大切な人の訃報連絡を受けたものの、事情があってお葬式に参列することが出来ないこともあります。
そのような場合には、お悔やみ電報や供花を送るという方法があります。
でもお葬式は結婚式と違って突然日程などが決まるものですので、訃報連絡を受けた時点で気が動転してしまいどうして良いかわからないままお葬式当日を迎えてしまうということもあります。
そうはいっても大切な人のお葬式ですから、少しでも何かをして差し上げたいという気持ちになるのは当然です。
そこで今回は、お悔やみ電報や供花を送る場合の方法や注意点、さらにはお葬式が終わった後に訃報連絡を受けた場合の対応の仕方などをわかりやすく説明します。
お悔やみ電報や供花を贈る意味とは!?
お悔やみ電報や供花は、お葬式に参加することが出来ない場合にだけ贈るものではありません。
お葬式に参加する場合でも贈ることが出来ます。
お悔やみ電報を送る意味とは?
お悔やみ電報にかかれる言葉には、「お悔やみ申し上げます」という挨拶だけではありません。
宛先も故人宛で送るものではなく、遺族の誰かにあてて送るのが一般的です。
お悔やみ電報で書かれる文章は「訃報を聞いて驚きました」「ご冥福をお祈りします」などのように故人に向けて書かれる内容とは別に、「お辛いでしょうがどうか自分の体のことも大事にしてあげてくださいね」という遺族への励ましのメッセージもかかれています。
ですから贈る側の気持ちの中にこの2つの想いがあるのであれば、お悔やみ電報を送る意味があるというわけです。
供花を送る意味とは?
お葬式の供花には、「お悔やみの気持ちを表す」という意味があります。
遺族であれば誰だって「出来ることならばたくさんの花に囲まれたお葬式をしたい」と思うものです。
でもお葬式にかかる費用は祭壇以外にもたくさんあります。
そのため「家族の判断で出来る範囲のお葬式をする」ことになります。
でも家族以外であっても「寂しいお葬式で見送るのは忍びない」という気持ちは持っているはずです。
さらに「少しでも残される家族の負担を減らしてあげたい」という想いも持っています。
そうした気持ちを少しでも形にして表すのが、お葬式における供花といえます。
ですからお葬式に出席する・欠席するに関わらず贈ることが出来ます。
枕花と供花は違う
同じ花を贈るにしても、「供花」と「枕花」では意味が違います。
枕花というのは、「亡くなってからすぐに送る花」のことを言います。
名前を見てもわかる通り故人の枕元に置く花のことで、血縁関係の近い遺族や親族、親しくしていた友人などが送るのが一般的です。
枕花には「家族の悲しみに私も寄り添っていきます」という意味が込められています。
そのため亡くなった直後から飾られます。
とはいえ故人との対面の邪魔にならないようにしなければならないため、供花のようなスタンドタイプのものではなくコンパクトな盛花を贈るのが一般的です。
ちなみに枕花には「遺族に寄り添う」という気持ちが込められているため、喪主が準備することはありません。
また必ずしも枕花を準備しなければならないということもありません。
お悔やみ電報や供花を注文する方法
お悔やみ電報の注文方法
最も一般的なのは、NTTが提供しているお悔やみ電報サービスを利用する方法です。
電話だけでなくインターネットでも受け付けていますので、都合に合わせてどちらかの方法を選ぶと良いでしょう。
・注文をするまでに決めておくこと
お悔やみ電報は、台紙のデザインとメッセージの内容によって料金が異なります。
一番安い台紙を使い、あらかじめNTTが用意してある定型文を利用するのであれば、「台紙料金+メッセージ料金+消費税」のみで利用することが出来ます。
ちなみにオプション商品を付けて送ることもできます。
さらにメッセージもオリジナルの文章に変えることも出来ます。
いずれにしてもあらかじめどのような電報にしたいのかを決めておく必要があります。
・注文するまでに確認しておきたい事
お悔やみの電報は「お葬式当日でなければ届けてはいけない」というわけではありません。
訃報連絡を受けた直後に送っても良いですし、通夜式に間に合うように届けても問題ありません。
