お葬式の準備で最初に行うのが「葬儀社との打ち合わせ」です。
葬儀社との打ち合せは葬儀の準備をするために重要なものです。
でも打ち合わせに挑むときの家族の状態は精神的にも肉体的にも疲労のピークを迎えています。
ですから普段は何事にも慎重に判断できる人でも、冷静さを欠いてしまい後になって後悔をする原因となってしまうこともあります。
そこで今回は、喪主の最初の務めである「葬儀社との打ちあわせ」の内訳について詳しく紹介。
それぞれの内容の解説から決定するときのポイントなどをわかりやすく解説していきます。
葬儀内容の打ち合わせって!?
葬儀社との打合せは「家族構成」「葬儀の日程」「葬儀の規模」「宗教(宗派)」「場所」「葬儀施工に必要となるもの」「納棺に関すること」「参列者への対応」「その他」など多岐にわたります。
・家族構成についての打ち合わせ
喪主の決定をします。
一般的なお葬式の場合は喪主が施主も兼任します。
また喪主を含めた家族の構成について簡単な聞き取りを行います。
家族の情報は葬儀の規模や場所の設定などで必要になります。
・葬儀の日程についての打ち合わせ
正式な葬儀日程の決定は火葬場の予約確定によって決定します。
火葬をするためには、法律によって死亡してから24時間経過していなければいけません。
そのうえで通夜式・告別式を行う場合は、火葬する日から逆算して日程を決めます。
・葬儀の規模についての打ち合わせ
お葬式に呼ぶ人の範囲をどこまでに設定するのかによって、葬儀の規模は決まります。
特にここ数年人気が集まっている家族葬では、お葬式に呼ぶ親族の範囲をどこまでにするのかによって規模が変わってきます。
規模が大きなお葬式の場合は、会場の準備なども大掛かりになりますので費用も高くなります。
規模が小さなお葬式の場合は、コンパクトなサイズの式場で行うことが出来るので費用を抑えたい人におすすめです。
ただし規模が小さなお葬式の場合は、香典で賄える費用が限られます。
ですから家族の金銭的な負担は大きくなります。
・宗教(宗派)についての打ち合わせ
宗教によって葬儀に必要になるものが変わります。
例えば仏教式の場合は、位牌と戒名が必要になります。
また同じ仏教であっても宗派が違うと準備するものが変わってきます。
このように宗教儀式を行うお葬式の場合は、どの宗教のお作法で行うのかがポイントになります。
★菩提寺がある場合は要注意
菩提寺がある場合は、同じ宗派でなければ墓に入れることが出来ません。
このような場合、基本として菩提寺に葬儀を依頼します。
事情があって菩提寺に依頼が出来ない場合(遠方での葬儀など)も、あらかじめ菩提寺に連絡を入れておく必要があります。
・場所についての打ち合わせ
葬儀を行う場所を決めます。
これは葬儀の規模が決まった後に行います。
葬儀を行う場所としては自宅、寺、教会、公営斎場、民間のセレモニーホールなどがあります。
・葬儀施工に必要となるものの打ち合わせ
お葬式を行う上で必ず必要になる備品などを決めます。
ほとんどの葬儀社の場合セットプランとなっているので、希望するランクを選ぶと葬儀に必要な棺や骨壺などが全て準備できるようになっています。
★プラン内容のチェックは難しい
お葬式には最低限必要となる棺や骨壺、遺影写真、位牌などのほかにも様々な備品が必要になります。
そのためセットプランとなっている場合は、プランの内容をきちんと確認する必要があります。
ただしお葬式で必要になるものの範囲は多岐にわたるので、プラン以外で必要となるものについて説明を受けてからプランを決める方法もあります。
プラン以外に必要になる費用の内訳が分かれば、葬儀費用のトータルが見えてきます。
特に予算があらかじめ決まっている場合は、プラン以外に必要なものの有無をはっきりとさせておくことが大切です。
・納棺に関する打ち合わせ
多くの葬儀社では「湯灌(洗体・洗髪、着せ替え、死化粧)」がプランの中に含まれています(※1)。
そのため納棺式では「湯灌」「納棺」が行われます。
所要時間は45分~1時間程度です。
納棺が行われる時間や日程によってはドライアイスの追加なども必要となるので、打ち合わせの際に納棺のスケジュールも確認します。
※1
葬儀社によっては、湯灌がオプションサービスとなっている場合もあります。
内容を確認するときは「セットプランの内訳」をチェックするようにします。
・参列者への対応に関する打ち合わせ
参列者のおもてなしに対する内容は、葬儀費用とも関係します。
飲食の準備がある場合は、料理の内容や注文数だけでなく飲み物の手配なども必要になります。
配膳人の手配が必要な場合はその人数も打ち合わせします。
また参列者への返礼品の内容と個数も打ち合わせします。
お礼状をセットにする場合は、文面の内容も確認します。
・その他に関する打ち合わせ
遺品などを展示するメモリアルコーナーなども最近人気があります。
メモリアルコーナーの設置希望がある場合は、葬儀社との打ち合わせの際に行います。
ちなみに、メモリアルコーナーの設置は葬儀社によってはオプションサービスとなっていることもあります。
また式場スペースの問題でメモリアルコーナーが設置できない場合や、展示できるもののサイズが限定される場合もあります。
ですから「どのようなメモリアルコーナーになるのか」「どのような遺品を準備すればよいのか」をあらかじめ確認するようにしておきましょう。
お葬式の打ち合わせの注意点は!?
