終活で死に装束を自分で選ぶのがシニアのトレンド!

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死に装束というと、真っ白な着物に三角の白い布などをつけることをイメージする人の方が多いですね?

たしかにそのイメージも間違いではありません。

一般的な死に装束のイメージは仏教のある宗派における死に装束のことで、日本のお葬式の多くが仏教式のお葬式となることからこうしたイメージを持つことは当然なのかもしれません。

でも「そもそもあの仰々しい死に装束にどんな意味があるのかわからない」という人の方が圧倒的に多いため、「お葬式に必要なもの」というイメージの方が強いのかもしれません。

そういったことも背景にあり、最近では死に装束を自分で選ぶシニアが増えています。

身に付けるものも和装と限っておらず、洋装もあります。

さらに最近では死に装束のためのドレスを自分で作る講座などもあります。

なぜ最近のシニアは死に装束を自分で選ぶのがトレンドになっているのか、その原因や死に装束の意味なども含めてわかりやすく解説していきます。

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終活で死装束を自分で選ぶの!?

「なぜお葬式で死に装束が必要なのか?」という質問で「亡くなった人が旅をするために必要」という答えは、正しくもありますが間違いでもあります。

なぜならば死に装束が必要なのは、「仏教式のお葬式」だからです。

さらに厳密にいえば、「死後、四十九日間旅をする」という考え方がある宗派に限られています。

 

ではなぜ「お葬式で死に装束が必要」というイメージがついているのかというと、日本で行われるお葬式の大半が仏教式だからです。

日本国内には、仏教以外にも様々な宗教を信仰している人がいます。

もっとも日本的な宗教といえば、かつて国教とされていた「神道」があります。

神道というのは神社式のことを言い、死んだ後に旅をするという考え方は持っていません。

その代り神道において「死=穢れ」ですから、神様となるために神道式の装束を身に付ける必要があります。

 

ではキリスト教の場合はどうなのでしょうか?

キリスト教の場合は、「死はこの世の別れであり、約束の地で必ずまた会える」という考え方があります。

ですから「何を着せなければいけない」ということはありません。

そのため生前愛用していた服や着物、スーツなどを身に付けさせます。

 

ちなみに仏教では、「亡くなった直後に仏になる」という考えをする宗派もあります。

この場合は白い着物と帯、足袋を付けます。

白は「清らかなもの」という意味があるため、白い色の着物を付けさせます。

ただし着物の着付け方も生きている人と同じようにするため、左前に襟元を合わせることも、帯の結び目を縦結びにすることもありません。

死に装束にはそれぞれ意味がある

「亡くなると四十九日間の旅をする」と考える仏教の宗派の場合は、亡くなると死に装束を身に付けさせます。

死に装束には全部で13個のアイテムがあります。

 

・経帷子

白い着物のことを言います。

生きていた時の煩悩を祓い、清らかな身体で仏になる旅をするために身に着けます。

着付ける時の襟の合わせ方は「左前」となります。

 

・帯

和装ですので帯を締めます。結び方は死んだときにだけ使う「縦結び」をします、

 

・手甲

道なき道を進んでいかなければいけません。

旅の途中で誤って手の甲をケガしない為に身に着けます

 

・脚絆

仏さまになるための旅ですから、現在のようにアスファルトで舗装されているわけではありません。

旅の途中で飛び石などによってすねを傷つけないようにするために身に着けます。

 

・頭陀袋

お坊さんが首から下げている袋と同じです。

旅の途中で大事なものを入れるために首から下げています。

 

・六文銭

三途の河の船渡し賃です。

無くさないように頭陀袋の中に入れて持たせます。

 

・数珠

仏さまになるための修業ですから、数珠は必需品です

 

・天冠(てんかん)

額に着ける三角の白い布です。

旅の途中では偉い仏さまたちに会うことになるため、失礼に当たらないようにするために着けるといわれています。

ただし天冠についての由来は諸説あるため、ここでは最もわかりやすい解釈を紹介しています。

 

・編み笠

四十九日間もの長旅ですので、編み笠をかぶります。

 

・頭巾

編み笠の下にかぶります。

雨よけ・日よけとして使います。

 

・草鞋

和装ですので、履き物は草鞋です。

 

・足袋

和装ですので、草鞋に合わせて足袋を履きます。

 

・ふんどし(お腰)

和装の際の下着です。

 

仏教式でお葬式をしたら必ず死に装束を付けなければいけないのか?

仏教式でお葬式をする場合でも、必ず四に装束を身に着けなければいけないというわけではありません。

最近では白い着物の代わりに愛用の着物を着付けることもありますし、仏教式であっても洋服やスーツを付けさせることもあります。

とはいえ宗教儀式上必要になる道具ですので、この場合は「棺に納める」または「服の上からかける」という方法をとります。

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「死に装束を自分で準備する」とはどういう意味?

死に装束は、仏教の解釈で言えば「四十九日間の旅支度」です。

でも広い意味で言えば、「最後に身に着ける衣装」とも言えます。

そのため「最後に身に着ける衣装を自分で準備する」と解釈しても間違いではありません。

 

自分で準備する時の注意点

自分で最後に身に着ける衣装を選ぶ時のポイントは、「着付けやすさ」と「サイズ」です。

現在の日本では、ほとんどの人が病院などの医療施設で最期の時を迎えます。

病院では病衣を身に着けていますので、ほとんどの場合は病衣の代わりとなる浴衣に着替えた後で引き取ります。

(医療施設によっては、病衣のまま引き取りとなる場合があります。この場合は後日病衣の返却が必要になります)

ですから最後の衣装を選んだとしても、誰かが着付けさせなければいけません。

そのため「着付けやすい服装」を選ぶのがポイントになります。

 

さらにサイズにも注意が必要です。長期間入院生活を送っていたり病気によっては、かなり体重が落ちてしまいます。

そのため元気な今のうちに準備をしていたとしても、実際に着けさせてみるとサイズが合わないこともあります。

逆に病気によって体がむくんでしまい、事前に準備した洋服が着られない場合もあります。

 

湯灌または納棺士サービスを利用すれば問題ない

湯灌士は、死後の遺体の処をすませて体をお風呂に入れ、着付け・ヘアセット・死に化粧・納棺までを行う専門スタッフです。

納棺士はお風呂に入れることはありませんが、着付け・ヘアセット・死に化粧・納棺までを行います。

どちらのサービスも別途料金が発生しますが、家族の手を煩わせることなく希望通りの衣装を身に着けさせてもらうことが出来ます。

もちろん和装・洋装だけでなく、希望の衣装であれば何でも着替えさせてくれます。

こうしたサービスがあるということも、事前に知っておくと便利です。

シニア女性の間で注目の「ラストドレス」とは?

シニア女性の間で最近注目されている「ラストドレス」は、最期まで自分らしく、美しい姿で見送ってもらいたい人に人気があります。

着付けやすさやデザインだけでなく、病気の治療によって痣などが目立ちやすい腕や首などをさりげなく隠すデザインなのが特徴です。

 

ちなみにラストドレスには、決まった定義やデザインはありません。

それだけに「自分だけのオリジナルの衣装を作りたい」というシニア女性のために、ラストドレスを作る講座を開いていることもあります。

事前に自分で準備をするのであれば、既製品ではなく時間をかけて手作りしてみるのもおすすめですよ。

まとめ

死に装束を自分で準備するということは、「最後まで自分らしくありたい」と思うシニア世代の間で静かなブームになっています。

そもそも「自分の死の準備をすること=長寿の秘訣」と昔からいわれています。

その意味でも、終活の一環として自分の最後の衣装を準備してみてはいかがでしょうか?

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