ただしお葬式までの時間がほとんどない場合は、式場に届けるのが一番です。
そのためにも、「葬儀を行う場所(セレモニーホールであればホール名)」「宛名のフルネーム」「故人と宛先(遺族の誰なのか)との続柄」「お葬式が行われる時間」の4つは必ず確認してください。
供花の注文方法
最も面倒がない注文方法は、お葬式を施工する葬儀会社に注文をすることです。
お葬式屋さんには生花部門がある場合もありますし、生花部門がない場合は提携している花屋があります。
そのため葬儀当日でも対応してくれるなど、他の花屋に注文するよりも柔軟に対応してくれることが多いです。
・注文する際のポイント
供花の料金は、花のボリュームによって変わります。
料金が高くなるほど見た目も豪華になります。
ただしここで注意しておきたいのが、「ほかの方からの供花とのバランス」です。
たとえばすでに注文が入っている供花のほとんどが3万円の供花だったとしましょう。
この場合、近い親族が1万円の供花を注文するとそこだけが変に目立ってしまいます。
しかも供花は祭壇に近い場所ほど故人との関係が深い人の供花を並べます。
そのため「親族なのにこんな花を…」と思われてしまいます。
逆のことも考えられます。
親族も含めほとんどの方が1万円の供花を注文しているのに、付き合い程度の人が3万円の花を注文すると近い親族たちの供花が目立たなくなってしまいます。
供花は祭壇の周りに飾られるものであるだけに、他の人とのバランスも合わせるのがポイントです。
そのことを確認する上でも担当しているお葬式屋さんに注文した方が良いのです。
ちなみに金額に迷った場合は、「ほかの方はどの程度のお花を注文されていますか?」ときくのも一つの方法です。
お葬式が終わった後に訃報連絡を受けた場合の対処法
「訃報の連絡を葬儀終了の報告と併せて受けた」という場合も、ちゃんと対処法があります。
後日直接弔問する
最も良い対処法とすれば、やはり訃報連絡を受けた時点で弔問するのが一番です。
たとえお葬式が終わった後であっても、直接自宅に伺ってお悔やみの言葉を述べるということは出来ます。
ただし最近は諸事情からあえて家族だけでお葬式をする「家族葬」が定番のスタイルになっているため、お葬式後に自宅に弔問客が訪れることをあまり快く思わない家族もいます。
またお葬式が終わった後も遺族は、初七日や納骨、さらには死亡後の諸手続きなどがあります。
そのためふいに訪れると、かえって遺族の負担になってしまうこともあります。
ですから直接自宅に訪問したいと考えている場合は、あらかじめ遺族にその旨を伝え、了承をえてから伺うようにしましょう。
手紙を添えて香典を郵送する
最近の葬儀事情を考えると、自筆の手紙を添えて香典を郵送する方がお互いに負担がない方法だといえます。
電報の場合はほとんどが定型文を利用しているため、内容がほとんど同じものばかりです。
ですが手紙の場合はあなた自身の想いがしっかりと伝わるため、お葬式を終えた後の遺族にとってもありがたく感じます。
ただし香典を入れる際には、香典袋の表書きに注意が必要です。
仏教式の場合は「御霊前」で構いませんが、この表書きが使えるのは告別式までです。
すでにお葬式が終わってしまっているので、この場合は法要で使うことが出来る「御仏前」を使います。
神道式でお葬式を行った場合、御香典の表書きは「御玉串料」「御榊料」「御神饌料」「御神前料」などになります。
ちなみにこれらはお葬式だけでなく法要などでも共通して使うことができます。
キリスト教または無宗教でお葬式をした場合は、「お花料」と書きます。
こちらもお葬式だけでなく法要などでも共通して使うことが出来ます。
まとめ
お葬式に出られない場合、お葬式が終わった後に訃報連絡を受けた場合でも、お悔やみ電報や供花、御香典などであなたの気持ちを直接遺族に伝える方法はあります。
どの方法であっても大切なことは「故人を弔う気持ち」と「遺族に寄り添う気持ち」です。
この2つがしっかりと伝われば、あなた自身も「やってよかった」と思えるはずです。