仏教式のお葬式はお寺選びを生前にすませておくのがポイント!

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日本では仏教式のお葬式を行う人が多いです。

菩提寺があり昔からお寺とお付き合いがある人もいますが、現実的には「菩提寺があっても遠方に住んでいて頼むことが出来ない」「仏教徒ではないけれど仏式のお葬式が一般的なので、お葬式ではお寺を頼みたい」という人の方が多いです。

でもいざお葬式で寺を手配するとなれば、戒名料やお布施などが必要になります。

しかもその金額はかなり高額になる上に、内容がいまひとつわからないまま指定された金額を準備するという人の方が圧倒的に多いです。

そこで今回は仏式のお葬式にする場合のお寺選びのヒントを様々な角度からわかりやすく説明していきます。

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お葬式のお寺選び!損をしないためのポイントは!?

仏式のお葬式をすることにしたとしても、普段からお寺との付き合いがないと「どこに頼めばよいのかわからない」というのが本音なはずです。

そういう時にお葬式を依頼する葬儀社に相談すると、葬儀社からお寺を紹介してもらうことが出来ます。

でも葬儀社からお寺に紹介してもらうお寺さんには「頼んでよかった」という場合と「頼まなければよかった」という場合があります。

それは葬儀の業界の中で昔から続く暗黙の常識「バックマージン」が関係しています。

 

本来、お葬式で依頼するお寺は菩提寺に依頼するのが本式です。

これは昔の檀家制度に関係しています。

その昔は現在のように役所の戸籍係というものがありませんでした。

戸籍を管理することが出来ないということは税金の徴収にも関係してきます。

そのため戸籍係の役割を務めさせるという幕府側の意図もあって檀家制度が出来上がります。

 

江戸時代の頃にはすでに「葬式=仏式」となっていましたので、人が亡くなると最初に訃報連絡をする相手が菩提寺でした。

そのため自然と菩提寺にお葬式の依頼をするということが一般的になっていきます。

ところが結婚や就職などによって地元を離れ、そこで家庭を作るという人も増えてきました。

こうなってくるといざお葬式となったとしても菩提寺に頼むということもできませんし、普段からお付き合いをするということもなかなかできません。

 

そのため今では「お葬式のためにお寺を探さなければいけない」という人が増えているのです。

ただし普段からお寺と付き合いがないわけですから、いざ探すとなってもどのように探していけばよいのかわかりません。

お葬式の準備もありますから、時間をかけて寺を探すということもできません。

そこで葬儀社に相談する人が増えてきたわけです。

 

でも「お寺の数=お坊さんの人数」ではありません。

お坊さんだって生活がありますから、出来るだけ多くのお葬式を依頼してもらいたいというのが本音です。

そこで自然な流れで生まれたのが「バックマージン」というわけです。

 

つまり葬儀社から遺族を紹介され葬儀の依頼を受けたら、寺から葬儀社に対してバックマージンが渡されるのです。

もちろんこうしたことを一切行わないお寺さんも数多くいます。

でもお坊さんの数はお寺さんの数の何倍もいるのです。

ですからこうしたバックマージンは、葬儀業界の暗黙の了解となっているのです。

 

ちなみにこのバックマージンというのは、お寺に依頼をした遺族のお布施から出されます。

ですからお布施として準備したお金の何パーセントかは葬儀社のバックマージンとして使われるのです。

こうした裏事情を知れば、事前にきちんとお寺を探すことがどれだけ大事なことかということが分かるはずです。

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仏教は宗派によって違いがある

お葬式でお寺さんに供養をお願いしたとしても「お坊さんが行う読経供養などに違いがあるとは思えない」という人も多いはずです。

確かに普段からお寺とのお付き合いがない場合はそう感じてしまうはずです。

でも仏教では宗派によって考え方に違いがあります。

その違いはお葬式をする上でも関係してきます。

 

臨済宗妙心寺派
臨済宗妙心寺派は、座禅修行をすることでも有名です。

臨済宗の中では最大の教勢ですし、専門校として花園大学(学内には教学研究機関として「禅文化研究所」があります)や花園高校を運営しています。

ご本尊は「釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」が多いです。

ただしお寺にも種別があり、最も下の僧階にあたる一般寺院では「薬師如来」「観音菩薩」「達磨大師」などをご本尊として祀っています。

主な経典(お経)は「観音経」「般若心経」「金剛般若経」などです。

 

高野山真言宗
弘法大師空海が開祖です。

真言系の宗派の中で最大の教勢で、専門校として学校法人高野山学を設立しています。

また高野山大学、高野山高等学校も運営しています。

さらに教学を学ぶ場として「高野山事相講伝所」があります。

 

総本尊は「大日如来(だいにちにょらい)」ですが、そのほかにも「薬師如来」「阿弥陀如来」「観世音菩薩」「地獄菩薩」などもご本尊として祀っています。

高野山真言宗では「大日経」「金剛頂経」「蘇悉地(そしつじ)経」「瑜祀(ゆぎ)経」「要略念誦(ようりゃくねんじゅ)経」の5つを基本経典としています。

 

