最近は「家族葬」と呼ばれるスタイルのお葬式が主流になっています。
家族葬ではお葬式に呼ぶ親族の範囲も、家族の判断で決めることが出来ます。
そのため家族・親族のほか一般弔問客も含めて概ね20~30名程度のお葬式のことを言います。
でもお葬式には様々な種類の手伝い係が必要です。
たとえ家族・親族だけのお葬式だとしても、受付や返礼品の係などは必要になります。
とはいえ家族は「遺族」という扱いになるので、これらの係のために席を外すわけにはいきません。
また親族そのものの人数が少ない場合やお葬式に参加する親族がほぼ高齢の場合は、誰に係を頼めばよいのか困ってしまいます。
このように家族葬でお葬式をする場合にはお葬式の各係1つとっても、何かと問題が出てきます。
そこで今回は、家族葬でお葬式をする場合に必要になる手伝い係について詳しく解説していきます。
家族葬でお葬式のお手伝い
お葬式には、様々な係が必要です。
それぞれの係員には、「お葬式に来て下さった方々へ遺族の代わりに感謝の気持ちを伝える」という大切な役目があります。
そのため出来ることならばすべての手伝い係は親族が対応するのが一番です。
そうはいってもお葬式に呼ぶ人を限定して行う家族葬では、係を頼むことが出来る親族も限られます。
また「そもそも係に対応できる親族がいない」というケースもあります。
このような場合は、係によっては葬儀社が代行することもできます。
ただしすべての係を葬儀社が代行することは出来ません。
それが「受付係」です。
受付係は、香典を管理する係でもあります。
現金を受け取り管理する係だからこそ、葬儀社では代行できないのです。
もしも「不手際があって香典を紛失した」「香典が盗まれた」なんて事態が起きたら、それこそ葬儀社の信用問題に関わります。
そのため香典を管理する受付係だけは、葬儀社が代行することはできません。
つまりどんなに対応できる親族がいなかったとしても「香典を受け取る係=受付係」だけは、親族のうちの誰かが担当しなければならないのです。
お葬式の係によっては知人・友人などに頼むことが出来る場合もある
「家族葬」という言葉から「家族以外の人が一切いないお葬式」と思われるかもしれません。
でもそれは正しい認識ではありません。
あくまでも「家族を中心とした小規模なお葬式」を家族葬といいます。
家族葬には明確な定義はありません。
「家族だけのお葬式」のことも家族葬といいますが、家族の中に親族も含んでいる場合の方が圧倒的に多いです。
また家族葬といっても、故人や遺族と親しい付き合いがある知人や友人が参列することもあります。
つまり家族だけでなく故人やその家族と親しく付き合っていた人で送る小さなお葬式のことを「家族葬」というのです。
・お葬式では様々な係が必要になる
家族葬のお葬式でも、一般的なお葬式と中身はほとんど変わりません。
やらなければならない儀式も必要となる備品も、「家族葬だから必要ない」ということではありません。
もしも「一般的な形式でお葬式をしたい」というのであれば、家族葬も一般的なお葬式も内容は同じです。
だからお葬式で必要となるお手伝い係も「家族葬だから要らない」というわけにはいきません。
実際にお葬式をするとなれば、次のような係が必要になります。
・受付係
香典を受け取り、管理をする係です。
・返礼品係
葬儀のお礼状とセットになった返礼品を、弔問客が帰る際に手渡す係です。
・駐車場係
自宅で家族葬を行う場合は、駐車場係も必要になります。
・接待係
通夜式やお葬式の後に会食する場合には、参列者への料理や飲み物の手配・配膳をする係が必要になります。
・親族以外でも対応できる係は?
