お葬式まで家で遺体を安置することが出来ない場合はどうすればいいの!?

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住宅事情や様々な事情から、亡くなった後自宅に連れて帰ることが出来ないケースが増えています。

少しでも自宅に連れて帰りたいと思う気持ちはあったとしても、事情によってはそれがかなわないこともあります。

そんな事情を抱えている場合に一番不安に思うのが、「どこに遺体を安置すればよいのか?」ではないでしょうか?

そこで今回は、事情があって自宅に連れて帰ることが出来ない場合にどのようにすればいいのかについてわかりやすく説明していきます。

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自宅以外で安置するには?

自宅以外の場所で安置をするにしても、必ずしも葬儀社のセレモニーホールを利用しなければいけないということではありません。

お寺

寺によって安置の方法は異なりますが、最近では安置専用の部屋を準備している寺もあります。

 

施設の安置室

有料老人ホームの中には、安置をすることが出来るスペースをあらかじめ準備していることもあります。

 

集会所・公民館

団地の集会所や地域の公民館を利用することが出来ることもあります。

ただしあらかじめ使用の許可を受けておく必要があります。

 

火葬場

棺を補完するための専用の冷蔵庫を備え付けている火葬場の場合もあります。

利用資格については施設によっても異なりますが、利用資格を満たしていれば病院などの施設から直接火葬場の保管用冷蔵庫に安置することもできます。

どんな事情で安置室を利用しているの?

かつては最期をみとる場所が自宅だったということもあり、安置も葬儀も自宅で行うことが一般的でした。

でも今はほとんどの人が病院などの医療施設で最後の時を迎えるため、「自宅=安置場所」とは限らなくなりました。

でも自宅に安置をしない選択をする人には様々な事情があり、その事情も年々変化がみられます。

 

家が狭くて安置が出来ない

最もオーソドックスな理由が、「部屋の狭さ」にあります。

自宅を安置場所にするということは、生活スペースが安置場所になるということです。

しかもお葬式は亡くなった当日に行うことはできません。

 

これは日本のお葬式には必ず「火葬」がセットになっているからです。

日本の法律では、火葬をすることが出来るのは「死亡してから24時間が経過していること」となっています。

つまりどれだけ急いでお葬式をするにしても、必ず一晩は遺体を安置する必要があるわけです。

 

お葬式を別の場所で行うとしても、遺体が安置されている場所にはお別れのためのスペースも必要ですし安置に必要な備品も置く必要があります。

これらは棺も含めると最低でも畳3畳のスペースが必要になります。

もしもこのスペースを確保しつつ自宅でお葬式までの生活を送ることが出来ないというのであれば、やはり自宅以外の場所を安置場所とする必要があります。

 

近所に知られたくない

自宅に遺体を連れて帰るとなれば、専用のストレッチャーを使って自宅の中まで連れて行かなければいけません。

もちろん専用のストレッチャーを収納することが出来る専用の車(搬送車といいます)も必要になります。

搬送車の多くは葬儀会社の名前が書いてありますから、その車を見ればご近所さんに訃報があったことが知られてしまいます。

 

ご近所さんに訃報を知られたくないと思う理由も人それぞれなのですが、やはり第一に挙げられるのが「出来るだけ小規模なお葬式をしたい」ということです。

ご近所さんであれば、訃報を知れば弔問に訪れるのがマナーです。

そのためどうしても家族やごく親しい親族だけでのお葬式とはならなくなります。

 

お葬式の規模が大きくなれば、必然的にお葬式のために必要になる準備も増えてきます。

結果としてお葬式の費用が高くなるということになりますから、費用を節約したいと考えるのであれば出来るだけ訃報を周囲に知らせないということになります。

こうした最近の葬儀事情もあって、自宅に安置をするスペースがあったとしても別の安置場所を利用するという人が増えています。

 

自宅の中が散らかりすぎていて連れて帰れない

一人暮らしの高齢者の場合、どうしても身の回りの整理が出来なくなり気が付いたら部屋の中がものであふれかえってしまっているということがあります。

どのような事情があったとしても、亡くなった後の一晩を病院の一室で安置するということはできません。

特に救急病院に指定されている場合は、エンゼルケア(病院の施設などで行われる死後の処理)が終わるとできるだけ早く遺体を引き取るようにせかされることもあります。

限られた時間の中で自宅の片づけをすることが出来ないと判断した場合は、自宅以外の場所に安置する方法をとることがあります。

 