真言宗智山派
弘法大師空海を宗祖としています。

専門校として大正大学や智山専修学院、智山教学研究所があります。

ご本尊は「大日如来」です。

そのほかにも曼荼羅に描かれている諸仏を「別徳の本尊」としています。

主な経典(お経)は「金剛頂経」「大日経」「大日教疏(だいにちきょうしょ)」などがあります。

 

真言宗豊山派
宗祖は弘法大師空海です。

総本山は奈良県にある「長谷寺」です。

ご本尊は大日如来です。

そのほかにも曼荼羅に描かれている諸仏を「一門別徳の本尊」としています。

真言宗智山派では「大日経」と「金剛頂経」の2つを「両部大経」と読んでいます。

 

天台宗
天台宗は最長上人が宗祖となっています。

総本山は滋賀県にある「比叡山延暦寺」です。

天台宗はもともと中国の天台大師が法華経を中心とした宗派として開いたのが始まりです。

それを最澄が中国にわたり天台山に上ったことで、日本に天台宗を開くこととなりました。

 

天台宗は「浄土宗」「浄土真宗」「曹洞宗」など様々な新宗派を輩出しています。

そのため鎌倉時代以降の新宗派の原点とも言える宗派です。

天台宗では「釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」を本師本尊としていますが、そのほかにも「薬師如来」「釈迦如来」「阿弥陀如来」「観世音菩薩」「不動明王」なども本尊として祀っています。

基本となる経典(お経)は「法華経」です。

そのほかにも「法華三部経」「大日経」「阿弥陀経」などもあります。

 

浄土宗
法然上人が開祖です。

総本山は京都府にある「知恩院」です。

浄土宗の特徴は、仏教に興味がない人でも仏の解釈がわかりやすいところにあります。

ご本尊である阿弥陀仏を信じその名前を唱えることで毎日明るく心安らかに暮らすことが出来るうえに、死んだあとは必ず仏の世界に生まれ変わることが出来るという考え方です。

経典は「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」の3つです。

 

浄土真宗本願寺派
天台宗の比叡山で修業した親鸞が開祖です。

本山は本願寺ですが通称「西本願寺」といいます。

主な経典(お経)は「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」の3つで、これを「浄土三部経」といいます。

 

浄土真宗大谷派
豊臣秀吉によって一門をつぶされところを、徳川家康によって一門とは別にさせることで復活させたという特殊な経緯を持つ宗派です。

本願寺派を「西本願寺」と呼ぶのに対して、大谷派は「東本願寺」と呼びます。

本山は京都府にある本願寺ですが、こちらは通称「東本願寺」といます。

 

大谷派も本願寺派と同じく阿弥陀如来を本尊としていますが、本願寺派との違いは阿弥陀如来のほかに「聖徳太子」「七高僧」「親鸞」「歴代の師」も祀っています。

主な経典(お経)は、「無量寿経」「観無量寿経」「阿弥陀経」の3つです。

これを「浄土三部経」といいます。

 

曹洞宗
日本の禅宗の1つですので、座禅修行を重視します。

道元が開祖で、「永平寺」と「総持寺」の2つが大本山です。

ちなみにこの2つを「両大本山」と呼びます。

本尊は「釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」です。

 

日蓮宗
開祖は日蓮上人です。

総本山は山梨県にある身延山久遠寺です。

ご本尊は「釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)」で、基本経典が「妙法蓮華経(法華経)」となります。

日蓮宗の考えは、仏教に縁がない人でもわかりやすいところが特徴です。

難しい修行をする必要はなく、本尊に向かってお題目を唱えれば悩みは解消し穏やかで明るく毎日が過ごせるといいます。

さらにお題目を唱え続けていれば理想の社会(仏の世界)にたどりつくともいいます。

納得できるお寺を選ぶには終活が大事

お葬式のためにお寺を頼むといっても、葬儀を依頼すれば高額な現金を支払う必要があります。

しかもお金はお葬式当日に現金で支払わなければいけません。

もちろんお寺や地域によってもお布施の相場は異なりますが、戒名料はお布施とは別に準備することが一般的なのでトータルで見るとかなりの高額です。

だからこそ「お金を支払うだけの価値がある」と思えなければ、何の意味もないのです。

 

ちなみに戒名料は、生きているうちに戒名をもらうとかなり安くなります。

しかもあなたが納得のいく名前を授けていただけるわけですから、お金を払う時も納得して払うことが出来ます。

そのためにはまずは近所のお寺に足を運んでみることが大事です。

 

お寺では説法会や法話などを定期的に行っています。

寺によっては座禅会を開いていることもありますし、祭りやイベントなどを行っていることもあります。

このような場に足を運んでみることによって、お寺の雰囲気やお坊さんの対応などを直接見ることが出来ます。

さらにお寺のお坊さんも、やはり「人」です。

きちんとお付き合いをすることによってお互いに信頼関係が出来てくれば、いざお葬式となったとしても安心して頼むことが出来るはずです。

まとめ

良いお寺を選びたいのであれば、やはり元気なうちにお寺のお坊さんとお付き合いをするということがポイントです。

「このお坊さんだったら安心してお願いすることが出来る」という人に巡り合えれば、高額といわれるお布施や戒名料を支払うことにも納得できるはずです。

納得が出来るお葬式をするためにも、まずは身近なところからお寺とお付き合いをしてみてはいかがですか?

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