リビングウィルとは!?書き方やメリット・デメリットも!

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自分らしく生きるということは、元気に動ける間のことだけではありません。

病気になり残された時間を知らされたとしても、最後まで自分らしい生き方をするという方法があります。

その一つの方法が「リビングウィル」です。

今回は最後まで自分らしくいたいと考えている人に知ってほしい「リビングウィル」についてわかりやすく解説していきます。

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リビングウィルとは

リビングウィルは英語で「living will」と書きます。

これは「生前の意思」という意味になります。

リビングウィルの目的は、余命を宣告された本人が自らの意思で自然な死(尊厳死)を迎えることを意思表示することにあります。

 

尊厳死とは?

尊厳死は、「人としての尊厳を保ったまま死に挑むこと」を言います。

治癒の見込みがない状態にある人がQOLと人としての尊厳をもって最期の時を迎えることを意味します。

 

「最後まで納得できる生き方をしたい」からこそ生前に意思表示が必要

世界トップレベルの長寿国となった今の日本では、治る見込みがないと判断された状態であっても延命治療を行うことによって少しでも長く生きることが可能になりました。

でもその反面、自然な形で死を迎えるということが難しくなってきました。

 

ただ残された時間がわずかな時期に延命治療を受けるということは、本人の生活の質(QOL)を下げることにもつながります。

少しでも穏やかで心安らかな時間を過ごすためには、無理に治療を続けるよりも治療以外の方法で痛みや苦しみから解放することのほうが良いという判断もできます。

 

延命治療は時にQOLを上げることにもつながる

延命治療というと「人工呼吸器」や「胃ろう」などのイメージがあると思いますが、こうした治療は場合によってはよりよく生きるための治療としても使うことができます。

呼吸をきちんと確保するために人工呼吸器をつけることで呼吸が安定し、その分苦痛を感じることなく自分らしい時間の過ごし方をすることもできます。

また「どうしてもこの時期までは生きて見届けたいもの(こと)がある」というときには、胃ろうなどの治療を積極的に行うことによって本人の希望を叶えることができる場合もあります。

つまり延命治療を望まないとしても、「どのようにしていきたいのか」「どうやって自分らしく生きるのか」によって延命治療は「生きるために必要な治療になる」ということなのです。

 

自分らしい最後の決め方のヒントはこれまでの人生の中にある

「自分らしい最後をどのようにするのか」ということは、正直言ってとても難しい問題だと思います。

何しろ死んだ経験を持つ人に直接話を聞くことはできませんし、死を経験した人に会うこともできません。

ですからどのようにして死を迎え、その時にどのような気持ちになるのかということを知ることはできないのです。

 

でも生きている間についてはたくさんのヒントがあります。

その中で最も身近にあるヒントは「あなたの人生」です。

あなた自身が歩んできた人生は、あなたがこれから過ごすことになる最後の時にも大きく影響してきます。

 

「誰に会い、だれと語り、何を見て、どう過ごすのか」は、あなたがこれまで生きてきた人生の中にすべての答えがあります。

でもあなたの人生をそっくりそのまま理解できる人は、あなた以外にいません。だからこそあなたがどのような最後を過ごしたいのかということは、あなた自身が意思表示しなければいけないのです。

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リビングウィルの書き方

リビングウィルの書き方には、現在のところ細かな規定はありません。

ホスピス病棟や緩和病棟のある病院では、リビングウィルの書式が準備されているところもあります。

今回はすぐにでもリビングウィルを作りたい人のために、どのようにして書けばよいのか簡単に説明していきます。

 

タイトル

タイトルは「終末期医療に関する事前指示書」と書きます。

 

序文

序文では、ここで書かれる内容が終末期医療に関する意思表示であることを示すものだということを記します。

【例】

私は自分自身の終末期の医療やケアについての私の意思を明らかにするため、下記の通りに指示をいたします。

 

延命処置に関すること

延命処置として行ってほしくないことを書き記します。

【例】

・胃ろうの処置をしないでください。

・人工呼吸器を取り付けないでください。

・鼻管の挿入をしないでください。

・輸血を実施しないでください。

・人工透析を実施しないでください。

・昇圧薬の投与をしないでください。

 

苦痛の緩和に関すること

自分で意思表示ができない状態に陥った場合、苦痛に対する処置として受けたい内容を書き記します。

 

記入した日時を書き入れる

リビングウィルを書き記した日時(作成日)を書きます。

 

本人の証明

リビングウィルを書いた本人であることを証明するために、住所、氏名、生年月日を書き入れます。

氏名の欄には本人であることを示す印鑑を押します。

 

証人の証明

書き記した指示書の証人の住所、氏名、連絡先を書き入れます。

氏名の欄には証人の印鑑を押します。

 

本人が意思表示ができなくなった時の連絡先

こちらはリビングウィルの証人と必ずしも同じでなくても構いません。

自らの意思表示ができなくなった時に連絡してほしい人の住所、氏名、連絡先を書きます。

こちらは印鑑などは必要ありません。

リビングウィルのメリット・デメリット

リビングウィルのメリットは、「自分が望む最期を迎えることができる」ということと「家族が負うことになる精神的な負担を少しでも軽くすることができる」の2点があります。

 

やはり自分らしく最後まで生きるためには、治療に対しても納得ができるということが一番です。

でもその時に意思表示ができなければ望まない治療を受けたまま最期を迎えることになるかもしれません。

そのことを避けることができるのは最も大きなメリットといえるでしょう。

 

家族の負担を減らすという点において言えば、「延命処置を拒否する=死を受け入れる」ということにつながることが一番大きなポイントといえるでしょう。

延命処置をつけるにしても、治癒の見込みはありません。

ただし受けることによって残りの時間を少しでも長くすることは可能になります。

 

つまり延命処置を行わないということは、自然な状態で最期の時がやってくるということになります。

ですから家族は消極的ながらも死を容認することになります。

これは家族としては大きな決断といえます。

その決断を家族ではなく本人が下すということですから、精神的な負担はかなり軽くなります。

 

リビングウィルのデメリット

リビングウィルには法的な拘束力はありません。

意思表示をしたからと言って必ずしもその通りに実施されるということではありません。

現時点の日本では、尊厳死という選択に対する法整備が進んでいません。

また家族の同意がない場合は、いくらリビングウィルを行っていたとしても家族の意向が重視されることもあります。

まとめ

世界に目を向けると安楽死や尊厳死が法的に認められている国もあります。

ただし現時点で日本ではそこまでに至っていません。

それでも自らの最後についてきちんとした意思表示をしている場合は、家族の反対がない限りほとんどの場合がその意思通りに実行されています。

「自分らしくこれまでの人生を生きてきたからこそ、最後の時間まで自分らしく生き抜きたい」

そんな人が少しずつ増えている今だからこそ、リビングウィルという意思表示のスタイルについて知っておくことが大切なのかもしれません。

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