コンパクトなお葬式の代表的なスタイル「直葬」を葬儀社スタッフが解説!

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今回は葬儀の現場で間近に見守る私が感じた、コンパクトなお葬式「直葬」の実態について話します。

もしもあなたがコンパクトなお葬式について興味があるのであれば、まずは私が現場で見ている「コンパクトなお葬式の現実」と「あなたのイメージするコンパクトなお葬式」を比較してみてください。

その上で本当に依頼するのか、判断してみてください。

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コンパクトなお葬式の代表的なスタイル「直葬」って!?

最近のお葬式では、少人数で行う「家族葬」が人気です。

一般的なお葬式だと「高額な葬儀費用が掛かる」というイメージが強いので、規模の小さなイメージがある家族葬の方が今の世の中では圧倒的にニーズがあります。

でも家族葬といってもお葬式にかかる費用が安くなるわけではありません。

お葬式をする以上、必要になるものは必ずあります。

 

たしかに家族葬にすることによってお葬式に参加する人数は限定できます。

その点でいえばトータルの費用が抑えられるので「家族葬は安い」が間違いであるとは言えません。

でも参加する人数が少なければ、いただく香典も少なくなります。

結果として遺族が負担しなければいけない金額が高くなるので、比較してみると一般的なお葬式とあまり変わりません。

 

これに対して「コンパクトなお葬式」だと費用はかなり抑えられます。

参加する人数も1人以上5名未満が一般的ですので、イメージ通り「コンパクトなお葬式」です。

でもこのスタイルのお葬式の本当の姿を知らずに依頼するならば、あなたは確実に後悔することになります。

 

コンパクトなお葬式の代表的なスタイルといえば「直葬」があります。

直葬は「通夜・葬儀・告別式を行わない」が大前提にあります。

これだけの説明だと「家族だけで送るのであればこれでも十分ではないか?」と思うかもしれません。

ではあなたが今イメージする「家族だけで送るお葬式」とはどんなイメージですか?

分かりやすいイメージとすれば、「葬儀社のホールの安置室で家族だけでお別れをした後、火葬場で簡単な供養をして火葬する」でしょうか?

 

でももしもこのままのイメージであれば、それは「直葬」とは言えません。

そもそも安置室でお別れをするということは、お別れの時間に立ち会うスタッフが必要になります。

またお坊さんを頼むのであれば、焼香道具も必要になります。

さらに安置室に家族がいつ面会に訪れても良いようにホールスタッフを常駐させておかなければいけません。

 

もちろん安置室だって真っ暗にしておくことはできませんから、安置されている間は電気代もかかります。

さらに葬儀社のホールから火葬場に移動する際にも、あなたやあなたの家族の対応をするスタッフを配置しなければいけません。

ですから常に「お客さんの都合に合わせて対応する」ということが必要になります。

残念ながらお葬式では「お客さんの都合に合わせてスタッフを配置する」が一番お金のかかることなのです。

 

葬儀社では、同じ日に複数の葬儀を施工するのが一般的です。

大きな葬儀になればなるほど、現場に派遣するスタッフの数も増やさなければいけません。

でもどんなに規模が小さくても家族の立ち合いがあるのであれば、家族の都合に合わせて対応する必要があります。

つまり「お葬式に家族の立ち合いが必要な葬儀には必ず人件費がかかる」というわけです。

 

ですから「葬儀社のホールの安置室で家族だけでお別れをした後、火葬場で簡単な供養をして火葬する」となれば、少なくとも安置室のホールと火葬場での供養の2回は家族の立ち合いが必要になります。

さらに火葬をするためには、遺体を棺に納めなければいけません。

亡くなった人の体を持ち上げるには相当な力が必要です。

小柄な遺体であったとしても、納棺して棺を移動するには最低でも2人のスタッフが必要です。

このときにも立ち合いがあるのであれば、時間に合わせてスタッフを2名準備しなければいけません。

 

ただし家族が一切立ち会わないのであれば、わざわざ時間に合わせてスタッフを配置する必要はありません。

外の作業の合間に納棺だけを済ませることもできますし、出棺するときにも火葬場の時間に間に合うように霊柩車を火葬場に向けて出発させればよいのですから非常に効率的です。

でもこれが直葬の現実なのです。

これはあなたのイメージしている「家族だけで送る時間があればよい」という直葬のイメージと本当に同じですか?

