お葬式の連絡は突然やってくるものです。
訃報の連絡を受けたからには参加するのがマナーですが、お葬式に参加するための服装にはマナーがありあらかじめ準備している人ばかりとは言えません。
とくに20~30代だと「お葬式に参加したことがない」という人も多いはずです。
そんな時に困るのが「バッグ」です。
ただしお葬式ですので、バッグにもマナーがあります。
黒い色のカバンであればなんでも良いというわけではありません。
では「お葬式用のバッグはないけれどお葬式には行かなくちゃいけない!」という時にはどうすればよいのでしょうか?
お葬式用のバッグがない!どうすれば良い!?
バッグは小物になりますが、お葬式に持っていくのであればやはりお葬式にあったものでなければいけません。
ただしバッグに関する考え方については、男性と女性でちょっと違います。
・男性の場合はバッグがなくても問題はない
男性がお葬式に持っていくものといえば「香典」「数珠」「ハンカチ」「財布」くらいですよね?
この程度であればわざわざバッグを持たなくても、ジャケットのポケットで十分に持ち歩くことが出来ます。
また男性の場合は、出棺や手伝いやお葬式の係を頼まれることもあります。
このような場合にバッグを持っているとかえって邪魔になってしまいます。
もちろん焼香所でもバッグを持っていない方が焼香の邪魔になりません。
ですから男性の場合は、バッグを持たずにお葬式に参加する人の方が多いです。
実際に私がお葬式で焼香所の誘導をしていても、バッグを持っている男性を見かけることはほとんどありません。
ちなみに男性が持つバッグでよく見かけるのはビジネスバッグです。
「お葬式の直前に訃報を知らされ取り急ぎお葬式場にやってきた」という人が多く、服装も喪服ではなく黒いビジネススーツを喪服の代用としていることが多いです。
このようなケースの場合は「やむを得ない事情がある」と判断されるので、お葬式の服装のマナーから外れていたとしても許容範囲内とされます。
・女性の場合はきちんとお葬式用のバッグを準備している人がほとんど
女性の場合は男性とは違い、「お葬式の服装としてフォーマルバッグを準部する」というのが一般的です。
お葬式の荷物としては男性のものとそれほど大きな違いはないのですが、女性の喪服のジャケットは男性用とは違いポケットがありません。
ですから香典をジャケットの内ポケットに入れるということもできませんし、まして香典をそのままの状態で持ち歩くということは非常識です。
そのため女性の場合は「喪服を準備する」と「お葬式用のバッグを準備する」はセットで考えます。
・お葬式用のバッグがない場合は黒いカバンで代用できる?
お葬式の小物のマナーは「黒い色であればよい」ということではありません。
カジュアルなバッグはNGですし、フォーマルバッグでも結婚式のようなパーティー用バッグもダメです。
では普段仕事や買い物などに出かける時に使っている黒いバッグで代用するのはどうでしょうか?
これもNGです。
黒いバッグといっても普段遣いが出来るバッグの場合は、必ず金具がついていますよね?
特に持ち手の部分には金具がついているはずです。
またファスナーがバッグの表面についていることもありますし、ファスナーの代わりにがま口バッグの場合は大きな金具がついています。
しかも仕事用に使っているカバンの場合は、仕事に必要なものや書類などがすべて収まるようにバッグのサイズも大きいですよね?
このように大きなサイズのバッグをフォーマルな場所に持ち込むのはマナー違反になります。
・素材や装飾があるものは全てNG
金具が表についていないバッグであったとしても、お葬式ではNGとされる素材や装飾が付いているものはマナー違反です。
正しいお葬式用のバッグは布製となります。
革製バッグもありますが、つや消し加工がされているものでなければマナー違反とされます。
これは「お葬式では光沢があるものを使わない」というルールが原則としてあるからです。
「金具がついているバッグはお葬式用として使えない」というのもこのルールがもとにあります。
ちなみにエナメルやスェードのバッグもマナー違反になります。
エナメルはツヤがありすぎる点がマナー違反になりますし、スェードの場合は「カジュアルなバッグ」とみなされるためフォーマルなお葬式ではNGになります。
お葬式用のバッグがない場合は黒のサブバッグで代用
お葬式用のバッグはお葬式以外で使うことはほとんどないのですが、いざ購入しようとすると近くのショッピングセンターでも5000円前後はします。
さすがにお香典などの準備も必要になるので、お葬式直前に5000円の出費は痛いですよね?
