40代になると親の老後について真剣に考えようとする人が増えてきます。
ただ親の終活を進めていくと、時折頭の片隅に「自分の老後」についての不安も浮かんできますよね?
そこで今回は「40代の終活だからこそ知っておきたいお金の話」についてわかりやすく解説します。
40代からの終活は大きな判断を迫られるシーンが続々と起こる
40代になると、人生の節目となるような出来事が次々と起こります。
マイホーム購入【40歳前後】
人生最大の買い物といわれるマイホームの購入のタイミングは、40歳前後がピークです。
住宅ローンなどを考えると40歳前後で決断するのがラストチャンスでもあります。
ただ住宅購入資金の平均金額が2500~3000万円と高額なので、その分ローン返済計画がしっかりとしておかないと後悔することになります。
子供の大学入学資金【50歳前後】
50歳前後になると、子供の大学進学に伴う学費が月々の大きな負担になります。
大学の学費も「国公立」と「私立」では異なりますし、入学する学部によっても違いがあります。
早期退職の判断【50~55歳前後】
早期退職制度を導入している企業では、早期退職をすることで退職金が割増しになります。
また早期退職をしても50代前半であれば再就職先を探すこともできます。
ただし退職をすれば社会保険から国民健康保険へ切り替わりますし年金の保険料なども会社負担ではなくなります。
割増しとなる退職金も魅力ですが、毎月の保険料などの支払い方法や金額が変わってきますからメリット・デメリットを含めて十分に検討する必要があります。
子供の結婚【55~60歳前後】
子供の結婚は、親にとっても大きな節目となります。
結婚式における親の援助金も平均150万円前後とかなり高額ですし、早期退職をしていればそれまでの収入とは異なります。
子供の晴れの日ですから、親としてここはしっかりと送り出してあげたいものです。
親の介護【55~60歳前後】
親の介護が必要になるのもこの時期です。
65歳以上の認知症患者数も年々上がっていますので、場合によってはあなたの介護も必要になるかもしれません。
また介護は長期戦ですから、継続して介護していく体制が整っていないのは大きな不安材料になります。
実家のリフォーム【55~60歳前後】
日常生活の介護が必要でないとしなくても実家での暮らしを両親が望むのであれば、やはりバリアフリー化は必要になります。
リフォーム費用はどの部分をバリアフリー化するかによっても変わってきますが、車いすの利用などがある場合は玄関の階段や室内の段差のバリアフリー化は最低限必要になります。
定年退職【60~65歳】
定年退職は人生最後のビッグボーナスのタイミングです。
退職金の額も大卒のサラリーマンであれば2000万円台が平均ですから、まさに人生最大のボーナスといえます。
ただ退職後の再就職はなかなか難しいですし。
年金が支給されるまで期間がある場合はその間の生活費も考えなければいけません。
そう考えれば退職金は老後の資金として貯蓄に回すのが一番です。
年金支給までの生活費
年金の支給は65歳からです。
ただ65歳の年金受給を70歳まで引き下げれば、実は受給額が42.0%増額されます。
受給年齢を引き下げるメリットもありますが、健康状態や貯蓄額など様々なことを総合的に見て判断する必要があります。
早期退職と定年退職どちらを選ぶかも難しい選択
早期退職のメリット
早期退職は「退職金の割り増し」が一番のメリットといえるでしょう。
定年退職より10歳も早い退職ですから、第2の人生をスタートさせるにも絶好のタイミングといえます。
定年退職のメリット
定年退職のタイミングを延長し60歳から65歳退職とする企業も増えてきました。
そのため定年退職後すぐに年金受給が受けられるようになり、老後の生活に不安が少なくなった点は大きなメリットといえます。
早期退職のデメリット
会社以外に社会との接点がない人生を送ってきた人にとっては、早期退職によって社会とのかかわりが途切れてしまうということも考えられます。
特に趣味や特技がない人であれば、早期退職をきっかけに家に引きこもってしまうということもあります。
定年退職のデメリット
60歳が定年退職のタイミングとしている企業の場合は、年金受給まで5年という期間があります。
再就職をするにしても60歳からの再雇用先を見つけるのは難しく、定年前の仕事が生かせる保証もありません。
「資格を持っている」「趣味を持っている」という人にとって定年退職はメリットが大きいですが、「退職後にやりたいことが特にない」という人にとっては、退職後の生活に不安を感じる人もいます。
これは一つのデメリットといえます。
早期退職が向いている人
・第2の人生を始めたいと想っている人
・退職後にやりたいことが決まっている人
・趣味を持っている人
定年退職が向いている人
・定年延長制度がある企業に勤めている人
・仕事一筋の人
・退職後はのんびりと自宅を中心に老後の生活を送りたい人
40代から始められる自分年金は老後の準備に効果あり
自分年金とは?
公的年金だけで生活するのは難しいといわれている現代。
「自分たちの時代に本当に年金がもらえるの?」と不安に思っている人も多いはずです。
そんな現代人の老後の不安を補う新しい制度が「自分年金」です。
自分年金は「自分のための年金」ですから、毎月頑張って払っていれば必ず戻ってくるという点がメリット。
もちろん支払い続けるためのモチベーションも維持できる点は魅力です。
どんな人が加入できる?
自分保険の場合、「60歳未満であること」が加入の条件です。
そのためフリーランスや学生、主婦や無職でも60歳未満であれば加入することが出来ます。
強制的にお金を貯められる
自分年金は60歳まで原則引き出すことが出来ません。
そのため「貯金が苦手」という人でも一度加入すれば強制的に毎月お金を貯蓄することが出来ます。
「どんなに意志が弱くても確実に老後のために資産運用することが出来る」ということも自分年金のメリットといえます。
月々5000円から始めることが出来る自分年金
月々支払う金額が大きいと家計をやりくりしなければいけない主婦や収入が安定しないフリーランスではかなり厳しいですよね?
でも自分年金の月額料金は5000円からとかなり手頃。
もちろん加入する保険者の種類によって掛け金の限度額に違いがありますが、5000円以上であれば1000円単位で利用が出来ます。
自分の収入や毎月の家計などから無理のない範囲で自分年金を準備することが出来ることはうれしいですね。
2017年からは会社員も積み立てできるようになった
2017年の税制改正によって、それまでは企業年金のある会社員や主婦でも加入が出来るようになったのが大きな変化にあります。
原則として「国民年金を払っている」「60歳未満である」の条件を満たしていればほぼ誰でも加入が出来ます。
まとめ
40代からの終活では、「これからの人生においてどのタイミングでどれだけのお金がかかるのか」という大きなお金の流れをイメージすることが一番のポイントになります。
自分の老後の準備も必要ですが、子供の成長や結婚、親の介護など考えることも多いです。
ただどのタイミングでお金が必要になるのかが分かれば、準備や計画の方法も見えてきます。
まずはこれからの20年におこる予定のビッグイベントを時系列に書き出し、お金の流れのイメージを作ってみましょう。
そうすればあなたなりの資産運用のヒントが見えてくるはずです。