遺骨を分骨したい時にはどうする!?起こりうる問題や手続きは!?

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火葬をする際に、今後の供養のことを考えて遺骨の一部を分骨したいと考える人が少しずつ増えています。

分骨をして自宅近くの墓や寺に埋葬する人もいますし、手元供養という方法で供養をする人もいます。

でも実際に分骨をするとなると、どのような問題が起こるのでしょうか?

その問題をクリアした場合、手続きやあらかじめ準備するべきものなどはあるのでしょうか?

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遺骨を分骨する時に起こりうる問題とは!?

日本では「遺骨には亡くなった人の魂が宿る」という考えがあります。

その昔土葬が主流だったころには、遺体を埋葬した場所を魂が眠る場所と考え、供養をするということが慣習化してきました。

 

現在の日本では、遺体は99%火葬されます(特質すべき事情がない限り、火葬することが義務付けられています)。

ですから遺骨そのものに魂が宿ると考え、遺骨を安置する墓が「魂の眠る場所」となっています。

でも昨今の墓事情を考えると、たとえ魂のよりどころが遺骨にあるとしても、その保管方法や供養の仕方に問題を呈する人も増えています。

 

墓が遠すぎて墓参りが出来ない

実家から離れ都心部で生活をしている人も増えています。

体が健康なうちは墓参りのために実家に出向いたとしてもそれほど負担にはならないものの、歳を重ね健康に不安を感じるようになると移動するだけでもかなりの負担となります。

 

しかも墓参りをするとなれば、墓の掃除も必要になります。

長期間放置されたままの墓石は汚れていますし、墓地の中には雑草も生えているでしょう。

これらを全て済ませなければならないと考えると、健康に不安のある人にとってはかなりの負担になります。

 

海外に住んでいる場合

国際結婚や仕事の関係で海外に滞在している場合は、さらに問題は深刻です。

墓参りのたびに毎年帰国することもそう簡単にはいきません。

体への負担だけでなく、金銭的な負担も出てきます。

 

親戚関係が希薄になって墓参りがしづらい

かつては親族が墓を共有していたものですが、親族の墓に入るためにはやはり日ごろからの付き合いも大切になります。

身近なところに住んでいるのであればよいのですが、仕事などの都合で田舎を離れて暮らしていると親戚付合いは限られてしまいます。

 

こうなると、親族側の心情にも変化が出てきます。

「普段は付き合いもしないくせに、困ったときだけ都合よく頼むなんて…」といわれてしまったら、やはりそれ以上強く頼むということは出来なくなります。

 

故人が親族との付き合いが深ければ納骨そのものは認めてくれるかもしれませんが、墓参りに関してはあまり良い顔はされないでしょう。

居心地が悪い思いをしながら毎年墓参りをすることを想うと、やはり気が滅入るはずです。

 

分骨そのものに対して不快感を持っている人もいる

分骨を希望するにしても、家族や親族の中には分骨そのものに対して不快感を持っていることもあります。

これは冒頭でも解説しましたが、遺骨が「魂の宿る場所」と考える人がいるからです。

 

確かに遺骨の一部を取り分けることを分骨というのですから、生きている人の体を遺骨と考えるのであればこれほどひどい話はありません。

体そのものが引き裂かれてしまうということと同じなのですから、故人のことを想うのならそのような発想が出てきても仕方のないことです。

 

でも分骨を希望する人にとっては、「納骨したらもう会えないかもしれない」という気持ちもあるわけです。

だからこそせめて骨の一部だけでも取り分けてもらって、身近なところで供養をしていきたいと行く気持ちになるのでしょう。

どちらも故人を想う気持ちには変わらないのですが、やはりこの想いの違いについて理解していないと後々トラブルに巻き込まれてしまいます。

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遺骨を分骨するために必要な手続きは!?

もしも分骨した骨を自宅近くの墓や寺などに納めるのであれば、必ず「分骨証明書」が必要になります。

もともと火葬が終わると「埋葬許可書」が発行されます。

これはのちに墓を移転するときなどにも必要になる書類で、「どこに埋葬をしているか」ということを証明するための書類でもあります。

 

もしも分骨した骨を墓や寺に納骨するのであれば、埋葬許可書と同じ効果を持つ「分骨証明書」を発行してもらう必要があります。

これは火葬場で申請書類を提出すれば可能ですが、その場合は火葬前に申請する必要があります。

 

すでに埋葬された遺骨でも分骨することはできる

すでにお墓に埋葬されている遺骨であっても、きちんとした手続きをすることによって分骨することはできます。

ただし墓地の管理者への相談が必要なことも多いので、手続きとしては多少面倒になります。

 

手元供養として分骨するのなら、葬儀社に相談すれば対応してくれる

骨の一部を手元供養として受け取りたいのであれば、葬儀社の担当者に相談することで対応してくれます。

本来であれば分骨証明が必要となりますが、遺骨の一部であればその場で対応してくれます。

また散骨を希望する場合も、散骨した後に遺骨の移動が関係しません。

ですから散骨をするために必要な行政手続きなどはありません。

ですから収骨の際に散骨用として分骨をすることもできます。

遺骨を分骨するために必要な条件とは?

分骨をする場合は、3つのことをクリアしなければいけません。

遺骨所有者の了承をとる

どれだけあなたが分骨を希望していたとしても、遺骨所有者がそのことを認めなければ分骨は出来ません。

遺骨所有者というのは、「祭祀を執り行う人」のことを言い、慣習として喪主が務めます。

 

親族の了承をとる

遺骨所有者の了承だけでは分骨は出来ません。

とにかく日本人の意識の中には「遺骨は魂が宿る場所」という考えがあります。

しかもその後の供養は親族も一同で行います。

ですから親族の了承を得ることも分骨をするためには大切なのです。

 

分骨後の供養の方法を決めておく

分骨が出来たとしても、その後の供養の方法を決めていなければ意味がありません。

供養の方法にも様々な種類がありますが、遺骨を預かるということはあなたにも遺骨の供養を続けていく義務が発生します。

一時の感情だけで分骨したものの、どのような方法で供養をしていけばよいかわからないというのであれば意味がありません。

すでに埋葬してしまった遺骨を分骨し新しい墓に埋葬したい場合は?

分骨をした遺骨を自宅近くの墓や寺に埋葬したい場合は、少し手順が複雑になります。

現在の墓の管理者に許可をもらう

現在遺骨を納めている墓の管理者にまずは連絡を取ります。

そして分骨後に新たな墓に納骨を希望していることを伝えます。

すると「分骨証明書」を発行してもらうことが出来ます。

 

分骨証明書は、新しい墓に納骨をする際に必要になる書類なので、なくさないようにします。

ただし墓の管理者によっては、新たな納骨先の管理者が発行する「受け入れ証明書」の提示を求められることがあります。

 

遺骨を分骨する

必要な書類を発行してもらえたら、分骨をします。

 

新しい墓や寺へ納骨予定日を伝える

新しい墓や寺に納骨する場合は、納骨予定日を伝えておきます。

 

希望の場所に納骨する

新しい墓や寺に分骨証明書を提出し、納骨をします。

まとめ

分骨をするにしても、日本人は遺骨に対して特別な感情を持っています。

ですからあなた一人の希望で分骨が出来るというものでもありません。

亡くなった人もそのことが原因で家族や親族と仲たがいを起こすようなことは望んでいないはずです。

誰もが納得できるような方法ですすめていくことが、分骨をするためには大切なのです。

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