電話で突然の訃報連絡を受けた場合、連絡を受けた側としてどのように対応すればよいのか戸惑ってしまうことがあります。
でも慌ただしい中での訃報連絡ですから、出来るだけ遺族の手間をとらせないように簡潔かつ確実に情報を確認する必要があります。
今回は参列者の悩みとしてよく取り上げられる「訃報連絡の対応」について分かりやすく解説していきます。
訃報連絡を受けた場合に即座に判断すべき3つのポイント
訃報連絡は、「連絡をする側」にとっても「連絡を受ける側」にとっても心の負担の大きなものです。
でも大切な人の死が関係しているからこそ、どのように電話口で対応すればよいのかが問題になります。
①「死亡の連絡」と「危篤の連絡」のどちらかを的確に判断する
訃報連絡をする側の心情は非常に混乱しています。
電話をしてくる段階で正常な判断が出来ているとは言い切れない場合もあります。
このような場合で起こりやすいのが「死亡の連絡」と「危篤の連絡」の混同です。
本来「訃報連絡」とは「人の死を告げる連絡」を言います。
ただ大切な人の死の前後に立ち会う家族の状態は非常に不安定です。
死の前後は様々な判断をその場で次々と行っていかなければいけないうえに、どれ一つとっても簡単に判断が出来るようなものではありません。
そのような状態での電話連絡ですから、もしかしたら危篤の連絡のためにあなたに連絡をしてきているのかもしれません。
もしも危篤の連絡であれば、とにかく急いで駆けつけてください。
この場合は【向かう場所】【現場で連絡が取れる親族の電話番号】を聞きます。
向かう場所を確認する場合は、「どこの病院(またはどこの施設)なのか」「どこの病棟なのか」「何階の病室なのか」まで確認します。
特に救急病院に指定されているような総合病院の場合は、病院まで到着しても病棟や病室がわからないために臨終に間に合わなかったというケースもあります。
・訃報連絡で家族に絶対聞いてはいけないこと
訃報連絡を電話で受けたときのあなたの心理状態も、連絡をしてきた家族同様大変なショックを受けるに違いありません。
だからといって「なんで死んだの?」「なにが原因なの?」など死因についての質問をしてはいけません。
訃報連絡をしてきた家族は、あなたに連絡をするだけで精いっぱいの精神状態にあります。
そのような状態の家族に対して電話口で死因を聞くということは「改めて死の現実を家族に突きつけること」になります。
②訃報連絡で必ず聞かなければいけないこと
訃報連絡を受けたら、必ず確認することがあります。
それが「誰」「いつ」「どこ」の3つのWです。
「誰が亡くなったのか」ということは、その後のあなたの対応にも関係してきます。
「いつ亡くなったのか」は、葬儀の日程と関係してきます。
「どこで亡くなったのか」は、葬儀が行われる場所と関係してきます。
ただし家族葬が一般的になってきた現代においては、訃報連絡が葬儀終了後に行われることもあります。
家族葬では、お葬式に呼ぶ人の範囲を家族が決めることが出来ます。
そのため親族や親しい友人も呼ばず、家族だけでお葬式をするということもあります。
このような場合は、葬儀終了の報告と併せて訃報連絡を行う場合もあります。
連絡を受けた側としては複雑な感情を持つかもしれませんが、あくまでもお葬式は家族の意向が重要視されます。
ですから電話口では個人的な感情は押さえ、お悔やみの言葉とともに家族への励ましの言葉をかけてあげるように心がけてください。
③家族(遺族)から直接訃報連絡を受けた場合の対応
家族(遺族)から直接訃報連絡を受けた場合は、お葬式だけでなくお通夜から参列するのがマナーです。
ですから「通夜・葬儀・告別式の場所」「それぞれの日程」を確認します。
ただし直接家族から訃報連絡を受けた場合でも、家族の方から「今回の葬儀は家族葬で執り行います」という一言があった場合は、状況を見ながら参列を辞退することも必要になります。
この判断はなかなか難しいものがあるのですが、「あえて家族葬で行うことを伝えてきた場合」は家族の方から間接的に辞退を申し出ていると判断した方が良いかもしれません。
・ほかの人への訃報連絡が必要か確認してみる
家族から直接訃報連絡を受けた場合は、ほかの人への訃報連絡が必要か確認してください。
お通夜・葬儀の準備に追われる家族にとって時間は本当に貴重なものです。
しかも訃報連絡は連絡する側にとっても心の負担の大きな作業です。
もしも代理でほかの人への訃報連絡を依頼されたなら、快く引き受けてあげましょう。
ただし最近では家族を含めた少人数で行う家族葬が増えています。
ですから家族の確認なしにほかの人へ訃報連絡をしてしまうのはかえって家族の負担を増やす原因になってしまいます。
そうならないためにもほかの人への訃報連絡は「家族に確認をとってから」とするようにしましょう。
家族から直接訃報連絡を受けた場合は通夜前にも弔問を!
家族から直接訃報連絡を受けた場合は、どのようなスタイルのお葬式であったとしてもあなたの参列を家族が希望していることを意味しています。
ですからよほどの理由がない限り、通夜・葬儀・告別式のすべてに参列するのがマナーです。
ただ故人とのつながりが深い場合は、通夜に合わせて弔問するのではなく出来るだけ早い段階で弔問をする(通夜の前の弔問)こともマナーです。
・通夜前の弔問の服装は?
通夜前に弔問をする場合は、派手ではなければ平服でも構いません。
通夜前に弔問をするということには「取り急ぎ弔意を表す」という意味があります。
ですから平服であっても問題はありません。
ただし「取り急ぎ」という意味があるため、喪服で弔問するのはNGです。
「あらかじめ準備していた」と受け取られかねませんので、これは避けましょう。
・家族とのファーストコンタクトはどうする?
最近では安置場所が自宅以外というケースもよくあります。
自宅の場合は玄関での挨拶が家族とのファーストコンタクトになりますが、葬儀社のセレモニーホールなどの場合はホール内の共有スペースで過ごしている場合もあります。
いずれの場合であっても家族とのファーストコンタクトでは、「この度はご愁傷さまでございます」と一言申し出ればOKです。
その後、故人との対面を希望しているのであれば「お顔を見てお別れさせていただいても構いませんか?」と申し出ましょう。
そうすれば家族が安置場所から離れていたとしても、安置室まで案内してもらうことが出来ます。
故人との対面の仕方
安置されている故人と対面する場合にお作法があります。
・枕元に座る
まずは故人の枕元に正座します。
そして故人に対して一礼します。
・白布は自分で取らない
故人の顔にかけられている白布は自分では取りません。
家族が外すものなので、白布を外してもらうまではその場で待ちます。
・軽く顔を覗き込むようにして対面する
対面する前に家族に対して「お別れをさせていただきます」と一言お断りを入れます。
その後、故人の顔を軽く覗き込むようにしてお別れをします。
対面が終わったら故人に対して手を合わせます。
・少し後ろに下がってから深く一礼
対面が終わったら、少し後ろに下がり両手をつき故人に対して深く一礼します。
さらに家族に対しても一礼します。
その後、静かに退席します。
まとめ
電話での訃報連絡を受けた場合は、出来るだけ簡潔に話を済ませるようにしましょう。
ただし葬儀の日程や場所などについては何度も確認するのも家族の負担になります。
ですから長時間の電話はマナー違反ですが、必要な情報は確実にチェックするようにすることが大切です。