葬儀社の人は遺体を見て怖いと思わないの!?リアルな本音で答えます!

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葬儀業界で働いていれば、亡くなった人の顔を見ることは特別なことではありません。

私もこれまで何千人という遺体と対面してきました。

この数字を出すと、生きている人より死んでいる人と出会うことの方が多いことを実感して自分でもびっくりします。

でもこれだけたくさんの遺体と対面して私ですが、すべての遺体に対して心穏やかに対面できたわけではありません。

それでも葬儀の現場にいる限り、最大限の敬意を表すのが葬儀スタッフの最低限のマナーとしてあります。

でも本音はそうとは限りません。

そこで今回はあなたが思う、葬儀社スタッフに対する素朴な疑問の一つ「死んだ人を見て怖いと思ったことはないの?」にリアルな本音で答えます。

リアルな部分がグロテスクに感じるかもしれませんので、閲覧には注意して下さい。

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亡くなった人の最期の顔は人それぞれ違う

訃報を受けて駆け付けると、まず初めに亡くなった人との対面をしますよね?

その時の顔が穏やかな顔であれば、直接故人と付き合いのある人であれば少なからず安心するはずです。

 

でも亡くなった直後の顔は、誰もが穏やかな顔をしているとは限りません。

それこそ身近な人であっても目をそむけたくなるような表情をしている場合もあります。

そこで葬儀社のスタッフの中には、亡くなった人の顔の表情を作るプロがいます。

それが湯灌士・納棺師です。

 

実は私は葬儀ディレクターでもありますが、湯灌士でもあります。

業界に入ったばかりの頃は湯灌専門会社で湯灌士として働いていました。

だからこそ「人の最期の顔はそれぞれ違う」と断言できるのです。

 

死んだ人と目が合う(目が閉じない)

病気によっては食事がうまく取れずやせ細ってしまう場合もあります。

痩せていくときには身体だけでなく顔も痩せます。顔が痩せると頬がこけ、血管が浮き出てきます。

さらに目の周りの肉もなくなります。

そうなると目がくぼんで隙間が出来ます。

 

この段階になるまで痩せてしまった人は、亡くなった後目が閉じないことがよくあります。

目を閉じさせようとしても眼球と瞼の間に隙間ができてしまうので、うまく目が閉じないのです。

この表情では家族も顔を見るのにためらいます。

特に小さな子供がいる場合は、怖がって遺体のそばに近寄るのを拒否します。

 

もちろんこのように痩せたことが原因で目が閉じない場合も、「復顔(ふくがん)」という技術を使えば目を閉じさせることが出来ます。

ただ正直なところ、もし私が湯灌士ではない一般の葬儀スタッフであれば、このように痩せて目を開けたままの遺体と対面することに抵抗があったはずです。

どんなに遺体と接していても、亡くなった人と目が合うというのは心が穏やかなものではありません。

そのため葬儀スタッフの中には亡くなった人の顔に当てる白い布をかけたまま、顔を見ないようにして現場で作業をする人も多いです。

 

口が大きく開いている

口元が生前のイメージと違うと別人のように見えます。

一番わかりやすい例といえば「総入れ歯の人の装着前・装着後の口元」です。

元気な人でも入れ歯を使っている場合、入れた時と入れる前では別人のように見えますよね?

それと同じで、亡くなった人の表情も口元で大きく印象が変わります。

 

口元の印象が変わって見えるには2つのパターンがあります。

一つは「歯がない状態」です。

いわゆる総入れ歯を使っていた人のケースがこれに当たります。

亡くなった直後に入れ歯を入れることもありますが、口が堅く閉じた状態の場合うまく入れ歯が入らないこともあります。

 

また闘病生活中に痩せてしまったことが理由で入れ歯のサイズが合わなくなり、うまく装着できないこともあります。

この状態で死後硬直が始まると、口から入れ歯が飛び出てしまうことがあります。

こうなると見た目も「穏やかな表情」とは言い切れなくなります。

 

もう一つは「あごが開いてしまった状態」です。

生きている時にあごを大きく開けた状態で長時間過ごすということは、常識的に考えてもありませんよね?

つまりあごを開けたままの状態の顔は「見たことのない顔」になるわけです。

ただ「あごが開く・閉じる」は死後硬直とは関係がないことの方が多いです。

ですから亡くなった直後に病院のエンゼルケアであごをゴムバンドで固定しても、亡くなった人のあごが開かないという保証はないのです。

 

もちろんこれも湯灌士であれば復顔技術で戻すことが出来ます。

湯灌の場合、家族が立ち会う前に湯灌士が復顔するので、口が大きく開いた表情を家族が見ることはありません。

でも復顔をしない場合は、出棺するまで口が開いている遺体もよく見かけます。

 

事故で顔が損傷

事故で頭から顔にかけて大きく損傷してしまった遺体も、そのままの状態で家族が対面するのは厳しいです。

とはいえ事故死は、突然の別れです。

訃報を受けて安置先に駆けつけても、顔を見るまではその事実を認めたくないという気持ちを家族が強くもつのはわかります。

もちろんこの場合も顔のキズを化粧で隠し損傷した部分を隠しながら、出来るだけ対面したときの家族のショックを小さくする努力をします。

 

