お葬式の服装で女性は「肌の露出を控える」というのが大原則です。
でもこれって夏の場合はとっても困りますよね?
それでなくても暑さ対策として夏は黒い服を避けるのに、さらに肌の露出を控えなければいけないとなれば喪服を着ているだけでも汗がひどくて大変です。
そこで知っておきたいのが「お葬式の服装での夏対策」です。
今回は少しでも夏のお葬式を快適に過ごすために知っておきたいことを葬儀社スタッフが詳しく解説!
夏だからこそ気を付けておきたいポイントや注意点もわかりやすく紹介していきます。
お葬式の服装!女性の夏対策は!?
どんなに暑い夏のお葬式であっても、肌の露出は最小限に抑えることがマナーです。
ですから本来であればどんなに暑くても、肌が見えないようにジャケットを着用しなければいけません。
・夏でもジャケット着用は基本
夏であっても、お葬式はフォーマルな式典ですのでジャケット着用は基本です。
もちろん休憩中や屋外への移動時にはジャケットを脱いでも問題ありませんが、出棺の立ち合いなどでは屋外でもジャケットを着用するのがマナーです。
最近ではお葬式の会場も、お葬式専門のホールで行うことが多いですよね?
こうしたホールでのお葬式では、式場内はしっかりと空調が効いています。
もちろん空調の温度を調整することはできますが、一般弔問客などのことも考慮しなければいけないので「空調を止める」ということは難しいです。
でも遺族・親族となれば式中はイス席で1時間程度は座りっぱなしの状態です。
そんな時に役立つのがジャケットです。
屋外では暑くて邪魔になるジャケットですが、空調が効いている室内ではクーラーで体が冷えるのを防ぐ効果があります。
・ジャケットに合わせるのはワンピースがおすすめ
ジャケット着用が基本となると、今度は中に何を合わせればよいのかに悩みますよね?
そこでおすすめしたいのが「ワンピース」です。
ワンピースといってもノースリーブのワンピースはNGです。
短くても半袖までが喪服としてのマナーになります。
夏でも式ではジャケットを羽織らなければいけませんから、少しでも涼しく過ごすことが出来る半袖ワンピースはおすすめです。
・アンサンブルの場合はインナー選びがポイント
夏の喪服としてはワンピースの方が断然涼しく過ごせるのですが、長時間同じ姿勢で座っていることを考えれば、ワンピースよりもアンサンブルの方が体の負担は少ないです。
この時の夏対策は「インナー選び」です。
肌の露出を抑えるとなればインナーも首まできちんとおおわれているネックタイプのインナーになりますよね?
でも首周りが完全にガードされていると、どんなに涼しい素材を使っても暑さが気になります。
このような場合は少し襟もとが広めに開けられたデザインのインナーを選び、首元をカバーするためにパールネックレスやスカーフを合わせると涼しくなります。
さすがに胸元が見えそうなくらい広く開いた襟元はNGですが許容範囲内の肌の露出であれば、パールネックレスを合わせることで上品なスタイルになります。
またパールを使わずにスカーフで首元をふんわりとカバーするという方法もおすすめです。
これならば肌の露出は抑えられますし、取り付け・取り外しも簡単なので場所に合わせて調整することもできます。
・屋外でも肌の露出を抑えるなら「七分袖ワンピース」
ジャケットを脱いでも見た目の美しさを追求したいのであれば、半袖ワンピースではなく七分袖ワンピースにするのがおすすめです。
七分袖ワンピースといっても袖の部分は風通しの良いシフォン素材となっているので、肌の露出を抑えつつも涼しく快適に過ごすことが出来る工夫があります。
もちろん七分袖ワンピースでも正式な場ではジャケット着用が基本ですが、待ち時間や屋外での移動などが多い夏のお葬式ではジャケットを脱いでいる人も多いです。
この時も肌の露出を気にせず過ごせるのは七分袖ワンピースです。
ちなみにお葬式の現場でたくさんの喪服姿の女性を見てきた私の経験からいうと、半袖ワンピースよりも七分袖ワンピースの方が上品に見えます。
あくまでも私の個人的な意見ですが、周りの人よりちょっと差をつけたい時には七分袖ワンピースを選んだ方が絶対に見た目がキレイに見えるのでおすすめです。
お葬式の服装で女性の夏の暑さ対策のポイントは?
