事前にお葬式の費用が積み立てられる互助会系の葬儀屋さん。
でも実際に会員になってお葬式をした人の中には、「互助会の葬儀屋さんに頼まなければよかった」「加入する時にきいていた話と内容が違った」という話もよく出てきます。
でもすでに加入してしまった後にこのような話を聞いてしまうと、「自分の時のお葬式は大丈夫かしら?」と不安に思ってしまいますよね?
でも大丈夫です。
こうした様々なトラブルも、あらかじめどんなことが想定されるのかが分かり、その対処法さえ知っておけばいざその時が来ても満足が出来るお葬式が出来ます。
互助会系の葬儀屋さんでよくあるトラブルとその解決法
・必要のない備品をカットして欲しいと頼んだのに応じてもらえない
互助会の会員の場合、加入時に「お葬式の場合は、これだけの内容・サービスを保証します」というものを提示しなければいけません。
そしてその内容を確実に提供する義務があります。
ですから「写真がいらない」「家族だけだから受付道具一式は必要ない」といっても、契約内容の中にそれらが含まれている場合は、提供しなければいけません。
しかも「不要」と申し出ているのはあくまでも依頼者なので、たとえ使わなかったとしてもそれらにかかる費用が葬儀費用から差し引かれることはありません。
★対応策
セット内容に含まれるものの中に不要なものがあれば、不要とする理由をきちんと担当者に説明してください。
その上で「代替品として何か別のもので対応してもらえないか?」と相談してみてください。
よほど悪質な業者でない限り、正当な理由があった上での提案であれば柔軟に対応してくれます。
もしもこの時に「うちは対応していません」と断られた場合は、その時点で業者を変更するという方法もあります。
もちろんそこまでにかかった費用の実費は請求されますが、キャンセル料が発生することはありません。
・積立金がお葬式では使えないといわれた
よくあるトラブルの一つです。
本来であれば金額がいくらだったにしても、積立金を葬儀費用に充当することは出来ます。
ただし悪質な業者の場合は、「あなたのプランではお葬式に使うことは出来ません」といわれることもよくあります。
★対応策
まずはあなたが加入した際にどのような説明を受けて加入を決めたのか、冷静に思い出してください。
もしもその時の勧誘員が「このプランに加入すればお葬式で使えますよ」とはっきりといったのであれば、そのことをしっかりと打ち合わせの担当者に伝えましょう。
打ち合わせ担当者は「少しでも高いプランで契約をしたい」というのが本音ですので、営業トークの一環としてこのような言い方をしている可能性もあります。
この場合はあなたの言い分の方に正当性がありますので、あなたの主張が通るはずです。
ただし注意しておきたいのは、加入期間が長い場合です。
加入期間中に規約の内容が変更になっている場合、状況によっては本当に使えないこともあります。
ただしこれは「加入者(あなた)に対して規約内容に変更があったことを告知していた場合」に限ります。
いずれにしても利用者が納得できない方法で積み立てさせられていたとなれば、不当と判断されるのは葬儀社の方です。
互助会の積み立てで利用が出来るサービスの範囲をきちんと理解しよう
互助会系の葬儀屋さんの会員ということは、「冠婚葬祭互助会の会員になった」といえます。
つまり「お葬式だけではなく結婚式やその他のお祝いでも積立金が利用できる」というのが正しい解釈です。
もちろん互助会の会員になる目的には、様々ことが考えられます。
例えば「たまたま互助会系の結婚式場を利用したことで会員になった」という人もいるでしょうし、純粋に「お葬式の費用のために会員になった」という人もいるでしょう。
でも実際に加入する際にパンフレットで説明された「サービスの内容」や「規約」を細かくチェックして加入している人はほとんどいません。
そのためいざ利用しようとしたときに積立金が使えなかったり、解約しようとしても解約に応じてくれないなどのトラブルがよく起こります。
会員価格は互助会員でなければ使えないわけじゃない
冠婚葬祭の中でも特に「お葬式」は、グレーゾーンが多く費用や価格が不明瞭であることが昔から指摘されています。
そのため互助会系葬儀社でなくてもお葬式の費用に対して「不明瞭だ」と感じる人が多いのが実状です。
その一つにあげられるのが、「一般価格」と「会員価格」の表示です。
お葬式の打ち合わせは大切な人が亡くなった直後に行われるため、普段なら冷静に判断できることも担当者の言いなりになってしまうことがよくあります。
でも一つひとつの内容を説明されても、動揺している家族にとっては理解が出来ないものばかりです。
