最近では様々なタイプのセレモニーホールが出来ています。
規模の大きなお葬式に対応できるタイプのホールもあれば、家族だけの小さなお葬式に対応できる小規模なホールもあります。
でもかつては自宅でお葬式を行うことの方が一般的でした。
特に田舎の地域では、今でも自宅でお葬式を行う「自宅葬」が主流の場合もあります。
とはいえほとんどの人が、それぞれのメリット・デメリットについてよくわかっていないはずです。
お葬式の内容もよく分からないことが多いですが、お葬式を行う場所についてのメリット・デメリットもよく分からないことが多いです。
そこで今回は、セレモニーホールでの葬儀と自宅での葬儀のメリット・デメリットをわかりやすく説明していきます。
葬儀は自宅とセレモニーホールどっちが良い!?
葬儀会場選びは、「どんなお葬式にしたいのか」と深い関係にあります。
お葬式には宗教者を呼ぶことが一般的ですので、どうしても宗教的な儀式が関係してきます。
そのため宗教儀式に必要となる道具の準備やスペースの確保なども必要になります。
とはいえ「お葬式だから○○をしてはいけない」ということはありません。
宗教儀式だけがお葬式ではありませんから、儀式が終われば様々な演出が出来ます。
たとえば故人が音楽好きだった場合、式場での生演奏をすることもできます。
また故人の思い出をスライドショーにしてスクリーンに映し出し、参列者とともに故人を偲ぶ方法もあります。
つまり「どんなお葬式にしたいのか」が決まっているのであれば、「希望通りのお葬式を実現するためにはどちらの方が適しているのか」と考えることが出来るようになります。
周りがみんなホールを利用しているからという理由だけで決めるのはNG
式場選びで一番いけないのは、「周りがみんなホールを利用しているから」という理由だけで選んでしまうことです。
たしかに周囲でお葬式を経験した人がいる場合、その人の意見を聞いてみることはあなたのお葬式のイメージを作る良いアドバイスになります。
でも家庭によって抱えている事情は様々です。お葬式に対する希望も、みんなが同じとは限りません。
あくまでも参考として周囲の経験者の意見を聞くことは良いのですが、それを式場選びの決め手にしてしまうとあなたのイメージとは違うお葬式になる可能性があります。
セレモニーホールのお葬式にもメリットはありますが、デメリットもあります。
これと同じように「自宅葬だから大変」と言い切るのも問題があります。
生活スペースが式場となるわけですから、葬儀を行うためだけに作られたセレモニーホールよりも手間や面倒がかかることは確かです。
でも自宅で行うからこそ、最後に残された時間を自分たちらしく過ごすことが出来ます。
このようにそれぞれにはメリットだけでなくデメリットもあるのです。
うまくメリットを生かせれば、それぞれが持つデメリットもメリットに変わります。
だからこそ「周りがみんなホールを利用しているから」という理由だけでセレモニーホールを利用するのは危険なのです。
セレモニーホールと自宅のメリット・デメリット
セレモニーホールでの「ホール葬」と自宅での「自宅葬」には、それぞれにメリットとデメリットがあります。
わかりやすくするために、それぞれを比較してみましょう。
それぞれのメリット・デメリットとは?
最もわかりやすい比較ポイントは「葬儀を行うのに適しているスペースなのか」という点になります。
自宅葬の場合は、生活スペースがお葬式の会場となります。
もちろん家具もありますし生活用品もあります。
とはいえお葬式に必要な道具は持ち込まなければいけませんから、それらの片付けが必要になります。
しかもお葬式をしながらも、そこで日々の生活もしなければいけません。
そのため限られたスペースをどう使うかが問題になります。
この点優位なのが、「お葬式をすることを目的に立てられたセレモニーホール」です。
式場にはすでに祭壇も椅子席も準備されていますから、あらかじめ片づけをする必要も全くありません。
また安置だけを目的とした「安置室」もありますので、ある程度のプライベートは確保されます。
しかも安置室で宿泊することも出来るようになっているので、わざわざ自宅に帰る必要もありません。
ですから「スペースが確保されている」「死亡直後のあわただしさがない」という点で言えば、セレモニーホールの方にメリットがあるといえます。
ところがセレモニーホールは、他の家族も利用します。
安置室が複数あるホールでは、他の遺族と鉢合わせすることもよくあります。
さらに安置をしている最中に、葬儀ホールで別のお葬式が行われることもよくあります。
しかもホール内に警備員が常駐しているとは限りません。
もちろんあなたのお葬式に関係するスタッフ以外もホールには多数出入りしますから、「気が休まる場所がない」というデメリットがあります。
これに対して自宅葬の場合は、そのようなことが一切ありません。
自宅を出入りするのは主に弔問客であり、葬儀スタッフの出入りも限られます。
プライベートな空間は幕などできちんと確保できますし、何よりも「自宅である」という安心感があります。
さらに式場に関する設営も、故人のそばを離れることなくその場で確認することが出来ます。
もしもイメージとは違った場合は、その場で担当者と相談することもできます。
このように自宅葬の場合、式場の管理者が家族にあるため安心して最後の時間を過ごすことが出来ます。
これが自宅葬のメリットといえます。
タイプ別会場選びのポイント
メリットとデメリットが分かっても、どちらの方があなたのイメージに近い式場なのかが分からない人もいるはずです。
そこで最後に「どちらがあなたのイメージに近いか」をタイプ別に考えてみましょう。
セレモニーホールが向いている人のタイプ
セレモニーホールの場合は、「自宅で安置→葬儀会場はセレモニーホール」と「安置も葬儀会場もセレモニーホール」の2つの使い方が出来ます。
また「安置室だけ利用する」ということもできます。
この場合は「寺・教会を葬儀会場にする」という場合も利用できます。
さらに自宅から離れたセレモニーホールを利用すれば、近所を含め周囲にお葬式があったことを知られることを避けることが出来ます。
・家族葬を希望する人
・住宅事情で自宅に遺体を安置することが出来ない人
・お葬式当日までは家族だけで最後の時間を過ごしたい人
・自分たちらしい演出がしたい人
・葬儀・告別式を行いたくない人
このようなタイプの方におすすめです。
自宅でのお葬式が向いているタイプ
自宅でのお葬式の場合は、安置も葬儀・告別式もすべて自宅で行います。
そのため安置直後の自宅の片付けが面倒だという点がありますが、その後は家族が移動をする回数も限られます。
また自宅周辺に住む個人の友人・知人もお葬式に参列しやすいため、たくさんの人に囲まれたアットホームなお葬式をすることが出来ます。
さらに訃報連絡も自治会や地域の方が中心になって行ってくれるため、訃報連絡のわずらわしさもありません。
特に故人自宅で一人暮らしをしていた場合、家族であっても生前の付き合いがどのようなものであるのかが分からないはずです。
故人とのつながりのある人は家族だけとは限りません。
その人にとっても別れの場を提供することは、喪主及び遺族としての務めです。
そのことに対してきちんと対応できるのも、自宅葬をする上でのメリットになります。
・最近まで自宅で一人暮らしをしていた故人のお葬式
・残された時間を自分たちらしく送りたい人
・故人の生前の付き合いがよく分からない場合(別居の家族が喪主の場合)
このようなタイプの方におすすめです。
まとめ
お葬式会場選びのメリット・デメリットに注目してみると、お葬式のイメージが少しずつ出来上がってくるはずです。
まずはそれぞれのメリットとデメリットを比較し、どちらの方があなたのイメージに近いお葬式になるのかということを考えてみてくださいね。