終活をする上で、自分のお葬式にかかる費用って気になりますよね!?
家族に負担をかけない為にも、自分の葬儀費用くらいは残したいと考える人が大半だと思います。
しかし、お葬式にかかる費用を算出したくてもよく分からない事がたくさんあると思います。
そこで、高額と言われる葬儀費用のからくりや注意しなければいけないポイントなど、プロ目線で詳しく解説したいと思います。
お葬式の費用の相場を調べるのはとても難しい
お葬式の費用を一般の人が理解することはとても難しいです。
なぜなら「追加料金ありき」が葬儀社の基本だからなのです。
セットプランほど不明瞭な料金設定はない
お葬式と結婚式は、「必要・不必要が明確ではない」ということと「その場で決断を迫られる」という2点に大きな違いがあります。
金額だけで見れば結婚式もお葬式も、支払うトータル金額で言えば大差ありません。
ごく内輪だけの結婚式やお葬式であれば、50万円以下で全て納めることが出来ます。
ところが規模の大きな結婚式やお葬式となると、その分費用もグンと上がります。
ですからお葬式だけが高いということは間違いです。
ただし結婚式の場合は、日取りが決まったらそれまでの間に少しずつ準備していきます。
もちろん予算もありますから、お金をかけたいところにだけ予算を多めに取り、不要なものはカットすればきちんと予算の範囲内でおさまります。
ところがお葬式は予定が立ちません。人の死が関係しているわけですから、「あらかじめ日取りを決めましょう」なんてことは出来ません。
しかも亡くなった直後から「納得できる・出来ない」関わらず、様々なことをその場で決めていかなければいけません。
もちろん一つひとつしっかりと納得して注文することもできますが、多くの場合、死のショックだけでなく体の疲労もピークに達しています。
そのため「出来るだけ早くこの苦痛から逃れて休みたい」という気持ちになります。
そんな時に便利に思えるのが「セットプラン」という価格表示です。
これは多くの葬儀社で採用している価格表示の方法で、「祭壇のランク」を決めると自動的に付随する備品が決まるというものです。
付随する備品はお葬式を行う上で必要になる物が中心になっており、位牌や棺、骨壺、ドライアイスなど基本的なものがセットになっています。
ところがここに落とし穴があります。
セットプランは「仏教式でお葬式を行うこと」が前提にあります。
なぜなら日本のお葬式の大半が仏教式でのお葬式だからです。
そのため宗教によっては全く必要のないものも含まれています。
つまり「オーソドックスなお葬式の費用を打ち出したもの」がセットプランとなります。
ちなみに要らないものがあったとしても、プランに含まれている以上使わなければいけなくなります。
さらに不要なものと別のものを交換することは、基本的に出来ません。
そのため本当にお葬式のことをわかっている人であれば「セットプラン」は使いません。
お葬式の費用を確定したければ「○○万円以内で!」ということ
お葬式は「金額が高い」というイメージが強いだけに、打ち合わせの担当者としても出来るだけ高い商品を選ばせようとします。
セレモニーホールを利用する場合などはその代表例です。
規模の大きなセレモニーホールとなると、1つの建物の中にサイズの異なる式場を複数もっています。
もちろん式場がサイズと祭壇のサイズは比例します。
ですから出来るだけ広い式場すすめてきます。
本来であれば式場のサイズは「お葬式に参加する人数」によって決めます。
でも訃報連絡を入れたとしても、実際にお葬式に何人の人が参加するのかを予想することはとても難しいです。
そのため「どのくらいの人数が来るのが一般的ですか?」と相談します。
実は打ち合わせの担当者はその言葉を待っているのです。
「お付き合いの範囲によっても異なりますが、この地域に住んでいらっしゃるお客様だと平均○○人はいらっしゃいますよ」と答えます。
この「○」に入るのが、選ばせたい式場の収容人数になるため、まんまとその誘導にハマって提案された通りの式場を選んでしまいます。
実際にはそれほど参加者がいなかったとしても、この営業トークを使えば「この地域の平均的なお葬式の規模でご案内しました」という言い訳が出来ます。
そう言われてしまうと、家族としては「うちの事情が特別だっただけなのか…」と納得せざるを得ません。
こうならないための必殺技が「○○万円以内でお願いします」ということです。
もちろんここでの「○」には、プランの範囲内の備品だけになります。
