親の死を看取るということは、覚悟はしていてもあまり積極的に考えたいとは思わないものです。
それでもいざ親が亡くなったときには、子供としてその後の手続きを速やかに進めていかなければいけません。
今回は「親が亡くなった時に子供がやるべき手続き」についてわかりやすく解説。
ポイントごとに必要になるお金についても詳しく紹介していきます。
危篤の連絡を受けてからお葬式が終わるまでに何をすべきか?
・危篤の連絡を受けたら…
危篤は「病状が悪化し、基本的に回復の見込みがない状態」を言います。
危篤の宣告を受けたとしても、実際に息を引き取るまでの時間は個人差があります。
危篤といわれてわずか数時間で息を引き取る場合もあります。
また途切れていた意識が戻って1週間以上そのままの状態を保つ場合もあります。
ただ危篤状態となった場合は、基本的に回復に向かう見込みはないことを覚悟しなければいけません。
★まずは慌てずに行動を!
危篤の連絡を受けたら、誰もが心に強い動揺を覚えます。
でも一番大切なことは「慌てずに行動することを心がける」ということです。
命の期限が近いことには間違いありません。
あとで後悔をしないためにも、まずは病院や医療施設に向かってください。
★身近な人に連絡をしましょう
危篤の連絡を受けたら、身近な人への連絡も忘れないようにしましょう。
連絡の目安としては「同居の家族」「三親等内の親族」「親しい友人」となります。
・最期を見届けたら…
最期の時を見届けたなら、葬儀社の手配をします。
病院側から紹介される場合もありますが、病院と提携している葬儀社の場合は料金が割高になる傾向があります。
★自宅以外で安置先を探している場合は
自宅以外の安置先を希望している場合は、葬儀社を依頼する際にそのことを伝えましょう。
葬儀社が運営する葬儀専門ホールを利用することもできますが、寺や公営斎場を利用することもできます。
安置先の手配は葬儀社がすべて代行してくれるので、まずは「安置先を自宅以外の場所で希望している」ということを葬儀社に伝えることを忘れないようにしましょう。
・打ち合わせでとりあえず決めなければいけないのは葬儀の日程
葬儀社との打ち合わせは、葬儀のプランを決めることだけではありません。
何よりも大切なのは「葬儀の日程」の方です。
遠方に住んでいる親族なども、葬儀の日程が決まらなければ葬儀会場に向かう手配もできません。
それだけにできるだけ早く日程を決めることが大切です。
また葬儀の日程が決まったら、訃報連絡もかねて連絡をします。
・訃報連絡をする範囲を決めよう
訃報連絡をする範囲は「お葬式の規模」にも関係してきます。
お葬式に参加する人数が多ければ「規模の大きな葬儀」となるので、参列者への対応やおもてなしなどにかかる費用の割合が大きくなります。
ただ訃報連絡する範囲を限定するのであれば「規模の小さなお葬式」となります。
つまりお葬式の規模を決めるということは「葬儀プランの決定」とも関係します。
ですから「どの範囲まで訃報連絡をするのか」は葬儀プランを決める前にきちんと決めておく必要があります。
・葬儀プランを決定
お葬式を呼ぶ人の範囲が決まったら、葬儀プランを決めましょう。
亡くなった本人が生前に自分のお葬式に関する希望をあなたや家族に伝えているのであれば、そのことも葬儀プランを決める時に反映してみると良いでしょう。
・お葬式当日までに必要になるお金を準備
お葬式当日までに必要になるお金は、火葬料金と僧侶へのお布施になります。
葬儀社への支払いは葬儀後になるので、取り急ぎ準備する必要があるお金としてはこの2点になります。
・お通夜・お葬式当日は…
お通夜・お葬式には、「宗教者が司式者(セレモニーの進行を担当する人)となるセレモニー」と「家族を含め近い親族たちで過ごすセレモニー」に別れます。
宗教的なセレモニーにおいてはわからないことも多いでしょうが、身内だけのお別れの時間は親と過ごす最後の時間です。
子供としてあなたが望む親との最後の時間が過ごせるように、落ち着いて式に臨むようにしてください。
亡くなってから告別式終了までにかかった費用は必ず領収書で記録
お葬式を行うまでには様々な費用が掛かります。
またいろいろな判断をその場で求められる場面が多いため、支払ったものに対する領収書を紛失してしまうこともあります。
ただ亡くなってから告別式終了までにかかった費用については「相続税の控除」となります。
相続財産から差し引かれるものにはいくつかありますが、そのうちの一つが「葬祭費」です。
葬祭費として控除の対象となるのは、「亡くなってから告別式終了までにかかった費用」のことを言います。
ただし葬祭費には「控除されるもの」と「控除の対象外となるもの」があります。
★葬祭費として控除されるもの
基本的にお通夜・告別式にかかった費用は「葬祭費」として認められます。
病院などから遺体を搬送するための費用も含まれますし、葬儀場に移動する際の交通費も葬祭費として認められます。
また火葬料金や納骨量、お葬式に関係する料理代やお手伝いをしていただいた方への謝礼なども含まれます。
お坊さんへのお布施や戒名料も葬祭費として認められますので、「支払ったお金」は必ず記録しておくようにします。
領収書がないものに関しても、「日付、支払先、支出の目的」を記録しておくことで領収書の代用とすることが出来ます。
★葬祭費として控除されないもの
お葬式にかかる費用には「香典返し」も含まれます。
ただこれに関しては葬祭費として認められません。
また告別式当日に繰り上げ法要をする場合、法事に関する費用は葬祭費として認めていませんので控除の対象外となります。
喪主又は施主が手配した供花や盛籠などの供物に関しては葬祭費として認められますが、親族らが準備したこれらの物については葬祭費として認められません。
お葬式後に行う法要と必要になるお金
葬式が終わった後も、子供としてやらなければならないことはあります。
・仏式でお葬式を行った場合
仏式でお葬式を行った場合、亡くなってから四十九日目に「四十九日法要」を行うのが通例です。
四十九日法要にはお葬式同様、近い親族らが参列します。
もちろん参列する際には香典を準備するのが通例ですから、返礼品を準備する必要があります。
また僧侶を招いて読経供養する場合は、僧侶へのお布施が必要になります。
四十九日法要のお布施については、地域や宗派によっても違いはありますが平均すると3~5万円が相場となります。
会食を伴う場合は、料理代なども必要になります。
・一周忌、三回忌
亡くなってから1年目を「一周忌」、2年目を「三回忌」といいます。
一般的に三回忌までは親族や血縁者を招き年忌法要を行うのが通例となっています。
僧侶を招いて読経供養をする場合はお布施が必要になります。
お布施の相場は地域や宗派によっても違いはありますが、平均すると3~5万円が相場となります。
会食を伴う場合は、料理代なども必要になります。
まとめ
子供として親を贈る場合は、喪主又は遺族としての役目が出てきます。
その場になってみなければわからないこまごまとしたものもありますが、流れがわかっていればその分気持ちにも少しゆとりが出てきます。