香典の書き方には包む金額によっても変わります。
包む金額によっても香典袋の選び方はかわりますし、中袋の有無も変わります。
もちろんこの違いは香典の書き方とも関係します。
そして香典の表書きや中袋の書き方にはマナーがあり、数字の書き方などにもお葬式独特のマナーがあります。
そこで今回は包む金額によって変わる香典の準備の仕方を、書き方の基本から数字の書き方の注意点まで分かりやすくポイント解説していきます。
香典に包む金額によって不祝儀袋の選び方や書き方は違ってくる!
香典を準備するのであれば、香典袋を準備するところから始めます。
でも香典袋の選び方は包む金額によっても変わります。
そしてどんな宗教でお葬式をするのかも関係します。
・金額によって使うことができる香典袋の種類が変わる
香典袋には、大きく分けると「中袋あり」と「中袋なし」の2種類に分かれます。
中袋というのはお金を包む白い封筒のことを言います。
そのため中袋ありの方が中袋なしよりもひと回りサイズが大きいのが見た目の特徴としてあります。
中袋ありと中袋なしでは、見た目にもう一つの特徴があります。
香典袋には基本的に水引がついています。
お葬式の香典袋の水引は基本的に黒白ですが、それ以外にも銀白や紺白もありますしそのほかの色の場合もありますただしいずれにしても神仏にお供えするものという意味が香典にはありますので、水引をつけるのが基本です。(※キリスト教の場合は例外です)
この水引が香典袋についているものが中袋ありの特徴で、水引のイラストが印刷されているものが中袋なしです。
これだけでも見た目に大きな違いがあります。
そこで問題になるのがこの2つをどのように使い分けるのかです。
実はこれを判断するには金額が大きく関係してきます。
中袋ありと中袋なしでは、見た目だけでもかなりの違いがあることがわかりましたよね?
もちろんどちらがより高級そうに見えるかと言えば断然中袋ありの方です。
それは当然です。
なぜならば包む金額が高くなるほど、金額に見合った高級感のある香典袋を使う必要があるからです。
逆に言えば金額が少ないのに高級な香典袋を使うのは変と言えます。
つまり香典袋はいくらお金を包むのかによって選び方が変わってくるというわけです。
・香典の金額の決め方
金額の決め方は「亡くなった人との関係・付き合いの度合い」によって変わります。
遺族であっても喪主以外は香典を準備するのが基本ですが、この場合はあらかじめ遺族の中で相談をして金額を決めるのが一番です。
ちなみにその他の関係の場合、金額の相場は3千円~10万円です。
この違いは故人とのつながりだけでなくお葬式の参加者によっても変わります。
例えば夫婦でお葬式に参加する場合は2人分の香典を準備するのが基本ですので、独身の人が個人で香典を準備する時と比べると金額は高くなります。
また友人や知人の場合は、周囲の金額に合わせるというのも一つの方法です。
お葬式の香典には相互扶助の意味がありますが、高額な香典を出せばよいというものでもありません。
場合によっては相場以上の金額をもらったために遺族が恐縮してしまうこともあります。
これは「遺族に気を遣わせてしまう」ということになりますので、あまり良いとはされません。
そのため同じ立場の参加者がいる場合は、周囲の相場に合わせて香典の金額を決めることも大事になります。
・宗教によって表書きで使ってよいもの悪いものがある
宗教儀式を伴うお葬式では宗教の考え方に沿って行われます。
これは喪主や遺族だけの問題ではなく、香典を準備する一般参加者にも関係します。
なにしろ香典袋の表書きには宗教によって使ってよいものと悪いものがあります。
例えば「御香典」ですが、これは仏教式のお葬式でなければ使うことができません。
仏教式であれば宗派を問わず使うことができるのですが、「香典」という言葉そのものが仏教を連想させるものです。
そのため神道やキリスト教の場合には使うことができません。
宗教を問わず使うことができるのが「御霊前」なのですが、実は仏教の一部宗派ではNGとなります。
なぜならば同じ仏教でも死後の世界の考え方に違いがあるからです。