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直葬を依頼した家族が「イメージと違う!」といって怒り出すこともある

直葬も「葬」という漢字が付いているので、どこかで一般的なお葬式のイメージがあるはずです。

でも直葬は「安置先から直接火葬場に行く=直葬」なので、一般的なお葬式の要素はどこにもありません。

もちろん安置先から直接火葬場へ行くわけですから、家族が遺体と対面するのは火葬場になります。

葬儀社としては火葬場に到着するまでは一切家族の立ち合いがないわけですから、非常に効率の良いお葬式とも言えます。

 

例えば安置場所で家族の立ち合いがあるのであれば、出棺前にお別れをする部屋(安置室)が必要になります。

でも家族の立ち合いがなければ、ホールに設置している遺体保管専用の冷蔵庫に安置することが出来ます。

これならば安置室の準備をする必要がありませんし、ホールに家族対応のためのスタッフを常駐させる必要もありません。

これがコンパクトなお葬式の実態です。

 

それでも直葬にはお葬式の「葬」が付いていますから、お葬式の要素があると考えるのは当然です。

さらに一般的な考え方としてみれば「家族が希望するときに面会が出来る」と考えるでしょう。

でも家族の立ち合いを一切省いているからこそ、超低価格の葬儀プランを提案することが出来るのです。

 

もちろん家族が抱くイメージと実際の直葬に大きなギャップがあることは、受注者としてもきちんと説明します。

それでも亡くなった直後に打ち合わせをする時と少し気持ちが落ち着いてからでは判断力にも大きな違いがあります。

実際に直葬を依頼する家族も打ち合わせの際の内容をあまりよく理解せずに契約しているため、しばらくしてから安置したホールに来れば親族を連れて面会に来ることがあります。

 

ところが直葬ではそれらを一切省いていますから、面会に来たとしても対応してもらえないことがあります。

しかもこの時点で契約したプランでは「お別れが出来るのは火葬場の前だけ」ということがわかります。

もちろんこの場合は「そんなことは打ち合わせの時に一切聞いていない!担当者を呼べ!」となるのが一般的です。

 

確かに打ち合わせの段階で受注担当者に落ち度があれば、現場スタッフとしても対応のしようがあります。

ただし受注担当者がきちんと説明したうえで直葬の依頼を受けているのであれば、納得するかプランを変更するかのどちらかです。

納得できないのであれば直葬以外のプランにすれば、その時点でも内容を変更することは出来ます。

ただし料金は直葬で見積もった金額よりも確実に高くなります。

もしも見積金額以上のお金を出さないのであれば、直葬のプラン内容をあなたが了承するしかありません。

葬儀スタッフはみんな良い人とは限らない

家族の立ち合いがなくても葬儀スタッフにお任せしていればよいというのであれば、立ち合いがないときにどのような対応をされていたとしてもそのことに文句を言うことはできません。

そもそも葬儀スタッフがみんないい人とは限りらないのです。

 

葬儀の現場に立つスタッフだっていろいろな人がいます。

根っからのいい人もいれば、お葬式の仕事を「仕事」としか考えていないドライな人もいます。

ですから家族の立ち合いがなければ、遺体に手を合わせない人もいます。

また「遺体の顔を見たくない」という理由で白い顔布を一切取らないまま納棺する人もいます。

 

さらに霊柩車の運転手の態度も変わります。

霊柩車に家族が同乗していれば、安全に送り届けるだけでなく少しでも家族が快適に車内で過ごせるように心配りをします。

でも誰も同乗者がいない霊柩車では、運転手がカーラジオを聞きながら火葬場まで運転していることもあります。

もちろんこうしたことは家族の立ち合いがあれば絶対にあり得ません。

でも立ち合いがないということは、場合によってはこのような対応をされてしまうことだってあるのです。

まとめ

私はコンパクトなお葬式も、依頼する家族のイメージとお葬式の内容が一致しているのであれば全く問題がないと思います。

でも「ごくわずかな家族だけで送る低価格のお葬式」というイメージでコンパクトなお葬式を依頼するのであればそれは間違っていると思います。

 

ただ直葬にも一定のニーズがあるのは間違いありません。

身寄りが一人もおらず頼れる人が誰もいないというのであれば、あらかじめ葬儀社に生前契約をしておくことで最低限自分の死後の処理を他人の手を煩わせることなく済ませることが出来ます。

また本当にお金がない場合には、直葬という方法も選択肢の一つです。

 

ただしお葬式の費用を出すことが出来ないほど生活に困っている場合は、生活保護の申請をすることも一つの方法です。

そうすれば葬儀にかかった費用は国が葬祭費として支給してくれます。

 

いずれにしても「安くて少人数で出来るお葬式=直葬」と思って依頼をしようとしているのであれば、今一度葬儀社のパンフレットを確認してください。

内容をきちんと把握したうえで依頼することが、コンパクトなお葬式で後悔をしない唯一の方法です。

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