浄土真宗の家では初盆供養はしないって聞いたんだけど本当なの!?

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仏教式の初盆供養は、宗派によって違います。

それはそれぞれの宗派によって仏の世界の考え方に違いがあるからです。

さらに浄土真宗には「浄土真宗本願寺派」と「真宗大谷派」があり(厳密にはもっと数はあるのですが、有名な宗派となるとこの2つになります)、この2つでも考え方には違いがあります。

ここでは、浄土真宗の初盆供養について詳しく解説したいと思います。

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浄土真宗ではそもそもお盆供養という考え方がない

浄土真宗は、ほかの仏教宗派とは違いお盆供養が必要とは考えていません。

なぜなら「阿弥陀如来を信じて念仏を唱えれば誰でも往生(浄土の世界に行く)する」という考え方がもとにあります。

 

お盆供養が必要となるのは、盆になると死者の霊が家に戻ってくるからです。

しかも初盆の場合は死者の霊も初めての体験ですので、道に迷わないように白提灯を玄関先につるし盛大なお供え物をして初盆供養をします。

 

ところが浄土真宗の場合は、亡くなった人はすでに浄土の世界(成仏)にいます。

もちろん家に戻ってくることはありますが、盆や正月に限ったことではありません。

つまり死者の霊は仏様と同じように念じればいつでもどこでも戻ってくる存在と考えている宗派なので、あえて初盆供養をする必要はないと考えます。

 

・浄土真宗でも地域の風習で初盆供養をすることもある

初盆供養は仏教だけの話ではありません。

地域の風習や慣習とも深く関係していることなので、浄土真宗であっても初盆供養をする場合もあります。

 

ですから「宗派の考え方通りに行いたい」というのであれば特に初盆の準備は必要ありません。

でも「地域の風習にならって行いたい」というのであれば準備したほうがよいでしょう。

なにしろ浄土真宗そのものが「何をしてはいけない」「何をしなければいけない」という戒律がないのですから、どちらを選んだとしてもお坊さんが起こるということはありません。

浄土真宗ならではの初盆Q&A

Q1、浄土真宗だけれど白提灯を準備しても大丈夫?

A、大丈夫です。

宗派の考えとしては「初盆供養の必要はない」なのですが、それと同時に「何をやっても亡くなった人に対して良い・悪いは起きない」という考えもあります。

ですから準備したいのであればそのようにすればよいですし、特に気にしないのであれば準備をしなくても問題ありません。

 

Q2、ほかの宗派のように初盆供養をしても問題はない?

A、問題ありません。

何度も繰り返していますが、浄土真宗では亡くなったら浄土の世界(成仏)に行きます。

ですから死者の霊を慰めるための盆供養は必要ありません。

でも行ったとしても問題があるとは考えません。

 

ただし浄土真宗の考えがこのようになっているので、お坊さんに読経供養をお願いしたとしても死者の霊を供養するためのお経とは違います。

初盆という機会を通して人が集まり、仏の教えをみんなで学ぶ時間と考えます。

さらに仏の存在を考えるきっかけとしての場とします。

 

ですから「母の供養のためにお経をあげなくちゃいけない」と思っているのであれば、それは宗派の考えからするとちょっと違います。

とはいえ残された家族の気持ちや親族や地域の方の意見もありますので、迷っているのであればまずは周囲に相談してみるのが一番です。

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初盆は浄土真宗の考え方や意味を知ることが準備をする上での基本

・浄土真宗は念仏と聞法を大事にする宗派

浄土真宗の一番の特徴は、仏教では必ずある「戒律」というものがない点です。

そもそも浄土真宗の開祖である親鸞は、当時の仏教界ではタブーである結婚をしています。

奥さんがいるということはつまり私たちの世界の中では当たり前の「家族」という形を持っていたということで、これは当時の仏教界にとっては大きな衝撃でした。

 

では親鸞はなぜ仏教界における世間一般の常識から飛び出すことが出来たかというと、「どんな人でも救済することが本願念仏だ」と考えたからです。

当時の仏教界では、仏門に入るということは世間との縁を切るということです。

この世は俗世という言い方をし、その世界を捨てた時に初めて仏門に入る(お坊さんになる)」と解釈します。

 

また出家をしない在家信者の場合も厳しい戒律があり、これを守ることで仏様に救っていただくことが出来る(成仏する)といいます。

でもこの戒律を守るなら、お坊さんは結婚をして子供を持ち家族を作るということが出来なくなります。

 

