冬のお葬式は、参列者としても大変です。
防寒対策をするにしてもお葬式という厳粛なセレモニーに参加するわけですから、式場内に入る時にはきちんとした礼服で参列する必要があります。
でも女性の喪服というとスカートが基本なので足元から体全体が冷えてしまいます。
そこで今回は、お葬式で女性が冬に気を付けるべきマナーや防寒対策について葬儀社スタッフが解説します。
選ぶときのポイントや注意点だけでなく、葬儀の現場スタッフが行っている「見られても絶対にバレない防寒対策」も紹介します。
お葬式の服装で女性が冬に気を付けるべきマナーとは!?
冬の女性の服装で防寒対策になるものといえば「コート」と「タイツ」ですよね?
でもこの2つのアイテムは使い方に注意が必要なのです。
- コートは式場に入る前に脱ぐのが基本
寒い冬のお葬式にコートをつけるのはOKです。
ただしつけても問題がないのは「屋外のみ」です。
まずはコートから説明します。
コートは冬のお葬式では必需品ですが、式場の中は「喪服のみ」で立ち会うのが正式なマナーです。
式場に向かうまでや屋外での儀式に立ち会う時にはコートを着ていても問題はありませんが、式場に入る前にはコートを脱ぐのが基本的なマナーになります。
ちなみに脱いだコートを手に持ったままだと、焼香をする時に邪魔になります。
このような場合は式場の受付にコートを預けるという方法もあります。
また葬儀社が運営するお葬式専門のホールでは、手荷物を預けることが出来るクロークが準備されていることもあります。
このような場合はクロークにコートを預けて式場内に入るとスマートです。
・外に受付がある場合
寺や自宅でお葬式を行う場合、受付が外に設置されていることがあります。
この場合、コートはそのままつけていても問題はありません。
ただし手袋は外すのがマナーです。
- 毛皮のコートはNG
毛皮のコートは確かに防寒対策としては最高です。
でも毛皮はお葬式ではマナー違反として考えられます。
ちなみに襟の部分にファーが付いているコートもNGです。
取り外しができるタイプであれば、お葬式に行くときはファーを取り外して使うのがマナーです。
- お葬式にタイツはNG
足もとの防寒対策の必須アイテムといえば「タイツ」があります。
でもこちらはお葬式ではNGアイテムです。
「冬は黒のタイツでも問題ないのでは?」という意見も多く見られますが、タイツは「オシャレ用」に分類されます。
お葬式の服装でオシャレはNGですから、防寒用として使うにしてもお葬式ではだめなのです。
- ブーツは原則NG
ブーツも冬の防寒アイテムとしては定番ですが、原則としてお葬式ではNGです。
ただし豪雪地帯などでは「ブーツでお葬式でもよい」という考えの地域もあります。
とはいえ一般的に考えればブーツは「オシャレアイテム」に分類されますので、お葬式で履くのはNGです。
お葬式の服装で女性の冬の防寒対策は!?
・冬用の喪服を着用する
最近ではオールシーズン用の喪服を準備数人が多いですが、オールシーズン用の喪服は「夏でも涼しい喪服」でもあります。
そのため冬用の喪服と比べて生地が薄く、風通しが良いようにもなっています。
これではさすがに防寒対策としては厳しいですよね?
