お葬式の費用って、本当によくわからないものですよね?
実際に家族がお葬式のために支払う金額は、葬儀社への支払い以外にもいくつかあります。
でもそれらはお葬式をする上でどうしても必要なものなので、金額も内容も明確です。
ところが葬儀社に支払う葬儀代金は、業者によっても料金によっても全然違います。
写真付きのプラン表を見ても、どこにどのような違いがあるのか全く分からないという人も多いはずです。
特に一番わかりにくいのが、「セットプラン」となっている葬儀社の場合です。
この場合、実際にお葬式会場で使う祭壇の料金の中にお葬式に必要なものがすべて含まれているので、祭壇選びによって料金が変わってきます。
でも普通のお葬式をしたいのなら、どうしても必要になるのが祭壇です。
そこで今回は、祭壇の選び方や祭壇がお葬式に必要とされる理由、また葬儀費用を節約するための賢い祭壇選びのポイントをわかりやすく解説します。
お葬式の祭壇にはどんな意味があるの!?
お葬式の祭壇を選ぶ時には、「あなたがどのようなお葬式をしたいのか」がポイントになります。
たとえ「どんなにお金がかかっても最高のお葬式をしてあげたい」と思っていたとしても、お葬式の規模によっては不必要に大きな祭壇を薦められる原因となることがあります。
一般的に祭壇の料金は、祭壇の大きさにも関係しています。
ですからいくらお金があったとしても一般の弔問客も含めて20名程度のお葬式の場合は、式場のスペースの関係で希望する最高ランクの祭壇が設置できないこともあります。
逆に300名規模の大きなお葬式なのに、家族葬程度の祭壇ではさすがに見栄えがしません。
しかもお葬式の費用は「香典の総額+手出し○○万円」で考えるものなので、いただいた香典で儲かるようでは参列してくださった方に対して失礼になります。
ただし祭壇選びには料金外にも選び方の違いがあります。
それが「宗教」です。
日本では仏教式でのお葬式が多いのですが、仏教式の中でも宗派によって祭壇に決まりがあります。
またキリスト教式の場合は、仏教式で見られる白木祭壇は使うことが出来ません。
さらに神式(神道)の場合は、祭壇だけでなく祭壇にお供えする供物にも宗教上の決まりがあります。
このように「どのようなお葬式にするのか」には、お葬式の規模だけでなく宗教・宗派によっても祭壇は違います。
ですからまずはそこから考えるのが、祭壇選びする前準備として必要になります。
花祭壇ならオールマイティーに対応できる
「仏教式=白木祭壇」と思われるかもしれませんが、実際にはそうではありません。
仏教式で行うお葬式であっても、白木祭壇以外の祭壇を選ぶこともできます。
それが花祭壇です。
花祭壇は、宗教・宗派問わず対応が出来るのが特徴です。
そのため仏教式のお葬式に限られる白木祭壇と比べて、オールマイティーに対応できます。
ただし花祭壇の場合は全て生花で作られますので、白木祭壇と比べて高い場合もあります。
またデザインにこだわりたい場合や使用する生花の種類を限定した場合は、その分費用が高くなるのが花祭壇です。
白木祭壇に生花のオプションをつける方法もある
白木祭壇のみではさすがに寂しい印象がありますが、この場合は生花のオプションをつけることで華やかさが出ます。
つまりこれがセットプランの祭壇の場合に料金の差となります。
花祭壇はすべてを生花で作る祭壇ですので、宗教宗派などは問わずどのようなタイプのお葬式にも対応できます。
ただし使用する生花の数が増えれば、その分料金は高くなります。
白木祭壇に生花のオプションをつける場合も、これと同じです。祭壇が小さく生花のオプションが少ない方が、料金は安くなります。
これに対して祭壇が大きく祭壇全体に生花のオプションついている場合は、高額になります。
神式の場合は別プランとなることがある
神式の場合は宗教上の制約が祭壇にもあります。
そのため仏式よりも行わなければならない儀式や決まりが多く、「氏子ではないけどなんとなくカッコいいから神式でやってみたい」と思う人はおすすめできません。
また仏式と比べて比較的マイナーなお葬式のスタイルなので、葬儀社によっては神式で行う場合は祭壇も別プランとなることがあります。
ただし互助会系の葬儀社の場合は、会員に対する規約というものがあります。
そのため神式だからという理由で別プランになるということは、基本的にありません。
つまり互助会系葬儀社の場合は、「互助会の会員になれば、これだけのお葬式の内容を保証しますよ」という約束をしたうえで会員になってもらっているため、宗教や宗派による祭壇の違いがあってもそのことが理由で料金が上がるということはありません。
そもそも祭壇にはどんな意味があるの!?
お葬式で祭壇が必要なのは、「宗教」が関係しているからです。
宗教によっては儀式のためにお供え物をしなければならないとされているものもあります。
しかもそれらはお葬式の儀式を行う上で必ず必要になります。そのために使われるのが、お葬式の祭壇です。
でもお葬式の祭壇にはもう1つの意味があります。
それは遺骨と遺影写真を置くためです。
お葬式は宗教的な儀式だけでなく、故人と生前付き合いがあった人との別れの場でもあります。
でも亡くなってしまった人の姿を直接見ることは、近親者以外はできません。
そのため祭壇の中央には遺影写真を飾ります。
また地域によっては火葬が終わった後でお葬式を行う地域もあります。
この場合は、「遺骨=故人」ですから、祭壇の中央に安置します。
つまりお葬式の祭壇は、「お葬式の儀式を行う上で必要になる様々なものを置くための台」というわけです。
ちなみに白木祭壇は仏教式のお葬式専用に作られた祭壇なので、供物を置く供物台などもセットになっています。
賢く祭壇を選ぶためのポイントは!?
賢く祭壇を選ぶためのポイントは、「祭壇の大きさ」と「お葬式の規模」をしっかりと把握しておくということです。
自宅でのお葬式の場合は祭壇の大きさが重要
自宅でお葬式を行う場合は、祭壇の大きさが一番の決め手になります。
自宅でのお葬式ですから、セレモニーホールのような広いスペースがあるわけではありません。
ですから部屋の大きさに合わない祭壇を選んでしまうと、遺族が座るスペースすら確保できなくなってしまうこともあります。
どの範囲まで親族を呼ぶのかが家族葬の祭壇選びのポイント
家族葬の場合、お葬式に呼ぶ親族の範囲を決めるのも家族次第です。
親族が少ない場合は良いのですが、親族だけでも50名以上になる場合は式場も100名までは収容可能な式場でなければ対応できません。
でもこのような場合は、「家族葬」とは呼びません。
つまり家族葬は参列する人数が少ないお葬式のことを言いますから、セレモニーホール利用した場合も比較的小さな式場を案内されます。
式場が大きくなるほど祭壇のサイズも大きくなりますので、小さな式場が利用できればその分祭壇費用も安くなるというわけです。
ですから家族葬の祭壇選びでは、どの範囲までの人をお葬式に呼ぶのかが一番のポイントになります。
もしも家族だけのお葬式であれば、式場内に移動スペースを設ける必要がありませんから、棺全体を花で囲むタイプの花祭壇もOKです。
まとめ
祭壇選びをするためには、まずはあなたがどのようなお葬式をしたいのかがハッキリとしていることが大切です。
さらに家族葬の祭壇選びでは、お葬式に呼ぶ親族の範囲もあらかじめ決めておくことも大切です。
この2つがハッキリしていれば、自動的に祭壇の大きさも決まります。
そのためそのあとの祭壇選びは「費用を重視する」と「見た目を重視する」のどちらを選ぶのかがポイントになります。