看取りの選択!ターミナルケアと緩和ケアのメリット・デメリット

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余命宣告を受けると、家族には一つの大きな決断を迫られます。

それが「看取りの選択」です。

どのような形で最期をみとるのかについては、いくつかの選択肢があります。

いずれの方法を選ぶにしても、家族にとっては大きな決断になることは間違いありません。

「残された最後の時間をどのように過ごすのか」というとてもデリケートな決断を迫られたときに知っておきたい3つの選択肢について、そのメリットとデメリットをわかりやすく解説します。

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看取りの方法には3つの選択肢がある

どのような最期を迎えるのかについては、本人はもちろんですが家族にとっても大きな問題です。

最後の迎え方にはいくつかの選択肢がありますが、どの選択肢を選ぶにしても選ぶ前に知っておくべきことがあります。

 

残された時間がどれくらいあるのかは人によっても違う

余命宣告を受けたとしても、その残された時間が本当はどれくらいあるのかということはだれにもわかりません。

余命宣告から短期間でその時を迎える場合もありますし、予見された症状の進行よりも実際の進行が緩やかな場合は長期にわたることもあります。

どちらにしても、人の死は避けることはできません。

でも医療技術の進歩によって最後の時間の過ごし方を選ぶことができるようになったという点が、昔と今の大きな違いといえます。

 

終末期の準備は死後の準備ではない

終末期の準備というのは、あくまでも「生きている時間の過ごし方」がポイントになります。

「縁起でもない」という話で後回しにできるのは「死後の準備」であって、「死後の準備=終末期の準備」ではないのです。

終末期の準備は、本来は家族だけの問題ではありません。死に向き合うことになる本人の意思が最も重要になります。

でも本人の意思が確認できない状態になるということも考えられます。

 

例えば認知症の場合は、本人の意思が伝わらない場合もあります。

またガンなどの病気の場合は、家族の意向によって本人に本当の病名を伝えないという場合もあります。

このような場合は本人の代わりに家族が判断をすることになります。

 

終末医療の希望を記録として残している人は少ない

終末医療について本人の希望を家族や友人に話をしているという人の割合は約45%です。

つまり何らかの形で自分の最後の過ごし方について話をしているという人が2人に1人の割合でいるということです。

 

ところが終末医療に関する本人の希望を「記録」として残しているという人はほとんどいません。

約8割の人が「記録として本人の希望を残していない」というわけなので、現実問題として最後の過ごし方の判断を迫られた場合は家族がその決断を迫られることになると覚悟しておいたほうが良いのかもしれません。

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ターミナルケアや緩和ケアって!?

余命宣告を受けるということは「ターミナル期である」とも言えます。

ターミナルというのは「終末期」の意味があります。

残された時間が数週間~数か月以内と判断される状態のことをターミナル期といいます。

この時期で最も重要とされるのは「どのようにして残された時間を過ごし、どのような最期を迎えるのか」ということになります。

もちろんその方法にはいくつかの選択肢があります。

 

ターミナルケアとは?

ターミナルケアでは「本人が自分らしく毎日を過ごし、満足して最後の時を迎える」ということを一番の目的としています。

病気によって痛みや苦痛、不快感がある場合はそれを取り除くケアをします。

そのことによって精神的にも肉体的にも穏やかで平穏な時間を過ごすことができるようになります。

 

緩和ケアとは?

緩和ケアはターミナルケアの一部であると考えるとわかりやすいです。

本人が穏やかに自分の死を受け入れることができるように精神的なケアを進める一方で、病気の治療も並行して行います。

病気の治療といっても緩和ケアの場合、基本的には病気による痛みや精神的な苦痛を緩和するための治療となります。

 

ホスピスとは?