仏教では仏の世界に行くまでに時間がかかると考える宗派と死者の霊はすぐに仏の世界に行くと考える宗派の2つがあります。
前者の場合、お葬式の時点ではまだ死者は仏の世界にたどり着いていません。
ですからお供え物には「御霊前(死者の霊にお供えするもの)」を使います。
ところが後者の場合は亡くなった直後に仏の世界に行くと考えているのですから、お葬式の段階でも「御仏前(仏さまにお供えするもの)」となります。
・中袋なしの場合は印刷されているイラストにも注意が必要
中袋なしの香典袋の場合、包む金額は5千円以内が目安です。
そのため一般会葬者として参加するのであれば最もポピュラーな香典袋と言えます。
ただし中袋なしのタイプには、表に蓮の花やユリなどのイラストが印刷されている場合があります。
これは要注意です。
まず蓮の花は仏教を連想させる花なので、仏教以外の宗教では使うことができません。
同じくユリの花はキリスト教を連想させる花です。
そのためキリスト教以外では使いません。
イラスト入りの香典袋は見た目にも美しいのですが、宗教によって使い分けなければいけないところが難しいです。
事前に宗教について確認が出来るのであればよいのですが、宗教が分からない状態で香典を準備するのであればイラストがプリントされていないものを選ばなければいけません。
・香典袋の字書きは基本的に筆で自筆
香典袋の字書きは基本的に自筆となります。
さらにボールペンやサインペンではなく筆(または筆ペン)を使うのも基本です。
もっと細かく指摘すると、お葬式までは墨の色を薄墨とするのもマナーです。
一般的には墨をすって筆で字を書くということはあまりないでしょうから、仏事用として販売されている薄墨の筆ペンで書きます。
ちなみに「字を書くのが苦手」「筆ペンを使ったことがない」という人も多いでしょうが、香典は正式なお供え物ですのでボールペンなどの簡易的な道具で文字を書き入れることは遺族に対して失礼になります。
★パソコンや専用のハンコではだめなの?
最近は香典袋の表書きをパソコン印刷する人がいます。
またお葬式に参加する頻度が高い法人の場合は筆文字のハンコを使うケースもあります。
本来であれば個人・法人問わず自筆で筆文字が基本ですが、最近ではパソコン印刷や専用のハンコを使ってもマナー違反ではないと考える人が増えています。
でもこの場合もインクの色は黒色ではなく薄墨色を使うことがポイントになります。
香典袋の中袋がある時とない時の書き方のポイントは!?
・中袋ありの書き方
中袋ありの場合は上包みに名前(または表書きの文字)を書き、中袋の表側に金額、裏側に住所と氏名を書きます。
上包みの名前は水引の下の部分に書きます。
個人で準備する時には、名前を縦書きで中央に書きます。
連名の場合は、立場が最も上の人の名前を香典袋の中央に書き、その左側に連名者の名前を書きます。
なお連名として表書きに名前を書くことができるのは最大3名までです。
3名以上の連名の場合は、代表者の名前を上包みに書きます。
そしてその他の名前を別用紙に書き、お金と一緒に中袋に入れます。
・中袋なしの書き方
中袋なしの場合金額の目安が5千円以内となるので一般的には個人で香典を出す場合と考えます。
そのため名前は中央に書き入れます。
連名で準備する場合は、中袋あり・連名の場合と書き方は同じです。
お葬式での数字の書き方のマナー
中袋ありの場合、中袋の表に包んだ金額を書き入れます。
書くときには中袋の表に「金○○萬圓」とかき、〇には金額を漢数字で書きます。
ただしこの時に使う漢数字は一般的に使う漢数字と異なります。
そのため書き入れる際にも十分に注意をしてください。
★香典袋の中袋で使う漢数字一覧
数字 | 1 | 2 | 3 | 5 | 7 | 8 | 10 |
漢数字 | 壱 | 弐 | 参 | 伍 | 七 | 八 | 拾 |
香典の書き方や金額のまとめ
香典を準備する時には、香典袋選びから金額、書き方など様々な注意が必要です。
「ちょっと面倒だな?」と思うかもしれませんが、香典には大切なお供え物という意味があります。
それに故人へ弔意を表すという意味もありますから、しっかりとポイントを押さえて準備するようにしてくださいね。