・夏用喪服にすればジャケットをつけても涼しい
お葬式以外に身に着けることがない喪服ですが、少しでも快適に過ごすことが出来るようにシーズンごとに喪服の素材が違っています。
例えば冬用の喪服の場合、式中に寒さを感じにくくするために厚めの生地と風を通しにくい裏地が使われています。
この冬用喪服を夏に着ると、風が一切感じられませんので汗でびっしょりになります。
これに対して夏用の喪服は、風を通しやすい素材を使っています。
また体を締め付けるデザインではなく、少しでも服の中を風が通り抜けやすくするためにややゆったりとしたデザインになっています。
ですから夏用の喪服であれば、ジャケットを羽織っていても暑さはそれほど感じません。
もちろん見た目も冬用よりも涼しげに見えます。
・オールシーズン喪服も夏におすすめ
「ほとんど使うことがない喪服だからシーズンごとに2着準備するのはちょっと…」という人は、オールシーズン用喪服を選ぶことも夏の暑さ対策としておすすめです。
お葬式が集中するのは、気温差が激しい「冬」と「夏」です。
この2シーズンに対応している「オールシーズン喪服」は、「夏は涼しく」「冬は暖かく」が手に入る便利なアイテムです。
「どうしても1着だけは自分用として準備しておきたい」という人は、オールシーズン喪服を購入するのがおすすめです。
・夏用の喪服をレンタルする
ほとんどの葬儀社では、喪服の貸し出しサービスもあります。
喪服のレンタルサービスというと「和装の喪服の時に利用する」というイメージが強いかもしれませんが、実は品ぞろえが豊富なのは洋装タイプの喪服の方です。
喪服レンタルのメリットは、「夏用喪服の用意もある」という点です。
「冬用の喪服はあるけれど夏につけるのはちょっと大変」という場合は、このレンタルサービスを利用すればわざわざ夏用喪服を買う必要がありません。
もちろんサイズのバリエーションは豊富ですし、小物も全て一式セットで借りることが出来ます。
ですから喪服だけでなくバッグや靴などもわざわざ購入しなくて済みます。
この貸し服サービスはあまり知られていないのですが、値段もかなり安いですし小物も全てセットでそろえてくれるのでお得ですよ。
お葬式の服装で女性が夏の服装で注意しておきたいこと
・サングラスはNG
夏の強い紫外線から目を守るために屋外に出る時にはサングラスを常に使っているという人も増えていますが、お葬式のシーンで「カジュアルな装い」とみられてしまいます。
私がお葬式の現場スタッフとして見ていても、サングラスをして式場にやってくる人を見かけるとあまり良い気がしません。
はっきり言えば「芸能人じゃないんだから…」と思ってしまいます。
もちろん目の病気がある人や紫外線をどうしても避けなければならない事情がある場合は例外ですが、その場合でもホールの中に入ったらすぐに取るようにします。
・ハンカチ選びは大事
夏のお葬式では、汗拭きとしてハンカチを使うこともよくあります。
女性の場合、汗を拭いた後のハンカチにはファンデーションが付いていることがよくあります。
この汚れをあまり気にしている人はいないようですが、意外と式場で目立ちます。
ハンカチは直接服装と関係がないように思えますが、お葬式ではハンカチが必需品です。
ハンカチのデザインによっては喪服の印象をガラリと変えてしまうこともあります。
ですからデザインや色選びも大事なのですが、汗や化粧で汚れてしまったハンカチの予備として2~3枚準備しておくことも忘れないようにしましょう。
まとめ
夏の女性の喪服選びは、暑さ対策がしっかりとしているかがポイントです。
オールシーズン対応の喪服もありますが、やはり夏仕様の喪服の方が快適に過ごせます。
特に喪主や遺族・親族の場合は、出棺前にお見送りに立ち合いのお客様への挨拶もあります。
この時はどんなに暑くてもきちんとジャケットを着ている必要があります。
こうしたことも考えれば、快適に過ごせるだけでなく見た目もきちんとしていることが夏の喪服選びのポイントになります。