神式のお葬式とは!?マナーや手順・流れについても解説します!

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日本のお葬式では仏教式のお葬式が多いですが、もともと日本は神道の国なので神式のお葬式もあります。

ただ仏教式とは違い神式の場合はお作法や式次第なども違います。

そこで神式の葬儀の基本をわかりやすく解説します。

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神式のお葬式の基本

神式のお葬式は、仏教式のお葬式とは大きく異なります。

 

・亡くなった直後に行う「帰幽奉告の儀」

神道では「人の命は神様や祖先からいただくもの」という考えが根本にあります。

ですから「亡くなった人の魂は神様のもとへ導かれていく」という考えがあります。

そのため亡くなるとまず初めに家族が行うのが、「帰幽奉告の儀」です。

 

帰幽奉告の儀は、神棚(または祖霊舎)の前で行います。

喪に服さない人が神棚の扉を閉め、白い紙で覆います。

そして霊舎にてご先祖様の霊に亡くなったことを報告します。

 

■神社に祈願をしていた場合は祈願解きも行う

神社で治癒を祈願していた場合は、祈願解きを行う必要があります。

参拝した神社が近い場合は、喪に服さない関係者に代理で参拝してもらいます。

遠方の神社に参拝した場合は、その方角に向かって拝みます。

 

・枕直しの儀

死に水をとり、湯灌をします。

女性の場合は死に化粧を施し、白い小袖を着せます。

身支度が整ったら北枕にして寝かせます。

 

・納棺の儀

遺体を納棺した後、棺に白い布で覆います。

その後、祭壇の前に安置します。

 

・通夜祭

亡くなった人の魂を再び身体に戻し、その魂が蘇ることを願って行う儀礼です。

 

・還霊祭

通夜祭を行っても蘇生がかなわなかったことで始めて臨終が確定したことになります。

もちろんこれは儀礼的なものではありますが、現代のように医療技術が発達していなかった時代から続く儀礼なので現在でも行われます。

還霊祭によって死者の霊は完全に肉体と分離されます。

そして肉体から離れた魂は霊璽に移されます。

魂を霊璽に移す儀式なので「移霊祭」とも言います。

 

還霊祭は、仏教式の「通夜式」にあたります。

参列者は登殿する前に必ず手水の儀を行ないます。

喪主の一例の後に全員が一例をし、斎主が祭詞を唱和します。

その後楽員によって奏楽されます。

斎主、喪主、遺族、親族、一般の順に玉串奉典を行います。

 

・火葬祭

火葬場にて行う儀式です。

神職が祭詞を奉上し、玉串を捧げます。

 

・葬場祭

最期のお別れを告げる儀式です。

 

■葬場祭の式次第(一例)

①登殿

参列者は指定の席に着座し、会式を待ちます。

 

②第一鼓(奏楽)

斎主、副斎主、斎員が登殿し着座します。

 

③開式の辞

司会者が会式のあいさつをします。

 

④第二鼓

祭式の合図です。

 

⑤修祓の儀

副斎主がお祓いをします。

 

⑥献饌の儀

副斎主、祭員が御饌をお供えします。

 

⑦祭詞奉上の儀

斎主が祭詞を奉上します。

 

⑧弔辞奉読の儀

代表者が祭壇の前で弔辞を奉読します。

 

⑨弔電披露の儀

司会者が弔電を奉読します。

 

⑩玉串奉典の儀

斎主、喪主が大玉串を捧げます。

その後遺族、親族、一般弔問客の順で玉串を捧げます。

 

⑪撤饌の儀

供えた御饌を下げます。

 

⑫斎主拝礼の儀

斎主が祭詞を奉上し、副斎主、斎員が唱和します。

 

⑬閉式の辞

斎主が祭式の終了を宣言します。

 

⑭退殿

斎主、副斎主、斎員が退殿します。そのあとを楽員が退殿します。

 

⑮遺族挨拶

喪主または親族代表が謝辞を述べます。

 

⑯終了

参列者全員が退殿します。

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神式のお葬式は神職との打ち合わせも

神式の場合、葬儀社との打ち合わせだけでなく神職との打ち合わせをする必要があります。

神職との打ち合わせで最も重要なのが、故人や配偶者、遺族などの想いを伝える場面です。

これは一般の告別式に当たる葬場祭での祭詞を作るのに必要になる情報となるので、詳しく説明します。

 

