お葬式ではいろいろな準備などもあって、荷物がどうしても増えてしまいます。
また「お葬式の時に不備があってはいけない」という気持ちもあってあれもこれも持っていこうとすると、どんどん荷物が増えてしまいます。
やはり荷物が多くなれば、持ち運びに便利な大きめのバッグを持っていた方が何かと便利です。
ところがお葬式はフォーマルなセレモニーですから、服装だけでなく小物のバッグにもマナーがあります。
特に正装であることが求められる遺族の場合は、きちんとしたフォーマルバッグを持つことが正しいマナーです。
では大きめバッグであっても許容範囲とみなされる目安はあるのでしょうか?
もしお葬式で大きめのバッグを持っていたら、それはマナー違反となるのでしょうか?
今回はお葬式のバッグの基本を詳しく説明したうえで、大きめのバッグの許容範囲の目安について分かりやすく解説します。
お葬式に持っていくバッグはあまり大きいのはNG
お葬式のバッグとして大きめのバッグを使うことは、基本的にNGです。
そもそも大きめのバッグを持つ目的にはどんなものがあるでしょうか?
まず考えられるのは「荷物が多い」ということですよね?
お葬式用の小さなハンドバッグでは入れることが出来る荷物にも限りがあります。
でもお葬式当日は1日がかりです。通夜も含めれば2日がかりのセレモニーです。
さすがにこれだけ長い時間拘束されるとなれば、荷物だって増えてしまいます。
例えばモバイルバッテリーは手放せません。
遺族であれば訃報連絡や各種問い合わせに対応しているうちに、あっという間に携帯電話やスマホの電池はなくなってしまいます。
連絡が取れなくてお葬式の不備が出るというのが一番避けたいことですから、やはりモバイルバッテリーは持ち歩く必要があります。
また葬儀専門ホールの安置室を利用する場合は、遺族が安置室で宿泊することもあります。
そうなれば外泊用の荷物も必要です。
そのほかにもお葬式に関する資料や香典なども持ち歩かなければいけません。
このような場合には大きめのバッグがないと移動をする時にとても困ります。
でも大き目のバッグを持つ理由はほかにもありますよね?
その一つには「オシャレに見せたい」という目的があるはずです。
普段遣いのバッグなどがこれに当たります。
普段使うバッグは服装に合わせて選びますので、どちらかというと機能性よりも見た目を重視しますよね?
見た目を重視するということは「たくさんの荷物を運ぶことが目的ではない」ということになります。
これはお葬式の「オシャレをしない」というマナーに違反します。
そもそもお葬式では「周りの服装に合わせる」ということも大事です。
一般的にお葬式にバッグを持参する場合、香典や数珠、ハンカチなど最低限のものが入る小さなハンドバッグを持ちます。
男性であればこの程度の荷物はジャケットのポケットで十分収まりますので、わざわざバッグを持つこともありません。
それなのにあなたがもしも大きめのバッグをもってお葬式に参加したとすれば、その姿は当然目立ちます。
お葬式では主役である故人以外は目立ってはいけません。
またお葬式は人の死が関係するセレモニーですから、集まった人に対して不快な思いをさせない心遣いをするのもマナーです。
でも法律で「お葬式にはこのような服装をしなさい」という決まりはありません。
つまり考え方によっては「どんな服装をしても問題はない」とも言えます。
確かにものの考え方や価値観は人それぞれ違いますから、感じ方もそれぞれ違います。
でもだからといって「どんな服装をしてもいい」というのは違いますよね?
だからお葬式の服装には、バッグのような小物に至るまで細かなマナーがあります。
このマナーをみんなが守ることによって、誰もが心穏やかにお別れの時間を過ごすことが出来るようになります。
・お葬式ではハンドバッグまたはクラッチバッグが基本
お葬式では「オシャレをする場ではない」とは言いましたが、「フォーマルシーンのドレスコードに合わせる」ということも必要です。
もしかしたら「お葬式のバッグ」として考えるから、あなたも「荷物があるのだから大きめのバッグを持っていても別にいいんじゃないの?」と思ってしまうのかもしれません。
それならば「結婚式のバッグ」を例にして考えてみましょう。
結婚式もお葬式と同じくフォーマルなセレモニーです。
服装は華やかなセレモニーに合わせたフォーマルなものを選びますし、バッグも必要最低限のものが入る程度の小型のパーティーバッグやクラッチバッグなどを選ぶはずです。
それはどうしてでしょうか?