ホスピスでは「体の痛みの予防」を最優先させるケアです。

鎮痛剤や精神安定剤などのほかにも本人の症状や苦痛に合わせて様々な薬を配合しながら痛みを抑えるケアを行います。

 

ターミナル期を支える家族が知っておかなければいけないこと

ターミナル期を迎えた人が自分の死を受け入れるためには「否認」「怒り」「取引」「抑うつ」の段階を経て最後に「受容」に至るといわれています。

これを「死の受容」といいます。

でもこれはあくまでも理論上の受容の経緯を表したものであって、だれにでも当てはまるというわけではありません。

 

特に「怒り」と「抑うつ」の段階では、本人の心理状態が非常に不安定になります。

感情が外に現れた時には、家族や周りの人に対して攻撃的な発言や行動をとることもあります。

でもそれは「死」を受け入れるための正常な心の反応です。

 

もちろん死を受け入れるまでの期間は人それぞれ違います。

余命の宣告を受けたすぐ後に自らの死を受け入れる人もいますし、最後まで自分の死を受け入れることができないままその時を迎える人もいます。

でも自らの死を受け入れるということは、本人にしかできません。

家族がどのようなアドバイスをしたとしても、本人が死の事実を受け入れられなければ意味がありません。

「家族なのに何もしてあげることができない」と絶望することもあるでしょう。

 

とはいえ「家族だからこそできること」もあります。

孤独を抱える本人に寄り添い、その苦しみにともに向き合っているということを伝えることができるのは他人ではなく家族なのです。

つまり「共感する」ということが、見守る家族の心構えとして大事になるのです。

ターミナルケアと緩和ケアのメリット・デメリットは?

ターミナルケアのメリット

残された時間を自分らしく過ごすために準備をすることができるのがメリットといえます。

もちろん自分らしく過ごすためには、精神的にも肉体的にも安定していることが重要です。

その点に重視したケアが行われることによって本人が穏やかに自分の死を受け入れることができるようになります。

 

ターミナルケアのデメリット

ターミナルケアに入るということは、「死が間近にあるということを認める」ということが前提にあります。

これは見守る家族としては大きな苦痛です。

もちろんその後のケアについての決断も、家族にとっては精神的に大きな負担となります。

 

緩和ケアのメリット

ターミナルケアと並行して治療を行うことができるのがメリットです。

 

緩和ケアのデメリット

積極的な延命治療というわけではないため、いずれにしても「死が間近にあるということを認める」という作業は必要になります。

これは大きな精神的な苦痛を伴う決断といえます。

在宅ケアと施設でのケア、それぞれのメリット・デメリットは?

在宅ケアのメリット

在宅ケアでは、常に家族の存在を感じることができるのが最大のメリットです。

施設とは違い自宅は他人の視線を気にすることがありませんから、精神的にもリラックスできます。

また施設でのケアより費用が掛かりませんので、経済的にも負担が減ります。

 

在宅ケアのデメリット

常にケアをする人が必要になります。

特に寝たきりの状態の場合は、数時間おきに体の向きを変えなければ褥瘡ができてしまいます。

そのため介護を担当する家族の生活に大きな変化が出てきます。

場合によっては介護のために仕事を辞めるという決断をする場合もあります。

 

施設でのケアのメリット

介護のプロが褥瘡ケアやトイレや入浴など身の回りの世話も担当しますので、家族が安心して任せることができるという点が最大のメリットです。

また施設にはほかの利用者もいますので、家族以外の人とのコミュニケーションをとることによって社会とのつながりを感じることができるのもメリットといえます。

 

施設でのケアのデメリット

在宅ではありませんので、自由度には制限があります。

もちろん家族としても面会時間が決められていますし、ほかの利用者もいますから自宅で過ごすのと同じようにリラックスした環境とは言い切れません。

また経済的な負担もかかります。利用する期間が延びれば、その分施設利用料はかかりますので家族への経済的な負担は大きくなります。

まとめ

看取りの準備は、死後の準備ではありません。

残された時間をどのように過ごし、本人が満足できる最期をどのように迎えるのかということを考えるためのものです。

ただし最期の時がいつ訪れるか問うことはだれにもわかりません。

ですから見守る家族として「どのような方法が本人にとっても家族にとっても良い選択なのか」ということをきちんと話し合うということが大切です。

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