この場合は黒のサブバッグで代用するという方法がおすすめです。
黒のサブバッグであれば、多少値段が高くてもお葬式以外にも使いまわすことが出来ます。
例えば結婚式にお呼ばれされたときにも使うことが出来ますし、子どもの入学式や卒業式などでも使うことが出来ます。
・結婚式用に買っておいたサブバッグは要注意
結婚式にお呼ばれした時に購入したサブバッグをお葬式に持っていくときには注意点があります。
まず「華美な装飾が付いていないこと」をチェックしましょう。
ビーズやパールなどの装飾が付いているものは光沢があり華やかな印象になるので、お葬式に持っていくサブバッグとしては使うことはできません。
またタッセルやチャームが付いているものもお葬式のサブバッグとしてはNGです。
取り外すことが出来るのであれば取り外して使えば問題ありません。
ただし取り外しができない場合は「オシャレなバッグを持っている」と判断されてしまうので、マナー違反と見られてしまいます。
・香典袋は袱紗に必ず入れること
サブバッグをお葬式用のバッグとして代用するのであれば、せめて専用の袱紗だけはきちんとしたものを準備してください。
これであればサブバッグを預けられる場所があれば袱紗と数珠だけ取り出せばよいですし、男性参加者のほとんどがバッグを持っていませんので焼香をする時でもほかの会葬者に紛れて目立ちません。
またサブバッグは携帯しやすいように折りたたむことが出来るようになっています。
ですから半分に折りたたんでセカンドバッグに見えるようにごまかしてしまえば、見た目は何とでもなります。
ただしこの場合もごまかしていることがバレないようにするために、袱紗はお葬式用の袱紗を準備しましょう。
あらかじめ袱紗と数珠を取り出しコンパクトなサイズにサブバッグを折りたたんで式場に入れば、周囲からあなたがサブバッグをフォーマルバッグの代用にしていることがバレることはありません。
お葬式用のバッグがない遺族の場合は貸衣装店を利用する
サブバッグをお葬式用のバッグとして代用できるのは、親族または一般弔問客までです。
さすがに遺族の場合はお葬式の正しい服装のマナーを守る必要があります。
でも遺族の場合はちょっとした買い物で席を外す時間すらないこともありますよね?
この場合は葬儀社が提携している貸衣装店を利用するのがおすすめです。
貸衣装店では喪服のレンタル以外に小物のレンタルもあります。
バッグのほかにも靴のレンタルもありますので、「お葬式用の靴もない」という場合は小物を一式をセットでレンタルすれば問題ありません。
ただし貸衣装店では、肌に直接触れるものはレンタルできません。
ですからストッキングや靴下などは貸し出ししていません。
その代り販売サービスがあるはずですので、どうしても準備をする時間がないのであれば担当の葬儀スタッフに相談してみるといいですよ。
まとめ
お葬式のバッグがないとしてもバッグにもマナーがあるので、マナー違反となるバッグで参加することはできません。
時間や予算に余裕がある場合はきちんとフォーマルバッグを購入した方がよいですが、どうしても時間がないという場合はサブバッグを使うという方法もあります。
いずれにしてもお葬式では「周囲に不快な思いをさせない」ということも大事なポイントです。
だからこそマナー違反のバッグでお葬式場に行くということは、あなたが恥をかくだけでなく周りに対しても迷惑をかけることになるのです。
ですから細かいようですかお葬式に参加する場合は、バッグについてもきちんとマナーを守るようにしましょうね。