スマホにオンラインショップ、FXなど現代社会においてインターネットは欠かせないものになっています。
でもこうしたデジタル機器が遺品になったとき、様々なトラブルのもとになるということをご存知でしょうか?
今回は今注目されている「デジタル遺品」にまつわる問題を、トラブル例などを挙げながら紹介していきます。
デジタル遺品の持つ問題って!?
デジタル機器は現代社会にとって欠かせないものです。
それだけにこの世を去ったときに残ってしまうデジタル遺品はたくさんあります。
デジタル遺品にはどんなものがある?
デジタル遺品の代表的なものとしては、「スマートフォン」「携帯電話」「パソコン」「タブレット」があります。
スマートフォンや携帯電話に関していえば、高齢者であってもほとんどの人が持っていますよね?
何しろ現代社会では80歳以上のインターネット利用者が20%以上もあるのですから、ほとんどの人が「デジタル遺品を残す可能性がある」ということになります。
しかもスマートフォンや携帯電話には必ずカメラ機能が付いているので、そこには生前の思い出となる写真データもたくさん残っています。
つまりデジタル機器には「個人情報がたくさん詰まっている」といえます。
そんな個人情報が詰まったデジタル機器ですから、安易に他人に見られることを避けるためにロック機能を付けるのも今や常識。
でもそのロック機能を解除する方法を事前に家族に知らせる人はほとんどいません。
つまりデジタル遺品の問題は「個人情報を守るための機能が結果としてトラブルのもとになってくる」ということでもあるのです。
デジタル遺品のトラブルその①【死後にLINEで不倫が発覚】
メールやLINEは、今や電話よりも身近なツールになっています。
そんなメールやラインもスマートフォンや携帯電話のロック機能が付いているだけに、周りに気づかれることなく特定の人と会話をやり取りすることが出来ます。
ただそんなメールやラインだからこそ、その相手が「不倫相手」の場合も…。
元気なうちに関係を清算できていれば問題がないのですが、突然死の場合はかなり悲惨…。
「葬儀後に遺品整理をしていた時に遺族がスマートフォンの履歴をみて故人が生前不倫をしていたことが分かってしまった」いうケースもあります。
もちろんこれは家族問題になります。
デジタル遺品のトラブルその②【ロックが解除できず写真データが消滅】
遺族がデジタル遺品の中身を確認しようとするときに問題となるのが「ロック機能」です。
ロック機能は個人情報を保護する目的で使う人が多いのですが、ロック解除の方法を家族に知らせているという人はほとんどいません。
ロックを解除するにはパスワードを設定するのですが、これも数回間違えると制限がかかります。
ところが「どうしても中身を見たい」という気持ちが先走ってしまい無理やり作業を続行してしまうと、自動的に端末が初期化されてしまうということも…。
もちろん初期化されてしまった場合、端末に保存されていた履歴や写真などのデータは消滅してしまいます。
デジタル遺品のトラブルその③【家族に知られたくない恥ずかしいデータが…】
道理に反することでなかったとしても、家族には秘密にしている趣味を持っている人はいますよね?
そんな趣味に関するサイトの有料会員になっていたり性的なデジタルコレクションを持っていたりすると、いざそれらがデジタル遺品となったときに恥ずかしい想いをします。
そのため家族にも知られたくない秘密であれば、できるだけこまめにデータ処理をしておくことが大事。
亡くなった後に家族を不快な思いにさせるようなものは、自分で整理が出来るうちにきちんと処理しておくのがベターといえます。
デジタル遺品のトラブルその④【遺族が知らない有料サービスが…】
高齢夫婦の場合、「夫はデジタル機器に詳しいが、妻の方は基本操作以外ほとんどわからない(またはその逆)」というケースもよくあります。
このような夫婦の場合、デジタル機器の使い方が良くわからないパートナーが先に亡くなった場合はそれほどトラブルになりません。
ところがデジタル機器を普段からよく使っているパートナーが先に亡くなってしまった場合、残されたパートナーはとても困ります。
例えば「定額サービス」や「ネットバンキング」などを利用していたとしても、そのことを相手のパートナーが知らないということもあります。
このような場合、利用料金の口座引き落としが出来ないことを伝える郵便物が届いてから初めてそのことを知るというケースもよくあります。
このようなことが起こらないためにも、デジタル遺品の整理を日頃からきちんとしておくことは大切です。
デジタル遺品を処理する方法とは?
デジタル遺品は意外と身近なところにあります。
もちろんデジタル遺品をそのまま保管しておくという方法もありますが、もしもそのままにしておいてデータが流出してしまった場合のことも考えると何らかの対策をしておいた方が良いとも思いますよね?
もちろん「亡くなった人の尊厳を保つためにデータを完全に処分したい」という人もいるはずです。
これだけデジタル機器が身近にある現代社会では、生前の出来事で残された家族が心を痛めることになる事実がデータ内に残っているかもしれません。
そのような場合は「あえて中身を見ずに処理する」という方法も遺品の処理方法として考えられます。
・確実にデータを消去する方法
デジタル機器といっても、データが保存されているハードディスクを物理的に破壊してしまえばデータは消去できます。
そのため「ハードディスクに穴をあけてデータを消去する」という方法があります。
・どのように処理をすべきか困ったらとりあえずそのままにしておこう
デジタル遺品の処理方法が決まらないのであれば、結論をその場で出さずひとまずそのままにしておきましょう。
一度処理してしまったデータを復旧させることは非常に困難です。
確かにデジタル遺品は個人情報がたくさん詰まっていますが、これらの情報はインターネットなどに接続しなければ外部に流出するということはあります。
つまり問題を先送りにしておいたとしても基本的には問題がないということです。
ただ有料の定額サービスなどの利用履歴などの有無は、早めにチェックすることが大事です。
継続して利用する場合も契約者変更の手続きが必要になりますし、利用しないのであれば早めに契約解除をする必要があります。
ちなみにそのまま放置しておくと、忘れたころにビックリするような金額の請求書が届くということもありますよ。
デジタル遺品をトラブルのもとにしないためには?
デジタル遺品のトラブルを作らないためには、「必要なデータは常にバックアップをとっておくこと」と「お金が関係する契約は早めに処理」の2つが大切になります。
思い出の写真や交友関係の記録などは、いざお葬式をすることになったときに大変役立ちます。
ですからこれらのデータはバックアップをとっておき、家族にもその存在を知らせておくということが大切です。
お金が関係する契約については相続の問題にも関係してきます。
自分が亡くなった後の家族の心配をするのであれば、お金に関する契約なども早めに相続の対策を取っておくことが大切です。
まとめ
デジタル遺品は、現代人であればだれでも残す可能性があるものです。
あなたにとって大切なデータが、時に大切な家族を悩ませる原因になることがあります。
そうならないためにも日々の個人情報の管理とともに、定期的なデータの処理・バックアップを心がけていきましょう。