家族同然の付き合いがある知人・友人であれば、お葬式に必要となる係は全てお願いすることが出来ます。
特に駐車場係や接待係は、家族や親族でなくても全く問題はありません。
もちろん受付係も知人・友人に依頼することはできます。
でも受付係は香典の管理責任者となるため、よほど信頼が出来る相手でなければうかつに頼まない方が良いでしょう。
また親しい友人であっても香典係は責任が最も重いため、場合によっては断られることもあります。
手伝い係を頼める相手がいない場合の対処法
家族葬では「お葬式に呼ぶ人の範囲を家族が決められる」というメリットがある反面、「すべての対応を家族がしなければならない」というデメリットもあります。
さらに葬儀社のレベルも様々です。
そのためどのようなケースにも柔軟に対応してくれる葬儀社もあれば、必要最低限のスタッフと作業しか対応しないという葬儀社もあります。
でもそんな時こそ、こんな裏技を使えばよいのです。
・受付では芳名録への記帳だけにする
香典の管理が必要になるから、受付は代行できないのです。
ということは「受付で香典を受け取らなければ代行が出来る」ということです。
これならさすがにどの葬儀社でも対応が出来ます。
でもこれでは「どうやって参列者が香典を手渡すか?」という疑問がありますよね?
そんな時は、焼香所に香典盆を置いてもらえばよいのです。
家族葬の焼香所は遺族の目の前に設置されます。
しかも遺族は葬儀式が終わるまでは、遺族席から離れることはありません。
つまり遺族の目の前で香典の受け取りができ、さらに管理もできるというわけです。
ただしこの場合は、受付所でその旨を参列者に伝える必要があります。
葬儀社によっては参列者へ直接そのことを伝えてくれるケースもありますし、受付所に張り紙で告知をしてくれるケースもあります。
いずれにしてもこのような場合は、担当してもらう葬儀社に相談してみるのが一番です。
・会食の席での接待係は事前に相談すれば葬儀社が対応してくれる
通夜ふるまいや葬儀後の会食での接待係は、事前に葬儀社に相談すればスタッフを手配してくれます。
ただしこのサービスを利用するには別途費用が掛かることもあります。
ですから接待係を葬儀社にお願いする場合は「無料で手配してくれるのか」「有料サービスなのか」を事前に確認する必要があります。
・駐車場係は基本的に葬儀社が対応してくれる
一般的なお葬式の場合は弔問客の人数も多いです。
そのため日常生活に車が欠かせない地域に住んでいる場合は、やはり駐車場係が必要です。
ただし大手葬儀社の場合は、駐車場係はスタッフが代行するのが基本です。
また電車やバスなどでの移動が一般的な都会では、駐車場係そのものが要らないケースもあります。
特にセレモニーホールでお葬式をする場合、セレモニーホールの最寄り駅から無料の送迎バスを準備してくれることもあります。
最近では駅から徒歩で移動できる場所や住宅街に、家族葬に特化したセレモニーホールがたくさん出来ています。
そのためこのようなセレモニーホールを選べば、わざわざ駐車場係のことで悩む必要もありません。
・家族・親族だけの家族葬なら葬儀後の会食の席で返礼品を渡しても良い
ごく限られた親族のみを呼ぶ家族葬の場合、葬儀後に初七日~四十九日までの法要をまとめて行うこともよくあります。
これを「繰り上げ法要」といいます。
この場合は繰り上げ法要後に会食の席を設けるのが一般的です。
ですから葬儀式の際にわざわざ返礼品係を手配しなくても、会食会場で家族から親族へ直接お礼の品物を手渡すことが出来るので何も問題はありません。
まとめ
家族葬はお葬式に参加する人数が少ないので、お葬式に必要になる係を誰に頼めばいいのかが問題になります。
でも「親族でなければお葬式の各係は対応できない」というわけではありません。
もしもあなたが「あらかじめ葬儀社を決めておこう」と考えているのであれば、事前相談を利用してみるのもおすすめです。
ただし葬儀社によって対応がそれぞれ違うということは、理解しておきましょう。
特に今回解説してきたような悩みを抱えている場合は、「どの範囲までなら無料で葬儀社が対応してくれるのか」を事前に確認しておくことが、賢く費用を節約するポイントといえます。