死亡の直接の原因を思い出す場所だった場合

自宅で自殺をしている場合には、「自宅=死因を連想する場所」になります。

自殺の場合は「死因を明かす場合」と「死因を隠す場合」に分かれます。

どちらにしても家族にとっての精神的な負担は大きいですから、少しでもそのことから目を背けたいと思う心境になるのは当然です。

このような場合も自宅には連れて帰らず、別の安置場所に連れて行くことがあります。

 

自宅で孤独死していた場合

ここで表す「孤独死」とは、最後の瞬間をだれにも看取られることなく死後時間が経過した状態で発見される場合のことを言います。

このようなケースでも死亡してから遺体が発見されるまでの時間が短い場合は特に問題はないのですが、数日~1か月以上経過してから発見された場合には自宅に連れて帰ることはできません。

 

まずこのような状態の部屋に足を踏み入れると、強烈な腐敗臭に襲われます。

あまりにも強烈な臭いなので、正常な状態を保って部屋の中で一晩を過ごすということは不可能です。

もちろんこのような状態の遺体は専用の袋に入れられた状態で棺に入れられていますから、自宅に連れて帰ったとしてもある程度は臭いをカットすることは出来ます。

でも死亡が発見された場所の周辺は腐敗臭を伴う体液が畳や床の内部にまでしみ込んでいます。

そのため臭いは残り続けます。

 

また遺体の腐敗状況が進んでいる場合は、体内にハエが卵を産み孵化しますので大量のハエとウジ虫の処理をしなければいけなくなります。

これらは専門業者が特殊な洗浄剤を使い数日かけて行う作業ですから、遺体を安置するまでにすべてを処理するということは物理的にも不可能です。

そのためこのようなケースでも、自宅以外の場所で安置をすることになります。

 

喪主が妊婦または出産直後の場合

喪主が妊婦または出産直後の場合、子供と喪主の健康状態を配慮して自宅以外の場所に安置をするということがあります。

 

自宅で家族の介護をしている場合

自宅で家族の介護をしている場合は、介護を受ける側及び介護をする側の負担をできるだけ少なくするために自宅以外の場所に安置をするという方法をとることがあります。

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自宅以外の場所で安置する場合の費用や手配の流れは?

自宅以外の場所で安置をする場合、施設によっても利用料金が異なります。

ただしどのような施設を利用する場合でも、安置日数が増えると追加料金がかかります。

利用料金が比較的安い葬儀社のセレモニーホールの場合、1泊2日が最小単位となっており、以後1泊するごとに1日分の追加料金が発生します。

手配する場合は?

葬儀社のセレモニーホール以外の場所で安置をする場合は、あらかじめ使用の許可を受けてください。

その後の流れは「葬儀社のセレモニーホールを利用する」でも「別の施設を利用する」でも同じです。

 

葬儀社に葬儀の依頼をする

葬儀社に葬儀の依頼をすると、引き取り先から安置場所まで移動するための専用の搬送車は葬儀社が手配します。

 

死亡診断書を受け取る

死亡診断書は、死亡を確認した病院または施設で発行します。

 

身の回りの荷物をまとめておく

病室などに残してある身の回りの荷物をまとめ、すぐに移動が出来るようにしておきます。

 

安置先までの移動手段を確保する

自家用車がある場合は、まとめておいた身の回りの荷物は先に車へ積んでおきましょう。

自家用車がない場合は、葬儀社にまずは相談してください。

1~2名程度であれば、搬送車に乗ることが出来ます。

 

葬儀社の担当者が到着

葬儀の依頼を受けた葬儀社の担当者は、指定された引き取り場所に搬送車とともに到着します。

担当者とのファーストコンタクトが無事に済んだら、安置先に移動するまではすべて担当者に任せて大丈夫です。

まとめ

自宅以外の場所に安置をするケースは年々増えています。

自宅に連れて帰れない事情も利用者の増加によって大分様変わりしてきました。

お葬式は亡くなった人のためでもありますが、残される人のためでもあります。

どのような事情があったとしてもそれが家族の負担になるのであれば、自宅以外の場所に安置をするという方法を選択することも大事なことです。

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