そんな時には「冬用喪服」を使いましょう。
理想的なのは「冬用」と「夏用」の2着を準備する方が良いのですが、お葬式は年に何度もあることではありません。
そのためわざわざシーズンに合わせて2着準備する人の方が少ないです。
でも喪主や遺族であれば、参列者に対して失礼のない服装で対応することも大事な仕事です。
ですからどんなに寒くても式中は喪服のみで参加する必要があります。
この場合わざわざ購入するのではなく、喪服レンタルサービスを利用するのがおすすめです。
各葬儀社では喪服のレンタルサービスが必ずあります。
ほとんどの場合貸衣装店と提携しているので、季節に応じた喪服をレンタルしています。
これであれば購入する手間もありませんし、バッグや小物なども一式セットでレンタルできますので喪服に合わせて小物を選ぶ手間もいりません。
- ヒートテック
正式な喪服の場合、ジャケットの下にインナーを身につけます。
オールシーズン用の喪風の場合はジャケットとワンピースのセットタイプが多いのですが、これだとワンピースの袖が半袖になっていることが多いです。
そこでおすすめなのがアンサンブルタイプです。
アンサンブルタイプであれば、「ジャケット」「スカート」「インナー」の3つで構成されています。
インナーはシーズンによって変えることが出来ますので、冬のお葬式では長袖のインナーを選びます。
この時にインナーの下にヒートテックを着ておきます。
こうすれば見た目ではヒートテックを着ていることはわかりませんが、しっかりと防寒対策が出来ます。
ちなみに現場スタッフも冬の現場ではヒートテックを必ず使います。
式場内の誘導スタッフの場合は暖房が効いているのであまり使いませんが、駐車場の誘導係や式場までの案内係はヒートテックの2枚重ねが常識です。
もちろん男性の場合はスラックスを着用しているので、ストッキングのように足首から腰回りまでしっかりカバーしてくれるヒートテックも必ず使っています。
葬儀の現場スタッフの冬の服装にヒートテックは必需品です。
現場スタッフである私も保証する暖かさなので、寒さが気になるのならぜひあなたにもおすすめしますよ。
- 服の上から張るタイプのカイロ
服の上に張るタイプのカイロも、冬のお葬式の防寒対策としておすすめです。
張るタイプのカイロは「張る場所」にポイントがあります。
冷えた体を効率よく暖めるには、血管が集中している部分を暖めることがポイントです。
ただしお葬式では喪服を着ますから、目立つところに張ってしまうと恥ずかしい想いをします。
そこでおすすめなのが「脚の付け根」です。
脚の付け根には大きな欠陥が集中しています。
ですからこの部分を暖めると、体温が上がります。
しかも脚の付け根はスカートで完全に隠れますので、張っていたとしても目立ちません。
ただし張る時には低温やけどをしないようにきちんと注意をしてくださいね。
- シルク腹巻
腹巻も防寒アイテムとしては定番ですが、毛糸の腹巻をしても服を身に着けると不格好になってしまいます。
そこでおすすめしたいのがシルク腹巻です。
素材がシルク製なので、腹巻であっても厚みは気になりません。
いろいろなタイプのシルク腹巻があり、「伸縮性に優れたタイプ」「締め付け感が気にならないタイプ」などもあります。
またシルク腹巻は普段遣いもできるので、お葬式以外でも使えるという点ではかなりおすすめです。
- 中敷き用カイロ
足もとの冷えをどうにかしたいという時におすすめです。
足元用カイロというと靴下に直接貼るタイプのものが多いのですが、式場によっては靴を脱がなければならないこともあるのでお葬式ではあまりおすすめ出来ません。
そんな時におすすめなのが「中敷き用カイロ」です。
これは私も冬のお葬式の現場立ち合いの時に必ず使います。
スカートでの立ち合いの場合は、足元の冷えがどうしても我慢できなくなります。
そんな時に足の指先まで温かくなる中敷きカイロはとっても便利です。
- スカートの丈を長くする
喪服のスカート丈を長くすれば、その分直接足に風があたる面積が減ります。
正喪服の場合も七分丈までは許容範囲ですので、これを機に新しく喪服を買うのであれば七分丈のスカート(ワンピース)を選ぶと防寒用にもなるので便利です。
お葬式での女性の冬の服装まとめ
お葬式での冬の装いについてまとめて解説してみましたが、参考になったでしょうか?
冬のお葬式は防寒対策なしには立ち会えません。でもどんなに寒くてもお葬式という正式なセレモニーなのですから、周囲に不快な思いをさせるような装いはNGです。ただしこれはあくまでも見える場所のことであって、見えない部分であれば防寒対策をしてもOK!
少しでもあなたに合った防寒対策をして、冬のお葬式に備えるようにしてくださいね。