お葬式の打ち合わせは、安置完了後すぐに行わなければならないものではありません。
いざその時になると精神・身体ともに披露のピークにあります。
ですから冷静な判断をするためにも少し時間を空けてから行うことも選択肢の一つにあります。
ただし葬儀の準備をするには時間がかかります。
また関係各位への訃報連絡などもありますので、打ち合わせをするタイムリミットもあります。
そのため打ち合わせをする時間を調整する場合は次のようなこと注意するようにしてください。
・夜中の打ち合わせは避けるべき
火葬場の予約は基本的に日中となります。
そのため夜中に打ち合わせをしたとしても火葬場の空き状況によって日程が変更となり、改めて打ち合わせをしなければならなくなることもあります。
ですから夜中に亡くなった場合には無理にその場で打ち合わせをせず、火葬場の予約開始時間に合わせて打ち合わせをするようにした方が体への負担も軽くなります。
・打ち合わせまでに準備しておくものを確認する
打ち合わせまでに準備しておく必要があるものを確認します。
遺影写真や死亡診断書、印鑑などは必ず必要になります。
そのほかにも家紋の確認などが必要になる場合もありますので、打ち合わせまでに準備しておくもののリストをもらっておきましょう。
・迷った場合は3パターンの見積もりをもらおう
葬儀のプランといっても、一般的には各プランの違いがどこにあるのかを判断するのは難しいです。
でも葬儀社によってはプランによって金額だけでなく、セットになっているサービスの数(または備品の数)も違う場合があります。
そのためどのプランにすればよいのか迷った場合は、プランを3パターン作ってもらうのがおすすめです。
費用を節約したいのであれば、3パターンの中で最も金額の低いプランを選ぶとあなたがイメージしている通りの規模・費用のプランとなります。
真ん中のプランは、あなたが希望したプランよりもやや高めに設定されています。
ですからイメージしている葬儀よりもワンランク上のものにしたい時には真ん中のプランを選ぶのがおすすめです。
ちなみに3パターンの中で最も高いプランは、真ん中のプランを安く見せるためにわざと高めに設定しています。
あまり参考になりませんので最初から選択肢から外してしまいましょう。
葬儀の事前相談を上手く活用しよう
いざとなった時に慌てないためにも、最近では葬儀の事前相談をする人が増えています。
・事前相談は「葬式のことが気になった時」がベストタイミング
事前相談で確認できることは、お葬式の費用のことだけではありません。
お墓がない場合などは遺骨の安置場所なども同時に探していかなければならなくなりますし、住宅事情によって自宅に連れて帰ることが出来ない場合は安置室の確保も必要になります。
このように亡くなってから手配が必要になることの相談をすべて一括で対応してもらうことが出来るのが、葬儀社の事前相談です。
ですから事前相談を受けるタイミングは「気になった時」がベストタイミング。
一度に説明されてもお葬式は非日常の出来事なので、説明をされてもなかなかイメージがわきません。
「少しずつ気になることを相談していくうちに何となく全体のことが分かるようになってきた」というのが一番ストレスのない事前相談の利用の仕方です。
・見積書を出してもらうことが出来る
事前相談では見積書を出してもらうことが出来ます。
費用を抑えたいと思うのであれば、見積書は最低でも3社取るのがおすすめです。
同じ条件で別々の葬儀社から見積書を提示してもらえば、プラン内容を比較することもできますし地域の相場を知ることもできます。
・葬儀社を事前に選ぶことが出来るようになる
「いい葬儀社を探すには宝くじに当たるのと同じくらい難しい」ともいわれています。
でも大切な人のお葬式なのですから、安心してすべてを任せられる葬儀社を選ぶということは大事です。
そのためにも事前相談を通して納得できる葬儀社を選ぶようにするのが、賢い葬儀社選びのポイントです。
まとめ
葬儀社との打ち合わせは多岐にわたります。お葬式は人生の最期となるセレモニーなのですから、安心してすべてを任せるためにもしっかり打ち合わせをすることが大事です。
ただし実際に葬儀社との打ち合わせをする段階の精神状態は、やはり万全とは言えません。
冷静な判断が出来ない心理的状態でもありますので、喪主も含めた近い親族が2人以上で打ち合わせに立ち会うようにするようにしてください。
またいざとなった時に慌てたくないのであれば、無料で対応してもらえる事前相談を利用するのがおすすめです。