お葬式で使う提灯と法事で使う提灯は意味や種類が違うの!?

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お葬式やお盆で見かけるものといえば「提灯」があります。

提灯にも様々な種類があり、使い方や意味もそれぞれ違います。

そこで今回はお葬式やお盆などの法事で使う提灯の種類とその意味の違いなどを、分かりやすく解説していきます。

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お葬式で使う提灯は法事で使うものとは違う

提灯は、昔からある照明道具です。

そもそもなぜ「提灯」と書くかというと、「手に提げて使う灯り」だからです。

同じように手に提げて持ち歩く照明道具には「行灯(あんどん)」があります。

どちらもお葬式や法要などだから必要だったというわけではなく、あくまでも日用品としての照明道具に過ぎません。

そんな提灯ですがお葬式やお盆に使う提灯には、「照明器具」というだけの意味で使うのではありません。

さらに提灯の種類もそれぞれ異なり、使い方も違います。

 

お葬式で玄関の門に下げる【お葬式用の提灯】

お葬式の際には、その場所がお葬式の会場であることを示す提灯がつけられます。

お葬式の提灯には、提灯にかかれている文字の違いはあります。

でもつける際には左右一対で使うことが基本となります。

 

四十九日法要まで使う【大内行灯】

遺影写真や位牌などを安置する簡易祭壇の両脇に置かれているのが、大内行灯です。

地域によって使用する期間などに違いはありますが、「四十九日法要が終わったら下げる」というのが比較的一般的な使い方です。

大内行灯は、四十九日が過ぎた後でも使うことができます。

特に置き灯篭の場合には、お盆(新盆は除く)の際に仏壇の両脇において使うこともできます。

お盆で使う【盆提灯】

お盆で使う提灯は「盆提灯」といいます。

柄が入った美しい提灯で、1対で飾るのが基本です。

「あの世から仏壇のある自宅までご先祖様が迷わずたどり着くことができますように」という願いが込められています。

 

新盆の時に使う【白張り提灯】

新盆というのは、四十九日間の喪が明けてから初めて迎えるお盆のことです。

通常のお盆の場合は「先祖の供養」という意味がメインになるため、親族一同が集まり供養をします。

これに対して新盆は、「先祖の供養」という意味よりも「新盆を迎えた故人の供養」のほうに重きをおきます。

 

そのためお坊さんに供養をお願いするのが一般的です。

また新盆の供養では、親族だけでなく生前故人と親しくしていた人も立ち会います。

新盆では、通常の提灯は使いません。

白張り提灯と言って柄が入っていない白い提灯を使います。

また白張り提灯は新盆以外では使えませんので、新盆が終わったらお焚き上げをしたり葬儀社に引き取ってもらうなどして処分します。

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お葬式の提灯に書かれる文字には意味がある

「御霊燈」とは

お葬式の会場入り口に付ける提灯は「御霊燈(ごりょうとう)」といいます。

御霊燈を入口に置く意味は、「亡くなった人の魂を送る(または迎える)」という意味があります。

仏教式のお葬式の中では最も一般的な提灯なので、「お葬式の提灯=御霊燈」というイメージも強いはずです。

 

「御神燈」とは

御神燈には「神さまにお供えする供物」という意味があります。

御神燈はお葬式の時にだけ使うものではなく、職人や芸人の間では「縁起担ぎ」の意味で玄関の入口につるすこともあります。

 

「忌中」とは

忌中には「喪に服している」という意味があります。

喪に服すという風習は古くからあり、その期間を四十九日としています。

その間に自宅の玄関などに掲げるのが「忌中」と書かれた提灯です。

最近では提灯の代わりに「忌中」と書かれたプレートや紙を玄関の入口に張ることもよくあります。

 

「還浄」とは

還浄(げんじょう)には、「死者の魂が仏の世界に還った」という意味があります。

仏教には「亡くなった人の魂はすぐに極楽浄土へ行く」と考える宗派があります。

このような宗派の場合は、「御霊燈」ではなく「還浄」と書かれた提灯を使います。

このような考え方をする宗派の代表的なものは浄土真宗なので、浄土真宗のお寺が多い西日本エリアでは比較的よく見かけます。

 

また日本人の死生観の中に「死=穢れ」という考えがあります。

そのため「忌中」と書かれた提灯を使う代わりに「還浄」を使う地域もあります。

それぞれの提灯は誰が準備するもの?

お葬式とお盆では同じ提灯でも使う意味が違うため、準備する人にも違いがあります。

 

お葬式の提灯の場合

お葬式の提灯は、遺族が準備します。実際には葬儀社に手配すれば準備してもらうことが出来るので、わざわざ購入する必要はありません。

 

新盆の提灯の場合

新盆は亡くなってから初めて迎えるお盆となるため、一般的なお盆とは違い特別な意味を持ちます。

そのため新盆の提灯は遺族または親族が準備します。

親族が準備する場合は、直接品物を贈るのではなく「御提灯代」として現金を贈るのが一般的です。

ちなみに新盆の提灯は、2回目以降のお盆では使えません。

2回目以降の盆では、絵柄の入った提灯を使います。

 

お盆の提灯の場合

みんなで供養をするという意味がありますから、親族が準備する方が良いといわれています。

提灯には「吊り提灯」と「置き提灯」がある

提灯のタイプには2つあり、上から吊り下げて使う「吊り提灯」と下において使う「置き提灯」があります。

 

吊り提灯は「御所提灯(ごしょちょうちん)」ともいわれ、仏壇の周りを上品な明かりで照らします。

昔ながらの吊り提灯は火袋の中にローソク立てがついています。

実際に使うときにはローソクを立て火をつけて使いますが、その場を離れてしまうとローソクの火が火袋に燃え移って火事を起こす危険があります。

そのため最近ではローソクの代わりに「ローソク電池灯」が使われている吊り提灯が人気です。

 

置き提灯は「大内行灯(おおうちあんどん)」とも言います。

最近ではローソク電池灯が使われているのが一般的です。

大内行灯には、中に回転筒がセットされている「回転灯篭」があります。

回転灯篭は、ローソク電池灯のわずかな上昇気流を使って回転筒が回るようになっています。

大内行灯は組み立て式となっているため、お盆が終わった後も収納がしやすく保管もしやすいのが特徴です。

提灯の保管方法・処分の仕方

提灯の保管方法

使用した提灯をしまう時には、「火袋」と呼ばれる絵柄が入った部分の虫食いに注意が必要です。

提灯の火袋には糊が使われているのですが、糊は虫の大好物です。

そのためしまう前には火ぶくれをはたきなどでよくはたいてから、保管用の箱にしまいます。

さらに防虫剤を入れて虫よけ対策をしておけば安心です。

 

提灯の処分の仕方

提灯にも種類がありますが、お葬式で使った提灯や新盆の提灯については保管しておいても使うことはありません。

そのため早めに処分しても問題ありません。

処分の方法については、「葬儀社に引き取ってもらう」「寺・神社でお焚き上げをしてもらう」という方法が一般的です。

ちなみに一般のごみとして処分しても問題はありません。

まとめ

提灯といっても様々な種類があります。それぞれの提灯には意味があり、使用する目的もその意味と深く関係しています。

ただしお葬式や法要には地域の風習も関係しています。

提灯を準備する個数や飾り方なども地域の風習によってきめられている場合もあります。

どのようにすればよいのかわからない場合は、お葬式を担当した葬儀社に相談するか、または地元の寺・神社などに相談するとよいでしょう。

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