遺品整理はとにかく時間がかかります。
片づけをするだけの体力も必要ですが、遺品と向き合うためには心の準備も必要です。
それだけではありません。
親の遺品整理だと、実家から離れて暮らしている場合は、整理をしたくても実家に行くこと自体が難しいこともあるでしょう。
また片づけをするものが遺品であるだけに、すべてを自分一人の判断で処分できないこともあるでしょう。
とはいっても家の引き渡しや実家の処分など、遺品整理に時間をかけていられない事情を抱えている人もいるでしょう。
そこで今回は親の遺品整理に悩むあなたのために、遺品整理のメリット・デメリットや困った時に業者に頼むべきか、などについて解説していきたいと思います。
遺品整理には種類が3つある
①相続の対象になるもの
相続の対象になるものは、原則として「経済的な価値があるもの」と考えます。
預貯金や不動産、株やゴルフ会員権などは経済的な価値があります。
ですから相続税の対象になります。
また骨とう品や着物、貴金属なども経済的な価値があるものといえます。
ですから相続の対象にもなるのですが、一方で形見分けの対象にもなります。
②形見分けの対象になるもの
経済的な価値があるものであっても着物や骨とう品などの場合は、形見分けの対象として考えることが出来ます。
形見分けをした場合は、遺産相続の対象にはなりません。
ですから形見分けをしたとしてもそのことで相続税の心配をする必要はありません。
③何らかの方法で処分するもの
遺品を売却するという方法もありますが、売却する場合は引き取りに応じてもらえる品物であることが条件になります。
例えば遺品の着物であっても、古すぎて買い手がつかないものは買取してもらえません。
また日用品や家電商品も同じです。
この場合は何らかの方法で処分をする必要があります。
また処分費用が掛かることも忘れてはいけません。
遺品整理のメリット・デメリット
・遺品整理のメリット
遺品を整理することによって家の引き渡しが出来るようになります。
特に親が賃貸住宅で一人暮らしをしていた場合は、早めに遺品を整理しなければいつまでも賃貸契約を解約することが出来ません。
その間は誰も住んでいなくても家賃が発生しますから、金銭的な負担が出てきます。
また遺品の整理をすることによって気持ちに区切りをつけるきっかけになります。
悲しみを忘れることはできませんが、前向きに受け止めるきっかけにはなります。
・遺品整理のデメリット
遺品整理のデメリットは「物を処分するだけではないこと」にあります。
気持ちの整理をつける必要もありますし、遺品の一つひとつに向き合う必要もあります。
また残された遺品の数が多い場合は、処理にかかる費用も大きな負担になります。
しかも処分をするものと手元に残すものを仕分ける作業が必要になるので、いずれにしてもあなたが作業に立ち会う必要があります。
もしもあなたが遠方に住んでいるのであれば、移動にかかる費用や宿泊費が別途かかるでしょう。
また時間がかかる作業であれば、仕事も数日休みを取る必要が出てきます。
それだけの手間と費用をかけても、1度ですべての作業が終わるとは限りません。
さらに遺品の整理には親族が立ち会うこともよくあります。
これは相続や形見分けとも関係してくるので、希望があれば断ることはできません。
特に金銭的な価値がある遺品の場合は、家族だけでなく親族も納得した方法で処分をしないと後から親族トラブルに巻き込まれることもあります。
困った時は遺品整理業者がおすすめ
・遺品整理業者とは?
遺品整理業者とは、遺品の整理が目的の依頼を引き受ける専門業者です。
あくまでも作業の対象となる品物は全て「遺品」として扱うので、作業に立ち会っていても雑な印象を受けることはありません。
・遺品整理業者が出来ること
遺品整理業者の場合、作業を行う前に「残しておく品物」と「処分する品物」に分けます。
手元に残しておく品物は、処分する品物と分けて扱います。
依頼者が作業に立ち会えない場合も、きちんと依頼者のもとに返却さます。
処分する品物の処分方法もいろいろあります。
売却が出来る物があれば遺品の売却まで行ってくれます。
また不用品はまとめて回収し処分してくれます。
さらに自宅の掃除についても応じています。
作業後の簡単な掃除であれば無料で行っていますし、特殊なハウスクリーニングや消臭が必要な場合も対応しています。
またオプションサービスとして、死亡した人が名義人となっている車やバイクの買取処分や自宅の解体作業もあります。
実家の売却を検討している場合は、提携している不動産会社や買い取り業者への紹介もあります。
これらはいろいろな専門業者が存在するので、個別に依頼をすると費用だけでなく手間もかかります。
ただ遺品整理業者は「あらゆる遺品に関するプロ」ですので、専門が異なる遺品の整理も一括で引き受けてくれます。
・遺品整理業者を依頼するときの費用の目安
遺品整理業者の費用の目安は、荷物の量によって違うと考えるのが一般的です。
わかりやすく言えば「引っ越し業者に依頼するのと同じ」と考えると良いです。
引っ越し業者を依頼するときは、荷物の量によって費用の目安は変わりますよね?
荷物の量が多ければ作業員の人数が増えますので、人件費もその分かかります。
人件費は「実費扱い」となるので、これはさすがに費用を抑えることが出来ません。
これは遺品整理業者であっても同じです。
ちなみに遺品整理業者の場合、「経済的価値のある物を探し出す」というサービスもあります。
遺品を整理していくことによって見つからなかった通帳や貴金属類、株券などが見つかることもよくあります。
こうしたものは相続や形見分けの対象になるので、処分するのではなく引き取ることになります。
ただし遺品を処理する業者には「遺品整理業者」のほかに「不用品回収業者」もあります。
この場合の遺品はあくまでも不用品ですから、価値がある・なしは関係なくすべて処分するだけです。
遺品を分別する手間がかからない不用品回収業者の方が費用は安いですが、実際に現場で作業に立ち会っていても「雑だな~」という印象が強くあります。
気持ちにきちんと整理がついているのであれば扶養費回収業者の方が「効率的で安く処理が出来る便利な方法」といえますが、まだ気持ちに整理がつかないうちであれば「遺品なのに大事に扱ってもらえなかった」と不満を漏らす依頼者も多いです。
その違いを理解したうえで、遺品整理業者を選ぶことが費用を抑えるポイントです。
何しろ遺品整理業者を利用する人が増えているため、業者の数も年々増加しています。
中には悪徳業者もいて、金額は高いのに作業内容は不用品回収業者と変わらないこともあります。
安心して依頼が出来る遺品整理業者は、ホームページもしっかりありますし、費用の見積もりも無料で行っているので一度相談してみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
親の遺品を整理するにしても、いろいろな事情から自分でできない人も増えています。
自らできない事情も様々なのですが、出来るだけ早く整理をしなければいけない事情もあります。
ただ遺品の整理は気持ちの整理でもあります。
遺品を見れば、亡くなった人の記憶や思い出に嫌でも触れることになります。
だから遺品整理は単なるものの整理とは違うのです。
心の整理がつかないけれど事情があってどうしても片付けなければならないのであれば、無理に作業に立ち会わないということも大事なことだと思います。
そんな時にも遺品整理業者を利用すると良いと思いますよ。