は1回または3回とされています。

まとめ

お葬式や法要などで行う焼香には、「故人の冥福を祈る」という以外にも様々な意味があります。

ただしこれは宗派によっても違うので、あくまでも参考にしてください。

また在家信者の場合は、自分の信じる宗派の作法通りに焼香をしても問題はありません。

最近では「焼香の作法や決まりにこだわるのではなく気持ちが落ち着く回数で焼香しても良い」とおっしゃるお坊さんもいます。

確かに焼香の作法は大事にされますが、心を落ち着けて最後の対面を行うということの方がはるかに重要です。

そのための準備として焼香を行うと思えば、回数よりもあなた自身の心の状態によって焼香を行う方が本来の意味に近いといえます。

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