40代は人生を見直す一つの区切りです。
家庭があり子育てをしている人は、子離れの時期がそろそろ見えてくる時期ですよね？
でもそれと同時に今度は年老いた両親の将来のことを漠然と考え始める時期とも重なります。
社会的には仕事においてもプライベートにおいても充実した時期を迎えている反面で、退職やその後の人生についても考え始めます。
だから40代で生前整理について考える人が今、増えています。
とはいえまだまだこれからの人生が長い40代で一体何を整理するべきなのでしょうか？
また生前整理をすることによって今のあなたにどんな効果があるのでしょうか？
今回は「40代だからこそ始めたい生前整理」のヒントをご紹介！
悩むよりも知ることが生前整理は何よりも大事です。
そのポイントをわかりやすく説明します。
生前整理を始めるなら40代が絶好のタイミング
40代で生前整理を始めるためには、生前整理をする理由が必要になります。
でもほとんどの人がその理由に答えがわからないから何をすればいいのか悩んでいるのだと思います。
まず今の状態を振り返ってみてください。
平均的な現在の日本人のライフスタイルから考えると、40代はもっとも大きな買い物をする時期です。
人生で最も大きなお買い物、それは「マイホーム」です。
30歳前後で結婚という一大イベントを迎え、出産・子育ての忙しさと幸せの中であっという間に過ぎ去っていったのが30代だったはずです。
でも毎日子供のそばについて世話をしなければいけない時期は過ぎ、心と時間にゆとりが出来ることで社会とのかかわり方も変わってきたはずです。
そうなると将来の大きな目標について考えるようになります。
ちょうどこのころ金銭的にもゆとりが見えてきますので、いよいよ人生最大のお買い物である「マイホーム」について考えるようになります。
でもマイホームを手に入れるということは大きな責任も伴います。
住宅ローンの返済もかかってきますし、子どもの大学進学にかかる費用のことも頭の中に浮かんでくるでしょう。
さらに厄介なことにこの年代になると自らの健康についても心配事が出てきていますよね？
若い頃は疲れても一晩ぐっすり眠ればスッキリしていたのに、40代になるとなかなか疲れは取れません。
また職場の健康診断の結果を見て「生活改善の見直しが必要」と指摘されることもあるでしょう。
もっと頭が痛いのは、あなた自身が親の老いを認めざるを得ない局面に出会う時期ということです。
いつまでも元気で頼りにばかりしていたはずの親の背中が、ふとした瞬間に「こんなにも小さかったのか？」と感じる出来事が起こります。
それが丁度40代です。
つまり40代は人生の大きなターニングポイントなのです。
変化が起きるということではなく、あなたの身の回りにたくさんおこる変化が起きる時期なのです。
それはこれまで経験したことではないだけに、あなたは漠然としつつも「何か始めなければ…」という不安を感じているのではないでしょうか？
「生前整理」という言葉が気になった時点ですでにあなたの生前整理は始まっている
生前整理は何も特別なことをしなければいけないということではありません。
というよりもこの記事をあなたが気になり読み始めた時点で、あなたの生前整理始まっています。
つまり「考えること」が40代の生前整理の最初の一歩なのです。
最初の一歩を踏み出したあなたは、第2ステップである「何を整理するか」を考える時期に向かっています。
これは同じ40代であっても人によって全く違います。
あなたにとって最初に整理すべきことが、ほかの40代の友人に当てはまるとは限りません。
これまであなたを取り巻いてきた環境や人生はあなただけのものです。
だから大事なものはあなたにしかわからないですし、それは夫婦や家族であっても理解できません。
でもあなたは「考える」ということを始めました。
まだその考えはゴチャゴチャといろいろなものが絡んでいるままです。
あなたはきっとそのゴチャゴチャしたことをすべて取り払って隠れているものが何かを知りたいと思っているのでしょうが、それが見えてくるには絡まった糸のようなものを少しずつほどいていく作業がいります。
・新しいことを始めるラストチャンスが今
新しいことを始めることはとてもパワーがいります。
でも40代のあなたには守るべきものもたくさんあるはずです。
それはあなたにとって大事なものですが、それもあなたが本当に知りたいと思っているものの周りに絡まった糸の一つになっています。
でもあと10年先のあなたを考えてみてください。
50代のあなたがサラリーマンであれば、「退職」の2文字が目の前にぶら下がっているはずです。
早期退職とするのか、定年まで働くのかの決断がすぐ目の前にあることでしょう。
もしも早期退職を考えているのであれば、40代の今ぼんやりとではあってもあなたの中で何かやりたいことが見え始めているのではないでしょうか？
主婦であるあなたにとってもやはり同じです。
子育てのゴール地点はそろそろ見えてきたはずです。
これまで育児と家事に追われる毎日の中で過ごしてきたあなたも、子育てを卒業した後のことを考え始めていませんか？
「子育てがひと段落したらゆっくり夫婦の時間を過ごしたい」と思っているかもしれませんが、その一方であなたやあなたのご主人の両親の介護、さらに「もしも病気になったなら…」という健康の不安もありますよね？