私もこのような遺体に何度となく対面してきましたが、現場で修復にあたっている時には「何とか家族が対面できる段階まで元に戻してあげなければ…」という想いだけ。

もちろん最初に目にしたときは思わず目を背けてしまいましたが、とにかく何とかしなければという気持ちで向き合います。

ただ処置中に目にした真っ白な脳や骨の断面、臓器特有の生々しい臭いは記憶として残ります。

 

正直言ってこのような状態の遺体を見て「怖い」「気持ち悪い」と思わない葬儀社スタッフはいないです。

それでも現場にいる限りは、自分の中にあるいろいろな感情を無視しているのです。

 

腐乱している

これはあなたが想像している以上にシュールです。

顔の表情は、腐乱の状態によって変わります。

発見された現場の状況によってはすでに体の中にウジがわき、それが鼻や口から外にはい出てきます。

さらに顔全体が膨張し、体液が至る所から出てきます。

お腹もガスが溜まり大きく膨らみます。

さらに顔や体の色も赤・緑・黒…と腐敗状況によって変わります。

 

それでも家族から「何とか最後に顔を見たい」という要望がある限り、湯灌士は復顔でできるかぎり生前の顔に近づけるようにします。

正直言って言葉や文字にしてもこの状態がどんな状況なのかをすべて伝えることなんて不可能です。

これまで数多くの腐乱した人の顔を元に戻してきた私ですが、その時の現場のことが今でもフラッシュバックします。

しかも強烈な臭いやその時手に残ったグニャリとした感覚と一緒に…。

だから私が話せることはここまでです。

孤独死の壮絶な現場を現役湯灌士が語ります。【閲覧注意】
私は「湯灌士(ゆかんし)」として様々な遺体と接してきました。 湯灌士は「身体を洗って身支度をするプロ」でもありますが、遺体の修復をするという仕事もあります。 最期の時を迎える時、必ずしも誰かがその場に立ち会うとは限りません。 場合によ...

誰だって死ぬときの顔は穏やかでありたいと願っている

どのようにして死を迎えるにしても、死んだ後に家族から目を背けられるような表情で亡くなりたいと思う人は一人もいません。

できれば最期の時と同じように穏やかな顔でその時を迎えたいと願っているはずです。

でも人の命がいつどのようにして終わりを迎えるのかは、誰にも分りません。

もしも神様がいるとしても、きっと教えてくれることはないでしょう。

 

でも見送る側の立場としては、最期の顔が穏やかであるということは大きな安心になります。

私の祖母の時がそうでした。祖母はホームで夕食をいつも通り食べ、いつも通りにベッドに入って眠ったまま息を引き取りました。突然死でした。

 

訃報を聞いた母は朝一番の飛行機に乗って葬儀場に駆けつけましたが、私は夕方の飛行機しか予約が取れず到着したのが通夜式終了後でした。

祖母の顔は穏やかでしたが、入れ歯をつけていなかったこととあごが開いていたため祖母の顔ではないように見えました。

すぐに復顔で口元を整えると、母がすぐに私に「やっといつもの顔に戻った。安心した」と一言。

 

母の本音は、大切な人を亡くした家族の本音なのだと思います。

そして亡くなった人の本音でもあるはずです。

だから亡くなった人の最期の顔を見て「怖い」「気持ち悪い」と思ったとしても、亡くなった人の最期の想いを考えれば最大限の敬意で接するのが縁のあった人の役目なのではないでしょうか?

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葬儀スタッフだってお化けが怖い

葬儀の現場にいれば、大抵のことには動じません。

でもこれは現実世界の問題です。

葬儀の現場で働いていても、未知の世界に対する恐怖はあります。

 

かく言う私だってこれまでたくさんの遺体と対面してきましたが、お化けは怖いし大嫌いです。

お化け屋敷も怖いですし、仕事以外の理由で夜に墓地へ行くのはイヤです。

ですから基本的にそうした存在を否定したいのですが、霊安室に一人で処置している時に足をつかまれたり人のうめき声をきいたことがあります。

だからいるといわれれば「そうかもしれない」とも思います。

 

ただ亡くなった人に対して怖いと思う事はありません。

遺体がそばにあったとしても気になりませんし、納棺された遺体のドライアイスを交換するときに話しかけたりもします。

とはいえ葬儀業界には様々なタイプの人がいます。

「お化けや幽霊などは全く怖くないけれど遺体を見るのはイヤ」という人も正直なところいます。

ただ遺体のプロである湯灌士・納棺師に限ればそういうタイプの人は一人もいません。

まとめ

葬儀社に働いていれば遺体と接しないということはほとんどありません。

ただし葬儀社にもいろいろなタイプがあり、業務を細かく分けそれぞれに専属スタッフを配置して対応する業者も多いです。

このような分業制を導入している場合は、葬儀社に働いていても直接遺体を見ることがないスタッフもいます。

まして私のような経歴を持つ人は、一般的な葬儀スタッフの中でも珍しいです。

 

それでも葬儀の現場で働くスタッフに共通しているのは、「亡くなった人には最大の敬意を払う」という大原則を守っていることです。

この大原則を無視している葬儀スタッフに対して同じ葬儀の現場に立つ側の人間は「三流以下」と見ています。

ですからあなたがお葬式を依頼する場合には、くれぐれも三流以下の葬儀スタッフにご注意を!

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