そこでお葬式の場合は、「セットプラン」として表示されるのが一般的です。
お葬式のセットプランというのは、最も金額の違いが分かる「祭壇の金額」に応じてお葬式に必要な備品類をすべてセットにして金額を表示するという方法です。
お葬式に必要な物といっても、遺体の安置や保存に必要な備品、セレモニーに必要な備品、遺体の搬送に必要な専用車など様々な項目があります。
もちろんこれらはお葬式を行う上で必ず必要になる物ばかりですので、セットにして販売した方が説明にかかる時間も短縮できます。
ただしここで問題となるのが、会員価格と合わせて表示されている「一般価格」です。
一般価格は、言葉通りに解釈すれば「会員以外の場合に提示する価格」ということです。
でもこの解釈は、葬儀社の価格表示の解釈としては適していません。
互助会系も含めほぼすべての葬儀社において「一般価格」と「会員価格」がありますが、実際に一般価格で費用を請求されることはまずありません。
つまり「少しでもお得に感じられるように、参考価格として表示してみた数字」が「一般価格」といえます。
ですからあなたが互助会の会員でなかったとしても、お葬式を依頼すれば基本的に「会員価格」で対応します。
その代り「今回は特別会員価格として対応しますので、改めて後日会員に加入してくださいね」という一言が必ず付きます。
これも互助会系葬儀社の代表的なトラブルの一つなのです。
途中解約が出来ないには理由がある
互助会の会員になったものの事情があって解約しようとした時、「解約はできません」といわれて困ってしまうことがあります。
でもこれは「規約の内容によっては妥当な判断」だといえます。
互助会のシステムは、「割賦販売法」といわれる特殊なシステムがあります。
割賦販売法はデパートや百貨店などでよく見かける「友の会」と同じもので、あらかじめお金を振り込むことによって通常の商品に付加価値を付けて提供してもらうことが出来るシステムです。
このシステムを「前払い方式」というのですが、このシステムで会員を募集する際には必ず規約を確認する必要があります。
規約には「解約に関する項目」というものがあります。
ここには「解約に応じる期間」だけでなく「解約に伴う解約金」に関する記述があります。
この記述に当てはまる場合は、たとえあなたが解約を求めたとしても解約に応じてもらえない可能性があります。
また解約をしたとしても解約金の方がすでに積み立てた金額よりも高くなることがあります。
そのため結果として「解約しない」という選択をするのが実状です。
賢く利用すれば互助会系のお葬式屋さんの方が安心できる
互助会系のお葬式屋さんに関する注意点について簡単に説明してみましたが、「互助会のお葬式屋さんだから安心できる」ということもあります。
互助会系のお葬式屋さんは倒産しない
互助会系のお葬式屋さんは、日本の法律で定められた「割賦販売法」の「前払い方式」に基づいて営業をしています。
前払い方式の場合、会員を募集した企業が倒産してしまうと最悪の場合積立金が返ってこないこともあります。
ところがお葬式の場合は「そのようなことがあってはならない」と国が厳しく指導しているため、基本的に倒産しません。
過去に互助会系のお葬式屋さんが倒産したケースがありますが、これに対しても国の指導によって会員の積立金は補償されました。
つまり「互助会系のお葬式屋さんは倒産する心配がない」という安心感があります。
これは一般的なお葬式屋さんと大きく異なる点です。
専用のセレモニーホールが利用できる
互助会系のお葬式屋さんは、会員から預かった積立金で会員が利用できるセレモニーホールを建てます。
民間のお葬式屋さんの場合は、セレモニーホールは貸しホールとして他業者にも貸し出していますが、基本的には自社施工を優先させます。
そのため希望者が重なった場合は、利用が出来ないこともよくあります。
これに対して互助会の場合は、互助会員(正しくは「互助会の葬儀社にお葬式の依頼をした家族」)のみの利用になります。
そのため「安置場所がない」「自宅でお葬式が出来ない」「近所に知らせずにお葬式をしたい」という場合でも、確実にセレモニーホールを利用することが出来ます。
まとめ
互助会系のお葬式屋さんはサービス内容の特徴やメリット、利用する際の注意点さえわかっていれば安心してお葬式を任せられます。
ただし「互助会だから安心」というだけでは、知らないうちに損をしてしまいます。
そうならないためにも、まずはあなたが加入している互助会のサービス内容や規約を改めて確認してください。
もしも不明な点や疑問点があれば早めに相談して対応してもらうことも、互助会系のお葬式屋さんを賢く利用する1つの方法といえます。