これがもしもすべて現実となったときに、あなたはゆっくりと考えて決断する時間はありません。
目の前に突き付けられる問題にとにかく結論を出していかなければならなくなります。
今漠然と「歳をとったらこんなことをしたい」と思うことが出来るのも、今の状況が変わらないということが前提になっているだけです。
もしも状況が変われば、それをかなえられるかどうかはわからないのです。
問題が増えれば増えるほど、新しいことを始めるのにパワーが必要になります。
でも今ならどうでしょうか？まだあなたにはいろいろなことを始めるパワーがあります。
「ちょっとパワーが足りないかもしれない」と思ったとしても、あなたを支えてくれる人はたくさんいます。
そんな時期だからこそ今のうちに「これをやろう！」と目標を決め、そこに向かって少しずつ準備が出来るのです。
40代は「「自分の将来の姿をイメージし動き始めるラストチャンス」なのです。
それをするにはあなたの考えを整理することが必要です。
これもまた生前整理と言えます。
生前整理は問題を可視化することが大事！
親の介護は子供である限り避けられません。
介護地獄なんて言葉も耳にしますが、実際に介護をしている人にもいろいろなタイプがあります。
うまく向き合えている人は自分一人で抱え込まない人が多いです。
きょうだいがいる場合はきょうだい同士での話し合いが比較的頻繁にあります。
意見の違いはあっても決断を一人に押し付けたり自分勝手に決断することがないので、困難にぶつかったときに協力し合って支えあう傾向があります。
でも自分一人で抱え込んでしまっている人の場合は、親の介護に「苦しい」「つらい」という人が多いです。
きょうだいや相談できる親族がいなくても、今は公的機関やNPO団体など様々な支援団体が相談を受け付けています。
そこには同じような悩みを抱えている人もたくさん集まっています。
このような場所を利用することで解決につながることは意外と多いのですが、抱えてしまっていては誰もあなたが抱えている問題に気が付きません。
はっきりとした悩みとして形に表れている場合は解決もしやすいですが、40代が抱える親の悩みは非常に漠然としています。
その漠然としたものも抱え込んでいるうちはとても苦しいはずです。
だからこそ抱えては何も始まらないのです。
せっかく今からの人生を自分らしく生きるために生前整理をすると決めたのですから、頑張ってもどうにもならないことは素直に誰かに頼りましょう。
頼るということが性格上できない人は、あなたの悩みをまず紙に書き出してください。
文字にすることで客観的にあなたの悩みを整理することが出来ます。
これはどの分野においても共通していますが、このように現実に抱えている問題を可視化するのは40代の生前整理において大事な方法なのです。
生前整理はお金の管理も必要！
40代は突然どうにもならないようなリスクに見舞われることもあります。
例えば急に病気がわかり入院が必要になるかもしれません。
極端な話題になりますが40代の突然死も特別なことではなくなっています。
でもそんなときにあなたにしかわからないお金の話があったなら、きっと家族は困ってしまいます。
・通帳や印鑑は一か所にまとめて家族に伝えておくこと
お金の管理をあなたが一手に引き受けているのであれば、通帳や印鑑など大事なものは一か所にまとめておきましょう。
また月々の支払いに関することもメモにしてまとめて置くことも生前整理の一つです。
またまとめておくだけではだめです。
そのことを家族に伝えておくことが大事です。
もしあなたがお金の管理をすべて行っているのなら、それこそ大変です。
あなたが急に倒れて緊急入院となったら、その日から家庭内のお金の流れはすべて止まってしまいます。
家族はどこからお金を引き出せばよいかわかりませんし、毎月どこに何の目的でいくら支払いが必要なのかもわかりません。
最悪の場合は支払いが止まってしまったことで、大事なお金が無駄になってしまうこともあります。
・キャッシュカードの暗証番号はメモにして残しておくこと
あなたが管理する銀行口座のキャッシュカードの暗証番号を、あなたの家族は誰か知っているでしょうか？
もしもあなたに何かがあって話が出来ない状態になったとしたら、口座にお金があってもキャッシュカードの暗証番号がわからないと引き下ろせないこともよくあります。
特にまとまったお金が必要になった場合、名義人本人以外が引き下ろすためには手続きが面倒になります。
キャッシュカードであれば限度額までは特に手続きなど関係なく引き下ろすことが出来ますが、窓口ではそう簡単にはいきません。
「まだそんなことをしておかなくても大丈夫」と思うかもしれませんが、それこそが40代の今こそやっておくべき生前整理です。
まとめ
生前整理は老後や死後のことを見据えて元気なうちに物を整理することと解釈されますが、40代ではそれよりも「今」を整理することが最大の生前整理になります。
「今」という時間軸で整理をするわけですから、基本的に難しいことは何もありません。
始めることも簡単です。でもこれが40代ならではの生前整理のポイントであり、一番難しいことでもあります。
すでにあなたはもうその第一歩を踏み出しています。
あとはあなたのペースでしっかりと「今」を整理すれば、あなたは10年先でも笑顔を忘れない人生を送っていることでしょう。