・故人の情報

故人の氏名、生年月日、本籍地、出身地を伝えます。

 

・故人の家族構成の情報

故人の父母の氏名、故人の兄弟姉妹の氏名を伝えます。

 

・故人の性格

故人の幼少期から晩年に至るまでの様子や趣味などを伝えます。

 

・故人の略歴

学齢、職歴などを伝えます。

 

・死亡に関すること

故人が死亡した日時と死因を伝えます。

また病気療養後に死亡した場合は療養中の様子やその経過についても伝えます。

 

・火葬場と墓地に関すること

火葬場と墓地の場所を伝えます。

 

・遺族に関すること

遺族の氏名、続柄、生年月日、現在の職業などを伝えます。

 

・配偶者に関すること

配偶者の旧姓、出身地、配偶者の父母の氏名と続柄を伝えます。

 

・配偶者と故人の関係

配偶者が故人と結婚した日時や式場について伝えます。

 

・その他

そのほかにも祭詞の中に入れてほしいエピソードなどがある場合はそのことも伝えます。

神式のお葬式に参列するときに覚えておきたい2つの作法

神式のお葬式に参列する場合は、「手水の作法」と「拝礼の作法」を覚えておく必要があります。

 

・手水の作法

まず右手に柄杓を持ちます。

そして桶の水を柄杓ですくい左手を清めます。

その後柄杓を左手に持ち替え桶から水をすくい、今度は右手を清めます。

再び柄杓を右手に持ち替え桶から水をすくい左手で水を受けます。

受けた水で口をすすぎ、静かに吐き出します。

 

・拝礼の作法

拝礼は「二礼二拍手一礼」で行います。

所定の位置に立ったら姿勢を正してその場で二礼します。

姿勢を正して柏手を2回打ちます。

ただしお葬式ですので音は鳴らしません。

これを「しのび手」といいます。

二拍手が終わったら再び姿勢を正し深く一礼します。

これが拝礼の作法です。

玉串奉典のお作法

神式のお葬式では、焼香の代わりに玉串を捧げます。

これを「玉串奉典」といいます。

玉串は「榊」に紙垂(しで)を結び付けられたものを使います。

 

・玉串奉典の作法

順番となったらまずは遺族へ一礼します。

その後斎主に一礼します。

玉串を受け取ります。

玉串は枝の根元を右手で受けからつまみます。

そして左手で下から葉を捧げ持ちます。

この時に葉側(左手側)のほうが高くなるように持ちます。

 

玉串案(玉串を置く台)の前まで進み、深く一礼します。

手に持った玉串を目の高さにまで持ち上げ根元が自分のほうを向くように時計回りに回します。

そのまま左手を枝先に移動し持ち替えます。

さらに玉串を時計回りに回し、枝元が正面に向くようにしてから静かに台に置きます。

 

玉串を置いたら一歩下がります。

その場で姿勢を正して拝礼(二礼二拍手一礼)します。

その後斎主に一礼し、遺族へ一礼します。

神式のお葬式に参列する時のマナー

神式のお葬式に参列する場合は、次の3つに注意をしましょう。

 

・不祝儀袋の表書き

不祝儀袋の表書きは、「御榊料」「御神前」「御玉串料」のいずれかになります。

基本的には白い無地のものを使います。

蓮の絵柄が入っているものは使うことができません。

 

・水引

水引の色は双銀、双白、黒白のいずれかになります。

結びは「結び切り」を使います。

 

・使ってはいけない言葉

神式の場合は「冥福」「供養」は使ってはいけません。

これらは仏教用語となるのでマナー違反になります。

まとめ

神式のお葬式は難しいイメージがありますが、作法やマナーがわかればそれほど心配するものではありません。

ただし仏教式のお葬式のほうがなじみが深いため、遺族とのあいさつの時にうっかり「ご冥福を…」とか「ご供養のために…」という言葉を使ってしまうことがあります。

こうした点について気をつけておけば、それ以外は一般的なお葬式とそれほど変わりません。

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