お葬式の服装にはいろいろな決まりがあります。
男性であれば身に着ける物さえ気を付ければほとんどの場合マナー違反になりません。
ところが女性の場合は服装だけでなく髪型にもお葬式のルールがあります。
そこで今回はお葬式の服装にあった女性の髪形の基本やポイント・注意点を葬儀社スタッフがわかりやすく解説!
「金髪したときはどうすればいい?」「髪を下ろしたままだとダメなの?」など、お葬式の髪形に関するあなたの悩みや疑問もちゃんと解決していきます。
お葬式の服装での女性の髪型の基本は長さで変わる
・髪が顔にかからないようにするのが基本
どんな髪型であっても、髪が顔にかからないようにするのがお葬式の髪型の基本です。
お葬式では「故人と対面する時」「焼香をする時」「受付をする時」などいろいろなシーンでお辞儀をしますよね?
この時に髪が顔にかかってしまうのがマナー違反になります。
ですから髪の長さの違いはあっても「お辞儀をした時に髪が顔にかからない髪型」がお葬式の髪型の基本になります。
・髪の色も「黒」が基本
お葬式の服装では、使ってよい色は「黒」となっています。
ですから髪の色も「黒い髪」であることが基本になります。
・髪が長い場合は「結ぶ」「まとめる」が基本
髪が長い場合は、おろしたままの状態ではお辞儀をしたときにどうやっても必ず髪が顔にかかってしまいます。
ですからこのような場合は「結ぶ」または「まとめ髪にする」がマナーです。
お葬式での女性の髪の長さ別【髪型のポイントと注意点】
・髪が短い場合の髪型のポイントと注意点
髪が短い場合は、基本的に「清潔感がある」であれば問題ありません。
ただしオシャレをする場所ではありませんので、ヘアワックスなどを使って毛先に動きを出すような髪型はNGです。
ただし髪が短い場合でもパーマをしている場合は注意が必要です。
パーマでもいろいろなタイプがありますが、お葬式では「フォーマルなシーンに合っているか」「華やかさを強調していないか」がポイントになります。
ですからあまりにも個性的なパーマの場合は、短い髪の場合でもヘアワックスなどを使ってきちんとまとめるようにします。
くせ毛風のパーマの場合は、「ふんわり感」ではなく「しっとりとまとまった感じ」にする必要があります。
あくまでもお葬式ですからきちんとした印象に見せることが大事です。
必要に応じてヘアワックスなどを使って髪のボリュームを抑えるように心がけましょう。
・髪が長い場合の髪型のポイントと注意点
髪が長い場合は「髪を結ぶ」「髪をまとめる」が基本です。
ヘアゴムで1つに結ぶだけでも構いませんが、この時に使うゴムの色は「黒」で統一します。
リボンを使って髪をまとめることもOKなのですが、このときのリボンも装飾性が強いものではNGです。
またリボンの色も黒とします。
髪が長い時の注意点は、「髪を結ぶ(まとめる)位置」です。
コンパクトにまとめるにしても髪を結ぶ位置が耳よりも上にあると「華やかさがある」とみなされてしまいマナー違反になります。
ですから「髪を結ぶ」「髪をまとめる」のいずれにしても、その位置は耳よりも下にします。
これがお葬式の基本となります。
・夜会巻きはNG
フォーマルなシーンでのまとめ髪といえば夜会巻きがありますが、これはお葬式ではNGです。
夜会巻きは確かに髪を美しくまとめるスタイルではありますが、まとめる位置が耳よりも高い位置にあるのでお葬式の髪型としてはNGになります。
・ロングヘアでパーマをかけている場合は「きちんとまとめる」がマナー
ロングヘアでパーマをかけている場合は、ヘアゴムで1つに結ぶだけではマナー違反です。
ヘアゴムで結ぶことによって髪が顔にかかることはありませんが、パーマがかかっているのでボリュームがあり華やかな印象に見えてしまいます。
このような場合はきちんと髪をまとめることが大事です。
もちろん後れ毛が目立つのもNGですので、きちんとヘアワックスなどを使って後れ毛の処理も行うようにしてくださいね。
・匂いが強いヘアスプレーはマナー違反になる
髪型がキレイにまとまったらそのスタイルをキープするために最後にヘアスプレーをかけますよね?
普段の髪型であれば「香料あり」「香料なし」のどちらを使っても問題はないのですが、お葬式では違います。
お葬式では「周りの方に不快な想いを刺せないこと」も大切なルールにあります。
匂いは人によって気にならないこともありますが、不快と感じる人もいます。
ですからヘアスプレーを使う場合は「無香料タイプ」を使うのがお葬式の髪型の基本です。
お葬式での女性の髪型!こんな髪型の時はどうする?Q&A集
【Q1】金髪の場合はどうすればいいですか?
「金髪でお葬式に参列をしてはいけない」というルールはありません。
でもお葬式では式場は黒一色です。
もちろん白髪が多い人はいますが、これは自然な現象ですのでマナー違反とは言いません。
ところがオシャレとしてシルバーヘアにカラーリングしているとかなり目立ちます。
この場合は周りの視線が厳しく感じるはずです。
金髪の場合もオシャレでシルバーヘアにしている時と同じです。
「金髪だからマナー違反」ということではないのですが、どうしても周りの人から注目されてしまいます。
このような場合は、一時的に髪型をチェンジさせるヘアスプレーを使うのがおすすめです。
このタイプのヘアスプレーであればシャンプーをすればすぐに元の髪色に戻すことが出来ます。
【Q2】結ぶことが出来ない長さでも髪型はまとめなければいけませんか?
ショートボブやショートヘアの場合は、前髪の長さがポイントになります。
お辞儀をしたときに前髪が顔にかかってしまう場合は、前髪が紙にかからないようにヘアピンできちんとセットするのがマナーです。
この時に使うヘアピンは、光沢のない黒いヘアピンを使用します。
ヘアワックスをまとめたい部分に少量つけます。
髪を少しねじりながら顔にかからないように気を付けてまとめます。
毛先は耳の後ろ(または目立たない位置)でヘアピンを使ってとめます。
こうすれば短い部分もヘアワックスできちんとまとまっていますので、お葬式の最中に髪型が気になることもありません。
【Q3】カチューシャはつけても問題ありませんか?
カチューシャは「装飾品」に分類されます。
装飾品は極力避けるのがお葬式の基本ですので、カチューシャは一般的に「マナー違反」と見られます。
その代わり前髪をまとめるためにカチューシャを使うのであれば、装飾が付いていない黒のカチューシャはマナーの許容範囲と判断されるようになってきました。
ただしこれも全国共通の判断ではありません。しきたりが厳しい地域などでは、今でもカチューシャをしてお葬式に行くと「マナーが分かっていない人ね」といわれてしまいます。
ですから周りからマナー違反といわれない服装を目指すのであれば、カチューシャの代用品で前髪をまとめるようにしてくださいね。
まとめ
お葬式の女性の髪型は「髪が顔にかからない」と「コンパクトにまとめる」の2つが基本です。
髪が顔にかかってしまうと髪が気になってしまい、きちんとお辞儀が出来なくなります。
「正しくお辞儀が出来ない」ということは相手に対して大変失礼になります。
またオシャレな髪形にしてしまうと「華美な装飾」と判断されてしまいます。
ですから髪の長さとは関係なく「コンパクトにまとめる」ということが重要になります。
でもこの2つのポイントさえきちんとわかっておけば、髪型が原因でマナー違反といわれることは避けられます。
あくまでもお葬式では亡くなった人に対してだけでなく、周りの人に対しての配慮も忘れないようにすることが重要なポイントです。