創価学会のお葬式は「友人葬」とも言います。
仏教系の宗教ですが、創価学会のお葬式では一般的な仏教式のお葬式とは少し違います。
そこで初めて創価学会のお葬式に参列するときに知っておきたい式の流れや、お香典やお焼香のやり方など参列者のマナーもわかりやすく解説していきます。
創価学会のお葬式「友人葬」とは?
創価学会は、1930年に創立された「創価教育学会」を前身とした宗教団体です。
1960年に池田大作氏が第3代会長に就任し、現在は名誉会長となっています。
創価学会では南無妙法蓮華経を本尊としており、南無妙法蓮華経のお題目を唱えながら日々その教えを実践していくという考えがあります。
基本的な死生観としては「人の命は永遠」であり「この世を去っても再び生まれてくる」と考えています。
そのためにも日々の勤行が重要であるという考えがあります。
どうして「友人葬」っていうの?
創価学会式のお葬式を一般的に「友人葬」といいます。
もともと創価学会は日蓮正宗から分裂した宗教ですが、日蓮正宗から波紋を受けたこともあって管轄下に管轄下に置くことが出来なかったという経緯があります。
そのため創価学会のお葬式では僧侶を呼ばず、故人と縁のあった人(友人・学会員)で送るお葬式「友人葬」を行うようになりました。
創価学会ではお坊さんを呼ばないの?
創価学会のお葬式では、友人代表として儀典長が導師を務めます。
基本的に式の進行は導師である儀典長が務めますが、お布施などは必要ありません。
創価学会では戒名はないの?
創価学会は仏教系の宗教ですが、戒名はありません。
位牌は準備しますが、そこには俗名を書き入れます。
位牌はあくまでも中国の風習と仏教が融合したものであるという考え方があるので、位牌を拝むという考えはありません。
もちろんお葬式で白木位牌を準備することはありますが、お葬式が終わればその役割も終わるので処分をしても問題はありません。
創価学会で行う「読経」と「唱題」とは?
創価学会のお葬式では、導師とともに参列者全員で読経と唱題を行います。
お葬式での読経は「方便品」と「自我偈」のことを言います。
唱題は「南無妙法蓮華経」と唱えることを言います。
一般的な流れとしては、導師を中心に参列者・学会員たちが読経・唱題を行った後焼香を行います。
そして全員の焼香が終わった時点で導師が追善供養の祈念を行い、再び参列者全員で「南無妙法蓮華経」の題目を三唱します。
最後に三唱することを一般的に「題目三唱」と呼びます。
お葬式の中では導師「題目三唱」の案内で会員全員がお題目を唱えます。
ただしこれは会員以外の参列者に対して強要しているわけではありません。
自分が信じる宗教がある場合は、その場で静かに耳を傾けているだけで問題ありません。
お香典は持っていかなくてもいいってホント?
創価学会のお葬式では「香典は必要ない」としています。
これはあくまでも「儀礼的な意味での香典」のことを意味しています。
お葬式における香典には、宗教儀式としての香典と弔意を表す意味としての香典の2つがあります。
創価学会の方針における「香典不要」というのは、前者の意味での香典のことを指しています。
そのため一般弔問客が弔意を表す意味での香典を準備する場合は、受け取っても問題がないとしています。
ただし会員としてお葬式に参列する場合には香典を準備しません。
ちなみに創価学会ではそもそも香典が必要ないとされているだけに、香典を準備しても香典返しはありません。
数珠は本式以外の物でも大丈夫?
創価学会の会員であれば、本式の数珠を持参するのがお作法となります。
ただし会員以外の一般参列者が創価学会のお葬式に参列する時には、本式数珠でなくても構いません。
とはいえ数珠は仏教においては大切な仏具ですので、数珠を持っている場合は持参した方が良いでしょう。
服装に決まりはあるの?
創価学会のお葬式は、一般的な仏教式のお葬式と比べると確かに違いがあります。
ただし作法には違いがあっても基本的には参列者のマナーとしては同じです。
男性の場合は喪服またはブラックスーツを着用しますし、女性の場合も喪服またはブラックフォーマルを身に着けます。
また数珠を持っている場合は数珠も持参します。
遺族・親族は喪服・準喪服となりますが、一般弔問客の場合は準喪服または略礼服でも構いません。
ただし男性の場合は黒のネクタイ・白無地のワイシャツを着用します。
女性はワンピースでも構いませんが、露出があるものは控えます。
創価学会のお葬式の流れ
創価学会のお葬式は、儀典長が導師となり式の進行を担当します。
一般焼香のタイミングは導師を中心とした読経・唱題のあとに行われます。
また一般焼香の間も読経は続きます。
開式の合図
創価学会のお葬式では、開式の際に友人葬として行うことの説明があります。
その後、導師が祭壇の前に座ります。
読経・唱題
導師が祭壇の前に座ると、読経・唱題が行われます。
この時に読むのは「方便品」と「自我偈」です。
自我偈は2度読み、その後「南無妙法蓮華経」を唱えます。
一同焼香
唱題が終わるとまず導師が焼香します。
その後、喪主を先頭に遺族・親族が焼香します。
遺族・親族の焼香が終わると、一般焼香となります。
遺族・親族の焼香から一般焼香が終わるまでの間は、導師を中心に自我偈が読み上げられます。
御祈念・題目三唱
一般焼香が終わると、導師が鈴を鳴らします。
その後、導師によって追善供養の祈念が行われます。
御祈念が終わると導師の合図に合わせてお題目三唱をします。
弔事
弔事がある場合は、題目三唱の後に行います。
弔電披露
弔電がある場合は、弔事のあとに紹介します。
導師挨拶
式の終了を前に、導師を務めた儀典長の挨拶があります。
謝辞
参列者に対して喪主(または親族代表)が謝辞を述べます。
題目三唱
閉式の前に再び題目三唱を行います。
導師の鈴を合図に参列者全員で題目三唱をします。
閉式
司会者によって閉式を宣言し、お葬式が終了します。
創価学会の焼香の作法は?
抹香(主にお葬式でのお焼香)での作法
創価学会の焼香は「3回」となっています。
まず左手で数珠を持ち右手の親指、人差し指、中指の3本で香をつまみます。
つまんだお香は額のそばまで持ち上げます。
持ち上げたお香は香炉の火種に置きます。
これを3回繰り返します。
焼香の作法【立礼焼香】
参列者が多いお葬式では、立ったままで焼香をする「立礼焼香」が一般的です。
立礼焼香の作法は、ほかの仏教式のお作法と同じです。
順番が回ってきたら、焼香台の一歩手前まで進みます。
立ち止まったらまずは遺影に向かって合掌・一礼します。
焼香台の前に進み出たら数珠を左手に持ちます。
創価学会のお作法である三回焼香を済ませたら、遺影に向かって改めて合掌・一礼します。
その後一歩下がって、遺族・親族に向かって一礼します。
まとめ
創価学会のお葬式は、一般的な仏教式のお葬式とは少し印象が違います。
一般焼香のタイミングやお作法などにも違いがありますが、それに関してはほかの宗派であっても同じことが言えます。
当日友人葬でのお葬式だということが分かり不安を感じた場合は、式場誘導員や施工を担当している葬儀社のスタッフにその場で相談してください。
焼香のお作法やタイミングなどのアドバイスを受けることが出来ます。