答えは「フォーマルシーンのドレスコードだから」なはずです。
考えてもみてください。
パーティドレスを着ているのに「荷物があるから」という理由でボストンバッグを持つでしょうか?
これはあり得ませんよね?
では「仕事帰りだから」という理由で、同じくパーティドレスにビジネスバッグを持っていくのはどうでしょうか?
これもやはりあり得ません。
それならば「引き出物を持ち帰りやすくするためにリュックサックをもっていく」はどうでしょうか?
これも常識では考えられません。
つまりお葬式も同じことです。
フォーマルなセレモニーに参加するのですから、その場にあった服装や小物を身に着けるバことは参加者の最低限のルールです。
ですから荷物が多い場合はフォーマルバッグとは別にサブバッグを持てばよいですし、寝泊まり用の荷物をキャリーバッグやドラムバッグなどに入れているのであれば式場のクロークに預けるなどの方法があるはずです。
きっと結婚式の時であれば、同じ状況になった時にあなたもそのようにするはずです。
それは「フォーマルなドレスコードに合わない」というだけでなく「周りと違ったことをすると目立ってしまう」という気持ちもあるからでしょう。
ちなみにお葬式ではハンドバッグかクラッチバッグ(メンズ用の場合はセカンドバッグともいう)以外のものを持っていると、結婚式でリュックサックやボストンバッグを持ち込むのと同じことになります。
だから大きめのバッグをお葬式用のバッグとするのはNGなのです。
お葬式用のフォーマルバッグの大きさの目安
ハンドバッグまたはクラッチバッグ(セカンドバッグ)がお葬式のバッグの基本ですが、一応大きさの目安もあります。
まず最低限「香典袋を折らずに入れることが出来る横幅」は必要です。
香典は袱紗に包むのが正式なので、正しくは「袱紗が入るサイズであること」となります。
ちなみに袱紗が入らないほどの小さなバッグはパーティ用とみなされます。
つまり「オシャレのために持っている」ということになるのでお葬式ではNGになります。
では大きめのバッグの許容範囲の目安はどうでしょうか?
ハッキリとした決まりはありませんが、取っ手部分を除いたバッグ本体の縦の長さは30㎝以内がギリギリ許容範囲でしょう。
横も同じく30㎝よりも長いと「お葬式用のフォーマルバッグ」というよりは「パーティ用のバッグ」または「カジュアルなバッグ」として見られてしまいます。
お葬式に持っていくサブバッグの大きさの目安は?
お葬式用のサブバッグとしては、「折りたたんでフォーマルバッグに収まるサイズ」が目安になります。
この程度のサブバッグであれば式場内に持ち込んでもマナー違反になりません。
ただしこれよりも大きめのバッグの場合は、式場内に持ち込むのはマナー違反です。
ちなみに「ビジネスバッグ」「トートバッグ」「キャリーバッグ」「リュックサック」などを式場内に持ち込むのは原則NGです。
クロークに預けるか、施設内のロッカーを利用するのがマナーです。
遺族や親族がどうしても荷物の移動として持ち込みたい場合は、専用の控室において置くと良いでしょう。
ただしこの場合は貴重品をバッグの中に入れないようにしてください。
お葬式場には遺族専用の個室(控室)であっても、遺族がいない時に葬儀スタッフや施設の清掃スタッフなどが出入りすることはよくあります。
ですから「もしも」ということを考えて必ず貴重品だけはバッグから取り除いておくようにしてくださいね。
まとめ
大きめのバッグも、移動の多いお葬式では必要になることもあります。
ただし式場に持ち込むバッグとして大きめのバッグを選ぶことはマナー違反です。
あくまでもフォーマルなセレモニーですから、その場にあった正しい服装と小物を身に着けることを心がけてくださいね。