お葬式の費用には、変動費用といって「実際に使った分だけ支払いをする費用」があります。
これに該当するのが「返礼品」といわれるものです。
こればかりは来ていただいたお客様へのお礼の意味が含まれていることと、「香典費用の半返し」が返礼品の相場となっているだけにじっさいにお葬式をしてみなければ費用として計算することは出来ません。
でも変動品以外であれば、本来追加料金があってはいけないのです。
ですから「変動費用以外を○○万円以内でお願いします」という言い方をすると、あなたのイメージ通りの予算内でお葬式の費用を納めることが出来ます。
合計金額まで記入させた見積書を貰っておくこと
ある程度お葬式の規模のイメージが出来たら、葬儀社から見積書を貰いましょう。
この時に大事なのは、最低2社以上の見積もりを取ることです。
さらに大事なことは、合計金額まで記入させた見積書を貰うことです。
葬儀社の事前見積りは「あくまでも目安ですよ」という言い方をするため、実際にお葬式の依頼をすると事前見積もりの内容と全く違う内容の見積書を提示されます。
それに驚いて指摘すると、「あくまでも事前見積りの段階では総合計の費用は提示していなかったので、実際の見積書の金額と差が出てしまうのですよ」と言い返されてしまいます。
そうならないためにも、事前見積りであっても必ず合計金額まで記入された見積書を発行してもらうようにしてください。
さらに念のために事前見積りの担当者の名刺を見積書に添付して保管しておくと、このようなトラブルが起きたときでもきちんと対処してもらうことが出来ます。
葬儀の規模による計算の仕方
お葬式の費用を考える上で必ず必要になるのが、「お葬式の規模」です。
実は本物のプロであれば、きちんとした計算方法を知っています。
ところがこれを使って算出してしまうと、高い商品が売れなくなってしまいます。
そのため「一般的な目安としては…」というあいまいな表現を使います。
では「どうやってお葬式の規模を事前に予想するのか?」ですよね?
最もオーソドックスなのが「年賀状の枚数」です。
毎年欠かさず年賀状のやり取りをしている人は、訃報連絡を入れなければいけない相手でもあります。
そのため実際に式場に足を運ぶことが出来なかったとしても、電報や供花を送ってきたりします。
ただし最近は高齢者でも携帯電話を持っていることがほとんどなので、年賀状ではなく直接電話で新年のあいさつをする人も増えています。
さらに年賀状の代わりにメールを送る人も増えています。
この場合は「お歳暮の数」を参考にします。
年賀状は代用品があっても、さすがにお歳暮までは代用できません。
そのため付き合い上必ず時候の挨拶が必要な相手には、お歳暮を送ります。
ですからお歳暮の注文票を見れば、ある程度の人数が分かります。
これをあなただけでなくあなたの配偶者、あなたの子ども、あなたの子供の配偶者…のように家族全員分揃えてみます。
すると、大体のお葬式の規模が分かってきます。
これさえわかれば、見積もりを出してもらう時も必要以上に高い金額を提示されることはありません。
お葬式費用を自分で準備するなら別途10万円は用意すること
お葬式費用を自分で準備するのなら、葬儀社に支払う予定のお金とは別に10万円は準備しておきましょう。
これは「死亡診断書発行のための手続き料」「火葬料金」「お坊さんへのお布施」のための金額です。
火葬料金は公営・民営がありますが、公営火葬場を利用すれば1~3万円が相場です。
ただしあなたが加入している健康保険に葬儀終了後「葬祭費の請求」をすれば、火葬料金分は返金されます。
死亡診断書の発行のための手続き料は医療施設によっても金額が違いますが、3000~5000円が相場です。
ちなみにお坊さんを頼んだ場合のお布施ですが、安く済ませたいのであれば葬儀社が提携しているお坊さんを紹介してもらうと一番安くすみます。
お坊さんの中にはお葬式を専門に行っているお坊さんも多く、その場合は30000~50000円で引き受けてくれます。
とはいえ気になる場合は「事前に確認する」または「事前にお寺に依頼しておく」と安心です。
まとめ
お葬式の費用を自分で準備する時には、事前見積り書を葬儀社からもらうだけではダメです。
葬儀社の事前見積りの金額は、実際の葬儀見積り書の金額と大きく異なります。
ですから本当に家族に負担をかけたくないのであれば、きちんとお葬式の規模を設定しちゃんとした見積書を提示してもらうことが何よりも大切です。