お葬式で花は欠かすことが出来ないものです。
祭壇に飾られる花は悲しみをいやすだけでなく、亡くなった人の面影をイメージさせる大事なアイテムです。
これに対して親族や友人・知人・仕事関係などで供花を送る場合は「供物(お供え物)」という意味があります。
祭壇は喪主や遺族の希望によって決められるものなので問題はありませんが、供花の場合は「どんな花を送ればよいのか?」「値段の相場は?」「送るときのマナーはあるのか?」など気になることも多いです。
そこで今回はお葬式に花を送る場合のマナーや値段の相場をポイント解説!
届けるタイミングや届け先、宗教による花選びの違いなどもまとめて解説します。
お葬式の供花を送るときのマナー
供花を送るときのマナーは送る側の立場(関係性)によっても変わります。
まず式場に供花を飾る場合、祭壇に近い方が上座と考えます。
ですから故人との関係が深い人ほど祭壇の中央に近い位置に並べられます。
祭壇に近い位置に置く花は遺族・親族が中心になります。
基本的に供花一基につき1本の札名がつけられますが、札名には個人名のほかにも「家族一同」「子供一同」「孫一同」のようにまとめて書く方法もあります。
もちろん個人名で連名書きする方法もあります。
この場合は式場の広さにもよりますが、できるだけ式場の入口からでも見える字の大きさを目安にします。最大で1つの札名に4名までは連名で書くことができますが、1つの札に1名分の名前を書く字のサイズと比べるとかなり小さくなります。
ですから連名で供花を送る場合には、札名に書く人数にも注意が必要です。
・キリスト教では札名は付けないのが基本
キリスト教のお葬式では、供花に札名をつけないのが一般的です。
ただしお葬式に参加してみて初めて宗教が分かることもよくありますよね?
このような場合には式場に入った瞬間「しまった!」と焦ることがよくあります。
このようなことにならないためにも、お花の注文をする際には宗教の確認もしておくことがポイントです。
最も確実なのは、葬儀を施工する葬儀社に花の注文をすることです。
葬儀社では供花の注文も受け付けています。
また葬儀の情報もわかっています。
ですから注文をする時には「○○家に供花を注文したいのですが、どのようなお花がいいですか?」と質問してください。
そうすればキリスト教のように供花の準備の仕方に注意が必要な場合は、きちんとアドバイスをしてくれます。
・亡くなった直後に供花を送るのはマナー違反
訃報連絡を受けてすぐに安置先に供花を送るのは、実はマナー違反です。
これは訃報連絡を受けて弔問をする問いに喪服を着ていくのと同じ意味があります。
訃報をうけた直後に弔問をする場合、喪服を着ていくと嫌がられます。
これは「亡くなることをあらかじめ予想し喪服の準備をしていた」と解釈されるためマナー違反といわれています。
供花を訃報連絡の直後に手配するのも同じです。
注文をするタイミングはいつでも問題はありません。
ただし届ける時間と場所には配慮が必要です。
もしも通夜までは自宅に安置し通夜からお葬式は葬儀専門ホールで行うという場合であれば、供花を届けるのは通夜の会場とするのがマナーです。
自宅に届けられると「あらかじめ手配されていた」と解釈されることもあるのであまり良くありません。
また自宅から式場まで供花の移動が必要になるので、これも遺族の手を煩わせるという意味であまり良くありません。
ただし式場に到着した遺族は、供花の並べ方に間違いがないかチェックをしなければいけません。
冒頭でも少し触れましたが、祭壇に近い方が供花を並べる順番としては上座となります。
ですからその通りに並べられているか式が始まる前に確認します。
つまり式が始まる直前に供花が届くと配置の確認をあらためてしなければいけなくなるので、通夜式の開始時刻に遅れが出る可能性があります。
これは大変失礼になるので、少し余裕をもって式場に届くように手配するのが送る側のマナーとなります。
お葬式の供花の値段の相場は周囲と合わせるのが基本
供花は「お供え物」という意味があるので、送る側の気持ち次第で値段を決めてよいものです。
でも暗黙の了解として周りの供花に合わせて注文するというのが送る側の常識です。
一般的に供花は1基1万円から準備することが出来ます。
値段が高くなるほど花の量や花材の値段も変わりますので、見た目も値段によって変わります。
さらにスタンド花を頼む場合は1対で注文するのが一般的ですので、ボリュームもさることながら見栄えも格段に変わります。
もちろんコチョウランも供花として送ることが出来ます。
コチョウランの注文は1鉢で注文しますが、どんなに安いコチョウランでも1鉢2.5~3万円します。
しかも1鉢でボリュームも華やかさもありますので、故人との付き合いとは関係なく祭壇とのバランスで目立つ位置に配置されるのが一般的です。
それ以外の一般的な供花の場合は、祭壇の中央に近い方から故人との関係が深い人とします。
そのため内側の供花の方が見栄えが悪く、外側供花の方が豪華だと見た目にもあまり良くありません。
ですから遺族・親族はこうしたことも考えて供花を注文するときは地域の相場または相場よりやや高めの供花を注文します。
ただし遺族にも様々な事情があり、費用を抑えるためにあえて値段の安い供花を注文する場合もあります。
このような場合のことも考えて友人・知人など一般会葬者の立場で供花を注文する場合は、担当する葬儀社に確認し遺族や親族が注文した供花と同じ値段に合わせるようにするのが理想です。
遺族や親族の注文した供花が相場より高い場合は、一般的な相場に合わせて注文します。
とはいえお葬式の規模やスタイルによって供花を注文する金額の相場も違います。
また地域相場というものもありますので、ここで一概に「相場は○○万円です」とは言えません。
ですからやはり担当する葬儀社に確認するのが最も無難と言えます。
お葬式の供花以外にも弔意を表したい場合の方法
供花は並べる順番が決まっているので、一般会葬者の立場で供花を注文する場合には周囲の値段に合わせるのが一番です。
でも故人との関係性によっては「もっと何かして差し上げたい」ということもあるでしょう。
この場合は供花と併せて電報を送ると良いです。
電報といってもいろいろな種類があります。文面も定型文もありますがオリジナル文もあります。
さらに線香やブリザードフラワー、切手盆などがセットになったものもあります。
しかも電報はお葬式の最中に文面の披露があります。
ですから供花だけでなく電報もセットで送れば、遺族の印象もかなり変わります。
ちなみに電報も送るタイミングは供花と同じと考えます。
あまりにも早く電報が届くとマナー違反になりますし、式の直前に届けてしまうと宛名(あなたの名前)の読み方や電報を読む順番の確認が再度必要になります。
これは喪主に手間をかけさせてしまうことと同じ意味になりますので、供花と同じく時間に余裕をもって手配するのがベストです。
まとめ
お葬式で供花を送る場合には、宗教の確認・式場の確認・開式時間の確認等細かいところまでチェックが必要です。
そのうえで回りへの配慮として「供花の注文金額を平均相場に合わせる」ということも必要です。
地域やお葬式の希望によって供花の値段の相場は変わります。
式場に行った時に恥ずかしい思いをしないためにも、注文の際に金額の相場をきちんと確認することも忘れずに行ってくださいね。