また在家信者の場合も戒律を破れば救われないということになります。

こうした人々であっても必ず救うことが出来ると考えそれを実践していったのが、浄土真宗の開祖である親鸞というわけです。

 

そんな浄土真宗では「阿弥陀如来を信じて念仏を唱えれば誰でも救われる」というシンプルな考えが特徴です。

そのため数ある宗派の中でも「わかりやすい」「理解しやすい」という点が最大の特徴と言えるでしょう。

 

・浄土真宗の宗派はとんでもない数がある

浄土真宗というと「浄土真宗本願寺派」と「真宗大谷派」の2つが有名です。

ところが実際にはその宗派数はとんでもない数があります。

 

まず浄土真宗本願寺派ですが、これは数ある浄土真宗のうち「真宗十派」に属しています。

ただ真宗本願寺派だけでも所属している寺の数は約1万寺を超えていますので、真宗十派の中でも最大宗派と言えるでしょう。

そして浄土真宗本願寺派の次に寺院数が多いのが「真宗大谷派」です。

こちらも同じく真宗十派に所属していて、所属している寺院数は約9000寺です。

 

ちなみに浄土真宗と言えば「おひがし」といわれる宗派があります。

これは長い浄土真宗の歴史の中で起きた「お東騒動」によって分派していった宗派・団体となります。

有名なのは「浄土真宗東本願寺派」で、本山は東京都台東区にあります。

 

ちなみにほかにも宗派や寺を持たない無寺院教団も浄土真宗にはあります。

ここまで説明してしまうと大変なことになってしまいますのでここでは説明をカットしておきますが、宗派によって初盆準備の仕方が違います。

ですから浄土真宗の場合は初盆の準備をするに宗派の確認をすることが大事です。

 

・ご本尊は阿弥陀仏如来だけ

浄土真宗は、ご本尊が「阿弥陀如来のみ」という点も他の仏教宗派と大きく違うところです。

(数ある浄土真宗の宗派の中で高田派と一部の門徒のみ例外です)

 

・浄土真宗の教義

こちらもとてもシンプルです。仏様は阿弥陀如来の一仏のみですから、その存在を信じれば誰でも救われる(往生できる)というのが浄土真宗です。

また念仏を唱えれば誰でも救われるという教えでしたので、貧しい庶民の間でも一気に広まり現在においてもその信者数は国内一多いといわれています。

浄土真宗の焼香の仕方や線香のあげかた

・浄土真宗本願寺派の焼香の仕方

浄土真宗本願寺派では、粉を使ったお香(抹香)での焼香では1回焼香が基本です。

指でお香をつかんだら、そのまま香炉の火種にくべます。

注意点としては2つあります。

 

1つは焼香をする前に合掌(手を合わせること)はしないことです。

2つ目は焼香の前に鈴を鳴らさないことです。

外の宗派ではよく行われる作法ですが、浄土真宗本願寺派の場合は異なりますので初盆法要では要注意です。

 

・浄土真宗本願寺派の線香のあげかた

浄土真宗本願寺派は「寝焼香」が基本です。

一般的だと火をつけた線香を香炉灰にたてますが、本願寺派では1本の線香を2つ折りまたは3つ折りにしてから火をつけ、香炉灰の上に横に寝かせておきます。

この方法を「寝焼香」と言います。

 

・浄土真宗大谷派の焼香の仕方

浄土真宗大谷派では、粉を使ったお香(抹香)での焼香は2回焼香が基本です。

しかも「額におしいただかない」が正式な作法です。

ですから指で粉をつかんだらそのまま香炉の火種の上に乗せます。

これを2回繰り返します。

 

・浄土真宗大谷派の線香のあげ方

大谷派の場合も線香は寝焼香が基本です。

本数は1本または2本となっているので、あなたの心の落ち着く方法で選んでください。

寝焼香ですから香炉の大きさによって2つ折りまたは3つ折りにします。

まとめ

浄土真宗の場合は初盆供養を特に必要としていません。

ただし盆供養は仏教だけでなく地域の風習・慣習も関係してきます。

また浄土真宗といっても宗派の数がとにかく多いので、宗派によっても考え方は違いますしお坊さんによっても違います。

 

ですから「どうすればよいのかわからない」というのであれば、お葬式でお願いしたお坊さんに相談してみるのも良いでしょう。

いずれにしても家族が満足できる方法で行うことを浄土真宗では良しとしています。

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